ホーム  >  県議会報告  > 平成29年2月定例会 予算特別委員会(教育委員会)(平成29年3月14日(火))

県議会報告

平成29年2月定例会 予算特別委員会(教育委員会)(平成29年3月14日(火))

2017.03.18

1 県内公立学校施設のトイレ整備について

(1) 県内公立学校のトイレ整備の現状と方針について

 県内公立学校のトイレの洋式化については、小中学校が全国43.3%、岩手県40.3%であり、県内10%~80%と格差が大きい状況にある。県内公立小中学校及び高等学校施設のトイレ整備の現状をどう評価しているか。
 また、全国調査(H28.11)では和式より洋式を多く設置する方針の学校設置者が全体の85%である。県教委のトイレ整備に対する方針はどう考えているか。

 県内公立学校施設のトイレ整備についてでありますが、公立学校のトイレの洋式化については、生活様式の変化への対応はもとより、震災後は特にも避難所としても活用され、多様な方の利用にも配慮した整備が求められている状況なども踏まえると、今後、優先的に改善を進めるべき課題の1つであると認識しております。
 各市町村の状況については、委員ご指摘のとおり温度差が見られるところであり、市町村に対しては国の助成制度もあることから、明確な方針や年次計画をもって取組を行うよう助言を行っているところであります。
 県立学校のトイレの整備については、内規において「原則過半数を洋式とする」と定め、大規模改修に合せて順次整備を進めているところであります。

(2)特別支援学校のトイレの環境整備に対する課題と整備方針について

 特にも特別支援学校のトイレの環境整備の現状に対する課題認識と整備方針について改めて伺う。

 特別支援学校のトイレについては、児童・生徒の状況により、必要とするトイレの仕様が異なる場合があり、一律の基準による整備は馴染まないことも多くあり、学校からは様々な要望もあることから、個別の事情を聞きながら必要な整備や改修を行うことが必要と考えております。

2 平泉の文化遺産ガイダンス施設整備について

(1) 平泉の文化遺産の情報発信や価値の啓発に対する評価について

 世界遺産登録して5年間の平泉文化遺産の情報発信や価値の啓発に対する評価を伺う。

 平泉の文化遺産の情報発信や価値の啓発に対する評価についてでありますが、平泉の文化遺産の価値を普及するため、県内の学校を対象に平泉の出前授業を毎年度実施してきており、児童・生徒への価値の普及を図っているところであります。
 また、平泉文化の研究や発掘調査の成果を広く発信するため、県民を対象とした「平泉文化フォーラム」を毎年度開催してきております。
 平泉の出前授業については学校からのニーズは高いことや、平泉文化フォーラムの参加者へのアアンケート調査において「平泉文化への関心が高まった」などの回答も得ていることから、今後も、引き続き、平泉の文化遺産の価値の普及に取り組んでいく必要があると考えております。

(2) 既存のガイダンス施設と新たに整備するガイダンス施設について

ア 既存施設とのすみ分けについて

 来年度基本設計等を実施すると伺うが、既存のガイダンス施設の利用状況と新たに県が整備するガイダンス施設のすみ分けをどう考えているのか。

 既存のガイダンス施設の利用状況についてでありますが、既存のガイダンス施設は、平泉町が運営している平泉文化遺産センターのことと思いますが、当該センターの来館者数は、平成26年度は約4万5千人、平成27年度は約3万6千人、平成28年度は2月末現在で約3万5千人と聞いております。
 平泉町の文化遺産センターと新たに整備するガイダンス施設のすみ分けですが、新たなガイダンス施設に、「平泉の文化遺産」の価値の紹介と総合的な情報発信機能を集約し、平泉町の文化遺産センターでは、平泉町の郷土の歴史等を紹介する展示を行う施設としてすみ分けていくことを想定しており、現在、平泉町との協議を進めているところです。

イ 目的と事業規模、展示内容について

 目的と事業規模、展示内容を現時点でどう考えているのか伺う。

 目的と事業規模、展示内容についてでありますが、新たに整備するガイダンス施設は、「平泉の文化遺産」の世界遺産としての理念や価値及び学術情報を、総合的に国内外に情報を発信し、遺産への理解を深めることを目的としております。
 展示内容については、柳之御所遺跡をはじめ平泉の発掘調査で発掘した重要文化財などの貴重な出土品を展示するとともに、映像等を活用した歴史体験を通じて価値を体感する場を提供する予定としており、今後、有識者や関係者の意見を踏まえながら、来年度策定する展示計画の中で具体化していきたいと考えております。

