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県議会報告

令和5年度2月定例会 予算特別委員会(文化スポーツ部)(令和6年3月8日(金))

2024.06.14

1 スポーツ医・科学センターの建設について

〇臼澤勉委員 私からも大きく2点やっておりますが、ただ、中身的には一つでございます。
 マニフェストプラス39の8項目めにスポーツ医・科学センターの建設と活用について述べられておりますが、この中に、一定の役割を終えた県営体育施設を整理、統合し、そして、新たな機能を持った施設としてスポーツ医・科学センターを建設しますと書いてあります。マニフェストプラス39にはさまざま述べられてありますが、このスポーツ医・科学センターのみ、整備を進めるとかそういう表現ではないんですね。これだけは建設しますとはっきりと明言しておりますので、そういった大きく二つの視点からお伺いしてまいります。
 まず初めに、ちょっと順番を変えますが、スポーツ施設の整備と更新に関して、整備計画についてお伺いしてまいります。
 県営体育館とか県営屋内温水プールなど、具体的な施設における今後の10年間の整備計画をまずお伺いしたいと思います。特にも老朽化が進む施設について、今後どのような優先順位で整理、統合も含め、あるいは、更新、改修も含めて考えているのかお伺いいたします。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 県営スポーツ施設につきましては、現在、個別計画を策定してございまして、県営野球場につきましては、市営野球場と集約を図ったところでございます。
 その他の県営スポーツ施設につきましては、個別施設計画で修繕、改修を行っていくものが多いですので、それに基づきまして、今後、その時点時点で必要な計画的な修繕、改修を図りながら長寿命化を図っていくこととしてございます。

〇臼澤勉委員 今時点で一定の役割を終えた県営体育施設の御認識についてお伺いします。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 現在、スポーツ施設につきましては、きたぎんボールパークを除く8施設と、震災で凍結されてございます医・科学センター、多目的屋内練習場につきまして、あり方検討を進めてございます。有識者を交えまして、有識者の御意見を聞きながら、あり方検討を進めてございますので、その検討の状況を踏まえまして、令和7年度から始まる個別計画で施設の対応について定めていくこととしてございます。

〇臼澤勉委員 令和7年度から具体的に検討が進んでいくということでございます。県内にもいろいろとスポーツ施設がある中で、延命しながら、老朽化対策をしながら修繕、改修をやっていくんですけれども、10年先、20年先を見据えながら、人口減少社会の中においての統廃合も、ここのマニフェストプラス39にも書いているとおり、ある程度整理、統合も必要になってくるのかなと思います。
 先ほども福井せいじ委員からも質問がありましたけれども、私は、文化スポーツ部のミッションは何なのかなと組織再編が行われたときから考えております。単なる箱物をつくって、あるいは、スポーツ文化を振興するということだけではないのかなと思っております。施設を整備し、それをどう活用し、そして外貨を稼ぎながら、文化スポーツGDPの視点みたいなところも必要になってくると思うんですけれども、そこら辺の出口戦略をどのように捉えているのか、これは通告していませんけれども、基本的な考え方ですのでお伺いします。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 施設の関係で申しますと、私たちはスポーツ振興を図るために、県民、子供、成人、高齢者を含めて、女性も含めてですが、スポーツをする機会を提供する必要がございますので、それらの場所、機会、施設を提供するために施設整備をしてございます。それらをしまして、県民のスポーツ振興を図っていくことが私たちの一つの役割かなと考えてございます。

