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県議会報告

令和5年度2月定例会 予算特別委員会(保健福祉部)(令和6年3月12日(火))

2024.06.15

1 医療的ケア児等の支援の取組みについて

(1)県立療育センターの利用状況

〇臼澤勉委員 それでは、大きく2点。
 まず初めに、県立療育センターの利用状況とその評価、それと、まとめて聞きますが、利用率向上のための取り組みについて、お伺いいたします。

〇日向障がい保健福祉課総括課長 県立療育センターの利用状況等についてでございますけれども、令和4年度の状況でお答え申し上げますと、入所部門につきましては、定員60名に対し、1日平均入院患者数が40.1人、病床利用率が66.8%、外来部門につきましては、1日平均外来患者数が72.2人、通所部門のうち、医療型児童発達支援センターは、定員20名に対し、1日平均通所人数7.3人、利用率が36.5%、児童発達支援及び生活介護事業におきましては、定員15名に対し、1日平均通所人数が6.1人、利用率が40.7%となっているところでございます。
 多くの障がい児の受け入れをしたいところではございますが、コロナ禍の影響や医療的ケア児などの重症心身障がい児が年々増加しておりまして、こうした方々に対応できる医療スタッフの確保が課題となっております。定員どおりの受け入れができなかったところでもございますので、人材確保について、取り組みを強化していく考えでございます。

〇臼澤勉委員 入院部門については、令和4年66.8%ということで、年々伸びてきているのかなと、本当に御努力に感謝したいと思います。
 ただ、一方で、先ほども通所部門の医療型児童発達支援センターつくしんぼであったり、ががやきでは、令和4年、がくっと少し下がっているというところであります。さまざまコロナ禍であったり、まだ引き続き感染対策もいろいろある中で、そういった難しい状況にあるのかなと思います。
 続いて、短期入所及び日中一時支援の利用状況について、これについても、どのような課題あるいは改善策について捉えているのかも含めてお伺いします。

〇日向障がい保健福祉課総括課長 療育センターにおける短期入所、日中一時支援の課題等についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症が発生いたしました令和2年度以降、療育センターにおきましては、医療的ケアを必要とする超重症児等が多く入所しておりまして、感染した場合の重症化リスクが高いという理由から、短期入所及び日中一時支援につきましては、受け入れ制限をせざるを得ない状況でございました。
 5類移行後も依然として感染力が強いことから、短期入所等の受け入れ再開につきましては、慎重に検討を行っているところではございますが、緊急性や家庭での看護が困難と認められるケースにつきましては、こうした事情を勘案し、受け入れをしているところでございます。
 今後におきましては、感染症の発生状況や利用ニーズを踏まえまして、受け入れの再開について、検討を進めていきたいと考えております。

(2)医療的ケア児支援センターについて

〇臼澤勉委員 本当に、このコロナ禍あるいは5類移行で、がたっと受け入れがほとんどないような状況になっているということで、逆に言うと、その分、御家庭であったり、そういった負担がかかっているのかなという、そこら辺のフォローを丁寧に、ぜひお願いしたいと、このように思います。
 そして、みちのく療育メディカルセンターに医療的ケア児の支援センターを委託されて、たしか令和4年に委託事業が始まりましたけれども、こちらの今の運営状況、委託状況、そして、その課題があれば、課題、改善策を含めてお伺いいたします。

〇日向障がい保健福祉課総括課長 みちのく療育園メディカルセンターに委託設置をしております医療的ケ児支援センターにつきましては、センターの設置によりまして、当事者及び支援者の相談先が明確化されたほか、市町村に配置します医療的ケア児等コーディネーターの配置数が、11市町村から19市町村に増加するなど、地域の支援体制が促進されてきていると認識をしております。
 地域によっては、医療人材の不足等によりまして、取り組みが進んでいないことから、居住する地域にかかわらず、適切な支援を受けながら生活できるよう取り組んでいく必要があると考えております。
 こうした状況から、令和6年度当初予算案におきましては、新たに、医療関係者で構成するスーパーバイズチームを設置するための経費を盛り込み、地域で医療的ケア児の支援を担う市町村などの体制強化に向けて、取り組んでいくこととしております。

