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県議会報告

平成28年2月定例会 予算特別委員会(商工労働観光部) (平成28年3月15日(火))

2016.03.16

1 商工会、会議所の再建

【臼澤勉委員】
 私からは、大きく二つ、復興のなりわいの再生と観光振興についてお伺いいたします。
 先ほど高田一郎委員から仮設商店街の集約化、撤去助成につきまして御質問がありましたので、これについては省略いたします。ただ、中小企業庁による仮設商店街の移設、撤去につきましては、確かにその事業は対象期間も延長になっておりますけれども、中小企業庁に言わせれば、譲り渡しているので、市のほうであとは撤去してくれと。やむを得ず、例えば区画整理事業とか復興関連事業で継続できない場合とか土地使用者の事情により施設が継続できないとか、そういうやむを得ない事由ということで、限定的なのかなと思っております。いずれにしましても、この移設、撤去につきましてもぜひ引き続き中小企業庁にも御要望していただきながら、なりわいの再生に向けて御支援いただければと思います。
 商工会、会議所の再建についてお伺いいたします。
ことし、大槌の商工会館も─あそこの区画整理事業は6月ごろですか─再建されるということで、大きくまちづくりが一歩進むのかなと期待されております。ただ、一方で、まだまだ商工会あるいは会議所の再建の見通しが立っていないといいますか、できていないところもございます。今の商工会、会議所の現状と、今後の再建見通し、対応についてお伺いいたします。

【高橋経営支援課総括課長】
 東日本大震災津波で被災した商工会議所、商工会館の再建についてですが、全壊という状態になった会議所、商工会は3カ所ありまして、そのうち、大船渡商工会議所は平成25年度に復旧しております。また、今お話があったとおり、大槌商工会については、現在建てかえ中ということで4月完成予定となっております。もう1カ所、陸前高田商工会はまだ復旧をしておりませんで、平成29年度を目途に建てかえする予定と伺っております。

2 観光振興

【臼澤勉委員】
 個々の商工会館の復旧についても、いろいろと事業が限定的な部分もあったりしますので、ぜひそこら辺の御支援をよろしくお願いしたいと思います。
観光振興のほうに移ります。
 先ほども神崎委員から教育旅行の誘致等、御質問がありました。ことしは、平泉の5周年、宮沢賢治の120周年、石川啄木の130周年あるいは十和田八幡平の国立公園指定の80周年と、いろいろ取り組みがございます。それから、北海道新幹線開業といった部分もありますし、先ほど来、三陸ジオパーク、震災学習、岩手にはさまざまな学ぶ観光資源というか学ぶ旅、体験型の教育旅行のプログラム、この観光資源はふんだんにあるのかなと期待しております。
その上で、受け入れ態勢を、ぜひ整備していく必要があろうかと思います。教育旅行に向けた受け入れ態勢、先ほどは商品造成についての御質問がありましたので、私からは受け入れ態勢の部分の取り組みについて御所見をお伺いします。

【平井観光課総括課長】
 教育旅行の受け入れ態勢の整備状況でございますけれども、特にも震災学習を中心といたしまして、これと二つの世界遺産を組み合わせることで本県ならではのオンリーワンの学習メニューが造成されるわけでございまして、これに向けた受け入れ態勢といたしましては、まずは沿岸地域におきまして、三陸ジオパークガイド、それから震災語り部ガイドなど各種ガイドの育成、そして、このガイド団体のネットワーク化に取り組んでいるものでございます。
また、教育旅行の誘致に当たりましては、教育側サイドからのいろいろなニーズとかがございまして、そういう問い合わせに対しまして一元的に対応する窓口が必要であろうということで、私どもこれはプラットフォームと呼んでおりますが、その機能を三陸鉄道に委託いたしまして教育旅行の誘致に取り組んでいるものでございます。

【臼澤勉委員】
 ぜひその受け入れ態勢をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
その上で、ボランティアガイド、先ほども三陸ジオパークの関連でのジオパークのガイドのお話がありました。私は、まさにこのガイドの育成が重要と思っております。国際観光、インバウンド観光においても、たしか全国に先駆けて岩手県で平成19年に地域限定通訳案内士も導入しまして、私の記憶では二十数名、国家資格の通訳案内士を含めると50名近くのガイドを養成されていたと思います。
それでお伺いいたしますけれども、現在の地域限定通訳案内士も含めたボランティアガイドの現状と課題、今後の育成に向けた取り組みについてお伺いいたします。

【平井観光課総括課長】
 まず、ボランティアガイドの現状と課題でございますけれども、現在、県内には49団体771名のガイドが活動しているところでございますが、課題といたしましては、観光客のニーズが多様化していることがございます。これに対応するため、ガイド団体の連携の強化、そしてガイドの充実確保が課題と認識しているところでございます。
このため、県では、平成16年に設立いたしました岩手県観光ボランティアガイド連絡協議会を中心にガイド団体の連携を推進するとともに、県の観光協会を通じて、この協議会が実施するボランティアガイドの研修事業に対する支援を実施しているところでございます。また、沿岸地域におきましては、先ほど御紹介いたしましたとおり、ガイドの養成や窓口の設置などの取り組みを行っているところでございます。
 次に、地域限定通訳案内士の現状と課題でございますが、現在、英語26名、中国語7名、韓国語3名の計35名が地域限定通訳案内士として登録しているところでございますが、近年におきましては通訳ガイドの実績が年間50件程度となっていることから、案内士の活動機会の拡大が大きな課題であると認識しているところでございます。
このため、県では、県の観光ポータルサイトいわての旅において通訳案内士を紹介するとともに、東京都と連携いたしまして、アメリカなど欧米から東京を訪れる個人旅行客を本県に誘引するための東京都との共同プロモーションに取り組んでいるところでございます。
 今後も、個人旅行客を中心とした誘客の取り組みなどにより、まずは通訳士の活動機会の拡大を図りながら、案内士の育成、確保にも取り組んでまいりたいと考えてございます。

【臼澤勉委員】
 先般、ある温泉旅館に行きましたら、中国の個人客も結構いらっしゃっているというお話もあって、今聞きましたら、やはり中国語とか韓国語はガイドがちょっと少ないという印象もありますが、いずれにしましても、これからてこ入れして旅行客をふやしてまいりますので、そういった受け入れ態勢、ガイドの養成についてもしっかり取り組んでいただきたい。ILCもございますから、そういった意味で、地域限定通訳案内士の問題集、非常に岩手に特化した、私も難しくて日本語ですら解けないような……、解けないというか、岩手を知らなければ解けないような問題でございますから、ああいった部分もしっかりと取り組みながら受け入れ態勢に取り組んでいただければと思います。