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県議会報告

平成27年9月定例会 決算特別委員会(農林水産部:農政) (平成27年10月28日(水))

2015.10.29

1 土地改良

【臼澤勉委員】
 私のほうからは、土地改良費についてお伺いいたします。
このたびのTPP協定の交渉、大筋合意を受けて、ますます米を取り巻く環境が厳しくなるという認識の中で、私も総括質疑の中で、これからの農業振興を図っていく上でお米をどこに位置づけるのかということで、知事にもお伺いさせていただきました。その中で、米については基幹的な作物で、本県の農業にとっても重要な位置づけであると、まして、環境保全、国土保全の意味からも、非常に重要な位置づけであると伺っております。
そこで、米、水田農業を支える基盤整備の状況について、まずお伺いさせていただきます。

【鷲野農村計画課企画調査課長】
 本県の基盤整備の状況についてでありますが、水田整備につきましては、30アール程度以上の区画の整備率が51.1%と、東北平均の64.4%に対して10ポイント以上下回っております。また、水田整備とあわせて実施されることが多い暗渠排水などの排水改良もおくれており、水田作付が9割を占める小麦や大豆の単位収量が、東北平均を2割程度下回っている状況であります。
また、水田に農業用水を安定的に供給するための農業水利施設につきましては、昭和30年代以降に盛んに整備された施設の老朽化が進行しており、10年後に基幹的な水路の3分の1が耐用年数を超過する状況であります。

【臼澤勉委員】
 基盤整備がほかの東北各県に比べてちょっとおくれている現状のようでございますが、私もこの基盤整備を進める上での課題が、大きく二つポイントがあるのかなと思ってございます。
それは、まず一つは、今もお話がありましたけれども、維持管理の面でございます。農業水利施設の老朽化、そういった維持管理のポイント、それから次は低コスト化、農地集積、耕作放棄地の話もございましたけれども、そういった集約化、ここの課題に大きく対応していかなければいけないと思ってございます。
 基盤整備についての今後の取り組み方向についてちょっとお伺いいたします。

【鷲野農村計画課企画調査課長】
 基盤整備の今後の対応についてでありますが、本県の水田農業が持続的に発展していくためには、生産性の向上や収益性の高い農業の実現に向けまして、水田の大区画化や排水対策、また農業水利施設の老朽化対策など、基盤整備を着実に進めていくことが重要であると考えております。このため、県では、地形勾配や区画形状など、立地条件や地域のニーズを踏まえた圃場条件の整備に取り組んでいます。
また、農業水利施設につきましては、施設管理者である土地改良区等と連携し、定期的な機能診断を実施して、緊急性の高いものから、順次、補修、更新に取り組んでおります。

【臼澤勉委員】
 先ほどの米価下落の話もございました。基盤整備を進めていく上で、事業費の賦課金だとかそういった部分も大きなポイントになってまいります。ぜひ、そこら辺の対応も総合的にしっかりと取り組んでいただいて進めていっていただければと思います。

2 農地防災事業費
【臼澤勉委員】
次に、農地防災事業費についてお伺いします。
農業用ダムの安全対策について、私の地元の矢巾町のほうでも煙山ダムがございます。昭和43年に国で整備して、現在、東北農政局が耐震性調査を実施しているところでございますが、調査が終われば、その結果に基づいた耐震対策工事が行われる予定とも聞いてございます。安全・安心の確保対策が非常に求められる一方で、ダム管理を国から委託されている地元自治体のほうで経費負担、そういった部分でも苦しむようではちょっと困ると思ってございまして、国、県の支援を期待するところでございます。
そこでお伺いいたします。
県内の農業用ダムの耐震性調査等、耐震対策の実施状況と今後の取り組み方向、そして施設管理者の対策工事費負担への支援策についてお伺いいたします。

【伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長】
 農業用ダムの安全対策ということでございます。
 県内には農業用ダムといたしまして、国が所有している施設が8施設、県が所有している施設が19施設の合わせて27施設ございます。それぞれの所有者が安全対策という部分で、耐震性調査などに取り組むことにしております。堤体等の地質調査データ及び地震が発生した場合の堤体や基礎地盤の挙動解析、そういったものでダムの耐震性を確認することにしております。
これまで、国有ダムにつきましては2施設、県有ダムでは4施設の調査が完了しておりまして、これらのダムは、全て耐震性を有することが確認されております。
今後の取り組み方向といたしまして、まずもって、既存施設の耐震性を確認することが重要でございます。
 煙山ダムなどの国有ダムにつきましては、東北農政局へ調査の早期完了を要請してまいりますし、県有ダムにつきましては、引き続き、国の補助事業を活用しながら調査を推進してまいります。
 調査の結果、耐震対策が必要と判断された施設につきましては、国営事業ですとかあるいは国庫補助事業を導入いたしまして、施設管理者の負担軽減を図りながら、国土強靭化に資するよう対策工事を計画的に進め、安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。

【臼澤勉委員】
 震災以降地震も多発し、そして大雨洪水等、温暖化の影響もございまして、地元受益者である住民は、そこの安全対策について非常に関心を持ってございます。ぜひ、そこら辺もしっかり対応していただきながら、今後の基盤整備事業、農業の生産者やあるいは消費者の方々が安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいただければと思います。