〇臼澤勉委員 本当に、ここの役割分担は、令和4年から、また、そういった体制しっかりと構築されてきているなと評価はいたしますし、そういった中で、従来、先生方からも言われている小児期から成人期への移行をしっかりと移していくような、その体制の構築という部分も、大きな課題として挙げられておりますけれども、ここの取り組み、県として、どのように進めていくお考えかお伺いいたします。

〇日向障がい保健福祉課総括課長 移行期の医療体制についてでございます。県立療育センターを利用されている方で、18歳到達による退所者につきましては、例年5人程度いらっしゃいます。その多くは、障がい者支援施設や療育介護事業所などへの入所、それから、重症心身障がい児者の病棟へ転院しております。主に、みちのく療育園メディカルセンターや国立病院などが、その転院先となっているところでございます。
 対象に当たりましては、当事者の心身の状況や家族の意向を踏まえまして、療育センター内に設置をしております療育連携室が中心となって、調整を行っているところでございます。
 今後は、この療育連携室に退院支援担当者を新たに配置いたしまして、退院後も、切れ目なく医療やリハビリテーションが受けられるよう、関係機関や障がい福祉サービス事業所等々の連携強化に取り組むとともに、センター内の医師、看護師など、多職種連携をした移行支援を進めていきたいと考えております。

2 成婚率向上対策について

(1)食事券配布事業について

〇臼澤勉委員 ぜひ、しっかりと進めていただきたいと思います。
 次に、成婚率向上対策についてお伺いいたします。今回、食事券の配付事業ということで、新基軸の提案があったわけでございますけれども、これについてちょっと確認させていただきますが、まず、この事業の目的と期待される効果、そして、事業の対象選定基準みたいな、そういったところの詳細についてお伺いいたします。

〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 お食事券配付事業についてでございますが、まず、この事業を実施した目的ということですが、i-サポの課題として、マッチング成立後に一度も会わずに、交際が終了したり、交際が長続きしないという課題が挙げられておりました。
 そのフォローアップの一環として、お食事券の配付という事業を実施しようとするものでございますが、i-サポの対象の選定でございますけれども、i-サポにおいては、お見合い終了後に、相手方と合意の上、連絡先を交換することを、交際ということで定義づけておりまして、交際成立カップルに食事券を配付することを想定しております。

〇臼澤勉委員 連絡先を交換したら交際がスタートだということのようですけれども、この事業が発表されてから、さまざまSNSでもこの効果を疑問視するような声があるのも事実でございます。
 この前も、一関高専の学生とかとも意見交換した際には、本当に彼らからも、何となくこういうのを行政でやるのですかという、県が公的資金を使ってどこまでやるのかというようなところ、ここについて、若者たちも、実は利用するような彼らですら、何となく疑問視する声が届いております。
 そういった中で、この配付事業の効果測定を、県としてどのように評価するお考えなのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。

〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 まず、お食事券配付事業を実施しようとしたところで、何点か要素がございまして、まず一つは、i-サポの結婚支援アドバイザー等によるヒアリングもしております。その際、先ほども申し上げましたけれども、課題として挙げられているのが、交際経験の不足により、どこにデートに行けばよいか、どのように誘えばいいかということがわからず、デートの約束まで至らないというケースが相当数あるということを伺っております。
 それから、もう一つは、我々も、結婚支援に当たっては、県内の結婚支援団体とも意見交換をしておりまして、その中で、県内で開催された婚活イベントの中で、試験的に交際が成立したカップルに食事券を配付したところ、配付しなかった回に比べて、3カ月後の交際継続率が高かったという報告も受けておりまして、そのような事例といいますか、実績等も踏まえて、事業として実施をしようとしているところでございます。
 効果測定につきましては、お見合いから成婚までは、平均して半年から1年半程度かかりますので、令和6年度中の成婚数のみで成果を測定するのは難しいと考えておりまして、そのため、3カ月後の交際継続率や、交際継続期間の平均値などの数値を比較することにより、効果測定をしていきたいと考えております。

