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県議会報告

平成29年9月定例会 決算特別委員会(環境生活部)(平成29年10月17日(火))

2017.10.21

1 指定管理鳥獣捕獲対策について

(1) クマ・シカ対策について

 クマ対策について、小規模なヘアトラップ調査によりモニタリング調査を実施しているが、変動状況をどう評価分析しているか。また、シカについても、県では平成35年までに半減させることを目標とし、毎年度1万頭以上の捕獲を目標とし、個体数管理に取り組んでいるが、捕獲状況は如何に。適切な個体数管理について、科学的なデータに基づき適切な個体数管理が行われているか、県の認識を伺う。

 科学的な個体数管理についてですが、クマにつきましては、3,400頭と推定した後に、平成25年度からは個体数密度の変動を調査するため、地域を限定して小規模なヘアトラップ調査を実施しているところです。その結果を見ますと、直近の平成27年度までのデータですが、特に大きな変動がないという結果となっております。また、シカについてですが、あごや腎臓について、狩猟者から提供いただき、環境保健研究センターにおいてデータ分析を行い、適切な個体数推計ができるような方法を研究しているところです。

 クマやシカについて、民家への接近や農業被害が報告されているが、山の生態系のバランスは保たれているか、県の認識を伺う。

 シカについては、一時は五葉山周辺のみの生息ということでしたが、全県に広がっておりますので、若干、植物の生態系に影響が出ているのではないかと懸念しているところです。クマにつきましては、3,400頭と推定した後の変動は大きくはないとのことでございます。しかしながら、人的被害ということもありますので、引き続き、専門家の意見を聞きながら、適正な個体数の管理に努めて参りたいと考えております。

(2)担い手育成、射撃場の整備について

 被害防止対策と共に担い手育成が課題。担い手の技術力向上、安全対策指導にどう取り組むのか伺う。
 併せて、射撃場の老朽化に伴い施設整備も含めた対策が求められるが、所見を伺う。

 県では、捕獲の担い手の技術力向上のため、狩猟免許取得から3年以内の方を対象に県内各地でスキルアップ研修会などを開催しているところです。また、捕獲にかかる安全対策については、県では猟友会や警察等と連携して、各広域振興局等で、狩猟期前の狩猟事故防止研修会の開催や狩猟期の巡回指導等を行っているところです。
 次に、射撃場の整備についてですが、現在、射撃場は県内各地に14カ所設置されております。今のところ、これらの施設整備について、市町村や県猟友会などから具体的な要望は出されていないところでありますが、そのような御相談がある場合には、担い手育成上の役割や広域的な利用状況等を勘案しながら、お話を伺っていきたいと考えております。

2 三陸復興国立公園の施設管理状況について

(1)三陸復興国立公園の利用状況について

 平成25年度に再指定された三陸復興国立公園における利用客の状況を、環境部局としてどう把握し、どう評価しているのか。

 三陸復興国立公園における利用客の状況でございますが、環境省の調査によりますと、平成28年は、110万人回の利用となっております。
 平成28年は、台風10号などの影響によりまして前年を下回わっておりますけども、震災後、回復傾向にございます。

(2)施設の被害状況と被害箇所について

 東日本大震災津波及び平成28年度台風第10号被害状況と被害箇所はあるのか。施設の管理状況を含め、復旧の見通しは如何に。

 東日本大震災津波による県施設の被害は16箇所、それから台風10号による県施設の被害は1箇所となっておりまして、被災した施設については、現在、自然公園保護管理員により、日常的に点検し、安全確保しているところでございます。
 これらの施設につきましては、委員からお話がありましたが、ラグビーワールドカップですとか様々なイベント、施設の整備もございますことから、優先順位を定めまして、環境省直轄事業の導入など、市町村とも協議しながら効果的な施設整備について検討して参りたいと考えております。

3 犬、猫等の保護対策について

(1)犬猫の殺処分減少に向けた取組と成果について

 28年度の本県の犬・猫等動物の譲渡率は30.0%(全国平均27.9%)、殺処分率58.6%(全国平均61.7%)と伺っているが、取組み状況と成果は如何に。

 犬猫の殺処分減少に向けた取組みと成果についてでありますが、保健所等において、飼い主に対して終生飼養及び適切な繁殖制限措置を指導しております。
 また、犬猫が迷子にならないよう、鑑札、名札及びマイクロチップ等の装着を呼びかけたり、保護中の動物をホームページに掲載するなどにより、飼い主への返還率の向上を図っております。更に、飼い主がいない犬猫の新しい飼い主への譲渡を推進するため、動物愛護団体等と連携し、譲渡希望者の登録やホームページでの情報提供を行う犬・猫の譲渡事業を実施しております。
 これらの取組みにより、平成28年度の犬の保護数は317頭であり、そのうち258頭、81.4%が返還・譲渡、45頭、14.2%が殺処分となっております。
 また、猫の保護数は828頭であり、そのうち389頭、47.0%が返還・譲渡、426頭、51.4%が殺処分となっております。
動物愛護管理推進計画の基準年である平成24年度と比較すると、殺処分数は、犬では84.0%、猫では79.8%それぞれ減少しております。

(2)高齢者の犬猫の飼育に係る課題と対策について

 孤独死による犬猫の収容件数も増えてくるのではないかと思うが、課題と対策は如何に。

 高齢者の犬猫の飼育に係る課題と対策についてでありますが、一般的に、高齢者が犬や猫を飼育するということは、生活の潤いという観点から、有意義であると考えておりますが、ご指摘のとおり飼養不可能になった場合には、新たな飼主への譲渡が必要となりますことから、そのような犬猫についても、安易に殺処分になることがないよう、愛護団体と協力しながら譲渡の推進に努めてまいります。

(3)動物愛護管理の拠点施設の整備について

 宮崎や大阪、福井県等で新たな動物保護施設の建設もされているが、本県でも動物愛護センターの早期整備を期待する。犬猫保護センターの統廃合も含めた総合的な対策は如何に。

 動物愛護管理の拠点施設の整備についてでありますが、動物愛護の機運の高まりの中、平成29年2月議会において動物愛護センターの質問があったところであり、今年度、学識経験者や動物愛護団体などで構成される動物愛護推進協議会において、本県の現状にあった動物愛護のあり方について、施設の可否も含めて検討をいただいているところです。県としましては、その結果を踏まえて検討してまいります。