3 スーパープロフェッショナルハイスクール推進事業について

(1) 農業、工業、商業などの専門高校の指定について

 文科省の指定を目指し来年度予算措置されているが、農業,工業,商業などのどの専門高校を指定する予定か伺う。

 文部科学省が進めるスーパープロフェッショナルハイスクール推進事業への申請についてでございますが、委員ご案内のとおり、現在、花巻農業高校が農業分野に申請しております。あわせまして、種市高校が海洋開発科で工業分野に、平成29年度の採択を目指して申請中でして、採択されるかどうかの結果が出るのは、3月末の予定となっております。

 他の専門高校での指定の予定については、今後どのように考えているのか。

 現在申請している2校以外の申請についてでありますが、スーパープロフェッショナルハイスクールにつきましては、大変ハードルが高く、全国での採択は10校程度となっておりますので、正直申しまして大変厳しい採択になるのではないかと考えております。採択されましたならば、採択された高校での先端的な取組を県内のそれ以外の学校にも普及させていきたいと考えております。

(2) 当該事業の目指すものについて

 当該事業の目指すものは何か。

 この事業で目指すものについてでございますが、この事業を通じては、社会の変化や産業の動向等に対応した、高度な知識・技能を身に付け、社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成することを目指しております。

(3) 専門的職業人の育成にかかる目指す産業界について

 社会の第一線で活躍できる専門的職業人の育成を3年(専攻科を含める場合は最長5年)程度取り組むと聞くが、どのような産業界に輩出・繋いでいくお考えか伺う。

 人材を育てようとする分野といたしましては、花巻農業高校につきましては、農業経営のグローバル化や6次産業化に対応できる、国際感覚と経営感覚を身に付け、地域で活躍する農業及び地域産業の担い手を念頭に置いております。
 また、種市高校につきましては、工業系の潜水士養成に対応する全国唯一の高校としての特色を生かして、港湾工事や海底資源開発等を担う潜水業界への人材輩出を念頭に置いております。

4 魅力ある学校づくり調査研究について

(1) 不登校になりにくい学校づくりのための調査研究について

 不登校になりにくい学校づくりのための調査研究を進めるとのことだが、具体的に何を、どの程度の学校で行うのか。

 本県それから全国におきましても、中学校1年生段階で不登校生徒が増加する傾向にございます。
 事業につきましては、新たな不登校児童生徒を生まない学校づくりをするというのがこの事業の趣旨でございます。来年度の新規事業としての「魅力ある学校づくり調査研究事業」ですが、これは国立教育政策研究所から2か年の委嘱を受けて実施するものでございます。
 県内の1中学校区をモデル校として指定しまして、不登校の未然防止、初期対応のための学校体制づくりのあり方等について実践的な研究をしていただくという事業でございます。

(2) 不登校にさせない未然防止の取組について

 新たに不登校にさせない「未然防止」の取組が重要と一般質問でも聞いたが、どのようなものになるのか基本的な考えを伺う。

 不登校に関わる未然防止の取組ということでございますが、実際特にも中学校、高等学校の不登校に関わりましては、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」いわゆる人間関係の部分、それから「学業の不振」の部分が主な要因となっております。
 よって、この2つの部分で、人間関係づくり、つまり集団づくりの部分と、わかる授業づくりというのが両輪になろうかと捉えてございます。
 具体的な事業につきましては、指定しましたモデル地区の主体性もございますので、その部分につきましては、今後の部分で協議をしながら詰めて参りますが、基本的には、人間関係づくりとわかる授業づくり、この2本が両輪と考えてございます。

(3) 本事業の取組の展開と成果について

 県内の各学校にどう展開していくのか、取組の成果をどう見込んでいるのか伺う。

 この事業につきましては、実は他の都道府県でも実践した実績がございます。その結果を見ますと、不登校生徒の割合が減少した、または不登校生徒の割合が全国平均より下回ったという報告が出されてございます。
 本県におきまして2か年の指定でございますので、1年目はモデル校を中心としました取組を行います。それをまとめてリーフレットを作成しまして、県内各学校に配付する予定となってございます。2年目につきましてはそのまとめという形での配付ということでございます。