〇臼澤勉委員 3カ月の期間で効果も測っていくということですが、期待される成果が仮に得られなかったような場合の対応策は、逆に、どんなふうに考えているのかお伺いします。

〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 まずは、実施する事業の効果測定をしていくというところでございますが、効果が上がらなかった場合でございますが、結婚の理由もさまざまでございまして、適当な相手とめぐり会わないというところもありますが、先ほどのように、なかなか交際活動につながらないというところもございますので、まず、食事券を配付するだけではなくて、交際初期の活動を後押しするため、食事券の使用報告をi-サポに求めることで、i-サポ職員の定期的なフォローアップも強化していきたいと考えております。
 これまで、任意に相談に応じてきたところ、お食事券導入によりフォローアップを定例化することにより、交際に係る悩みとか、そういった相談に積極的に対応し、しっかりと交際を応援していただけるような対応をしてまいりたいと考えております。

(2)成婚率向上に向けた効果的な施策について

〇臼澤勉委員 知事も、記者会見あるいは議会でも、成婚率向上、全国との差も1ポイントぐらいあって、年々全国順位も下がっている岩手県の現状において、知事は心を動かす仕掛けが必要だということで、今回提案したようでございますが、この成婚率を上げるために、心を動かす仕掛け、岩手県が考えている具体的な対策、ほかにどういったものがあるのでしょうか。心を動かすというところについて、ちょっとお伺いします。

〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 まず、食事券の配付を実施しますけれども、これに関連しましては、今後の拡張性として、例えば、地域の飲食店と連携したオリジナル食事券の発行とか、観光施設や自然体験などと組み合わせたデートツアー、そういったところへの発展も考えられるところでありまして、i-サポの会員の意見等も伺いながら、地域への経済波及効果も、あわせて期待できるような事業についても、今後、研究をしていきたいと考えております。
 また、成婚率の向上には、さまざまな要因がございます。若い世代のライフプラン形成支援とか、新婚生活への経済的支援などもあわせて実施するところですけれども、そういったさまざまな要因に対して、これからも、総合的な支援をしてまいりたいと考えております。

〇臼澤勉委員 今も、いろいろとその次への展開も期待しているようなお話がありました。野外での活動とかですね。食事券というか、若者たちから、この対策の全体像が、戦略的にどういうふうに位置づけられているのかという、そういった行政施策のこの全体像が見えにくい。
 そして、その施策の中心となるポイントがどこなのか、どこを押せば、例えば全国との1.0が縮まっていくのかと。あるいは、食事券の配付によってどのぐらいまで寄与するのかというところも、若者たちからちょっと聞かれておりまして、ぜひ、そこら辺の成婚率向上の全体像を含め、お伺いしたいと思います。

〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 成婚率向上に向けた効果的な施策についてでございますが、未婚、晩婚の理由としては、適当な相手とめぐり会わない、結婚資金が足りないという理由のほか、仕事や趣味を大切にして、自由を失いたくないという生活感、価値観の変化など、さまざまございます。
 県では、有配偶率の向上を少子化対策の柱の一つとして掲げておりまして、先ほども申し上げましたが、若い世代のライフデザインの形成支援、それから、市町村、企業と連携した出会いの場の創出などの取り組みに加え、令和6年度は、i-サポの機能強化とか、結婚に伴う経済的負担の軽減のための新婚世帯への上乗せ給付にも取り組むことにしまして、成功率の向上に向けて、総合的な支援を進めていきたいと考えております。
 こうした事業を実施する中で、その効果をしっかりと検証し、課題も把握した上で、必要に応じて事業も見直しながら、効果的な施策の検討を行っていきたいと考えております。

〇臼澤勉委員 最後にいたしますが、いずれ、成婚率の向上、岩手県の社会減対策、人口減対策に向けて、例えば、移住、定住促進と絡めるとか、農業従事者と若者たちとか、産業別だとか、あるいはこの前も一般質問でありましたけれども、企業のそういった連携みたいな取り組みという、市町村あるいは民間、そういった広がりも、i-サポの事業のところを核としても、その地域の展開を、民間の力もうまく巻き込むような形での施策の組み立てを、ぜひお願いしたいなと思います。
 終わります。