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県議会報告

平成27年9月定例会 決算特別委員会(教育委員会) (平成27年10月29日(木))

2015.10.30

1 いじめ問題総合対策事業

 私からも、いじめ問題総合対策事業について、各先輩委員の方々と重複しないところで、簡潔にちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
まず、いじめ重大事案発生時の市町村への対応についてちょっとお伺いいたします。
 滝沢市での第三者調査委員会の調査報告書の提言において、自死のような事態は、緊急性や特異性から、事後調査等に関して教育現場ではふなれであり、事後対応に新たな問題が生じてしまうというような御提言もございます。県教委として、緊急的に初動対応できるようなノウハウといった部分が蓄積されるかと思うんですけれども、市町村教育委員会に対して積極的かつ的確なアドバイス、そういった対応が求められるかと思うんですが、基本的な対応の考え方についてお伺いいたします。

【大林首席指導主事兼生徒指導課長】
 各市町村で重大事案が発生した際の対応についてでありますけれども、県教委では、市町村が設置する学校で発生した重大事案等で、当該校及び市町村教委だけでは解決が困難な事態に緊急に対応するため、市町村からの要請を受けまして、これは複数の対応になりますけれども、指導主事や臨床心理士から成る緊急支援チームを派遣して、本事案にかかわる調査や、あとは関係児童生徒の心のケア及び学校危機対応等の支援を行う体制をつくっておりますし、実際に対応しております。

【臼澤勉委員】
 今回の矢巾町の事案についてもいろいろと御配慮して対応されていると伺ってございますが、今回、条例とか組織を新たに設立するというような動きもあり、私も一定の評価はするものでございますが、ただ、何よりも実効性の確保が重要かと私は考えてございます。
 総括質疑の中でもちょっと伺わせていただきましたけれども、専門家であるスクールソーシャルワーカーであったり、スクールカウンセラーの配置、そして、福祉部門との連携も重要になるかと思います。
ただ、私は、一番基本的な考え方としては、やはり学校の教員の皆様方が頑張っておられます、そこを最も基本にしながら、地域と学校教育現場がつながるような体制をしっかりとっていただきたいと考えるものでございます。
 知・徳・体というお話もございました。特に道徳教育、徳のところについて、これからもしっかりと対応していただきたいと思うんですけれども、教育長に、そこの地域と学校との連携、そして徳の、道徳教育のお考えについてお伺いさせていただきたいと思います。

【高橋教育長】
 今回の矢巾町事案等を踏まえまして、我々、反省すべき点、また勉強した点、多々ございます。そういうことで、各市町村教委とともに力を合わせて、このような事案が再発しないように今後十分取り組んでいきたいと思っています。
それから、徳の部分ですけれども、やはりいじめ問題だけではなく、社会生活を営む上で、徳というのは人間としての基本に据えるべきものだと思っております。これは道徳の授業だけではなく各教科の活動もそうですし、それから部活動等を含めまして、そういう能力というものを子供たちに育んでいくのが学校教育の大きな使命だと思っておりますので、今回のいじめ事案等も含めまして、我々十分そういうことを基本に据えながら取り組ませていただきたいと思っております。

【臼澤勉委員】
 私も、その道徳教育、全人的な取り組みについてもぜひしっかり取り組んでいただくよう希望いたします。

2 学校給食のアレルギー対策

【臼澤勉委員】
 次に、保健体育総務費の指導運営費、学校給食のアレルギー対策についてお伺いいたします。食物アレルギー疾患児童への対応の現状と課題、児童数の推移等についてお示しいただければと思います。

【八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長】
 学校給食において対応が必要なアレルギーのある児童生徒についてでございますが、小学校、中学校ともに平成25年度より増加傾向にございまして、平成26年度は、小学校で1、747人、中学校で813人という数字でございます。
 現在、食物アレルギーについては、保護者を通じて児童生徒の実態の情報を収集し、学校給食における対応として、献立内容の詳細を事前にお知らせするとともに、提供施設の対応が可能な限り、アレルギー物質を取り除いた除去食や代替食を提供しております。また、対応が難しい場合には、弁当持参等をお願いしております。
これにつきましては、昨年、学校におけるアレルギー疾患対応指針を作成するための事業がございまして、各学校においては、このアレルギー疾患対応指針によりまして、学校における対応委員会を設置するとともに、対応が必要なアレルギー児の個別支援プランを作成し、全職員の共通理解や体制づくりを行うよう求めているところでございます。

【臼澤勉委員】
 非常に増加傾向にあることが確認できました。ただ、現場も、いろいろと設備や作業の状況とか、栄養士あるいは調理師の方々は大分御苦労されながら対応されていると思ってございます。
 私がなぜこの質問をしたかといいますと、給食は言うまでもなく子供たちの健全な発育のために必要なものでございますし、いじめのきっかけとかにつながらないような配慮も非常に重要と思います。
 最後に教育長にお伺いしたいんですけれども、子供たちには、多様な人材というか、いろいろな子供たちがいるというところも理解していただきながら、みんなで育っていくような温かい学校にぜひ対応していただきたいと思います。ちょっと抽象的な話になっておりますけれども、最後に教育長からお話をお伺いして終わります。

【高橋教育長】
 食物アレルギーももちろんそうですけれども、特に小学校高学年─低学年もあると思いますが、発達段階の子供たちにはさまざまな事情の違いがあると思います。アレルギー性疾患もそうですし、例えばアトピーとか、それから発育の度合いも違うということで、やはりそれぞれの子供たちの成長度合いが違う。お互いにそれを思いやる、自他を尊重する、学校教育でそういう思いやりの心を育んでいくのは極めて大事だと思っております。
  学校給食等においても、いずれ適切な対応がとられるように市町村教委等と十分話し合いをしながら、個々に沿った食事の提供でございますとか、それからあとは、子供たちのお互いを思いやる心ということを十分我々意識しながら学校教育の中で子供たちを育んでいきたいと思います。