〇臼澤勉委員 今の答弁では少し従来型というか、文化スポーツ部が生まれた経過というのは、文化スポーツの振興を図りながら、県民所得であったり、外貨を獲得していくようなミッションがあるのかなと思っております。隣の宮城県で、利府にグランディ・21という宮城県の総合運動公園がありますよね。あそこの体育館は、単なる体育、スポーツだけの活用ではなくて、文化振興、コンサートとかもやりながら、そういった利活用をしながら施設の維持管理費を稼いでいるわけです。そういった拠点、先ほどスポーツ、サッカー、あるいはバスケットボールの拠点についても、今後、整理、統合しながら、出口戦略をどう見ながら、活用策を含めて、民間の力を入れながら図っていくのかというのがすごく重要な視点だと私は思っております。
 改めて、ここのスポーツ施設の整理、統合、今後、具体的に進めていくんだと思いますけれども、先ほどの出口戦略を踏まえた、あるいは、プロのスポーツ団体との連携というか、そういった方々とも一緒にこれからの計画をつくっていく、あるいは、管理をしていく上で、参画して協働して議論して進めていく必要があろうと思いますが、そこら辺の御所見、部長にお伺いいたします。

〇小原文化スポーツ部長 今、行っている県営スポーツ施設のあり方については、さまざまな方から御意見を伺いながら進めているところでありまして、経済界ですが、プロスポーツのような視点のところも重要であると考えております。
 現在、国などが進めておりますスタジアム・アリーナ構想のような形で、全国各地で新たなスタジアムやアリーナを中心とした地域活性化の取り組みが行われています。そういったものは十分に参考になる事例だと思っておりますので、今後、一つ一つの具体的な施設の検討に入る際に当たっては、そうした動きも捉えながら、県内の民間との連携の事例なども踏まえながら検討していきたいと思います。

〇臼澤勉委員 長寿命化対策の予算と効果額についての質問通告もしておりましたけれども、時間の都合もありますから、そこはあえて省略いたしますが、そういった長寿命化対策は一方で進めながらも、ただ、それは将来的に見据えながら、施設の統廃合を含め、それの出口戦略、そして、文化活用も含めた施設のあり方みたいなところを今後具体的に検討していく時期に来ているのかなと思います。
 次に、スポーツ医・科学センターの設置計画について、具体的な検討項目、スケジュール及び実現のめどについてお伺いいたします。
 また、このセンターがこの地域、岩手県のスポーツ振興にどのように貢献するのか、そのビジョンもお聞かせ願います。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 スポーツ医・科学の拠点についてでございますが、医科学の知見に基づく競技力向上と県民の健康づくりの観点から、老朽化したスポーツ施設の整理、統合などとあわせまして拠点の整備を検討することとしてございます。現在、先ほども答弁しましたけれども、県営スポーツ施設のあり方で検討してございますので、県財政の状況とか最先端の医科学の動向などを踏まえまして、他県の事例等の調査も行いながら、外部有識者の意見をお聞きしまして、具体的な整備目的とか必要な規模などを今後検討してまいる予定としてございます。

〇臼澤勉委員 冒頭申し上げましたけれども、この施設だけは、ほかの箱物と違って断定しています。任期中に建設すると言っているんです。ほかの箱物は、整備を進めますと。これは行政用語でいけば、整備を進めますというのは、検討も含めて着手していきますよと。ある意味、幅広く、私の理解はそういった捉え方ができるような言い方なんですけれども、ただ、この施設だけは、知事が建設します、任期中にやりますと、こういう意味合いで述べていますので、今の答弁ですと、任期中にとてもできるふうには私は捉えられないんですけれども、再度、具体的なスケジュール及び実現のめど、検討項目をお伺いいたします。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 繰り返しになりますが、現在、あり方検討で整備についてさまざま議論しているところでございます。それらを踏まえまして、具体的なスケジュールとか建設時期とか機能とかを検討してまいるところでございます。

〇臼澤勉委員 具体的にあり方検討は、それでは、今年度中、あるいは、いつまでにそこら辺の具体的なスケジュール、実現項目、具体的な検討項目も含めて、実現のめどを立てる予定なのかお伺いします。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 あり方検討をした上で個別計画の策定を進めます。個別計画につきましては、来年度内に着手する予定をしてございまして、あり方検討はその前、めどとしましては、夏から秋ごろにあり方の取りまとめを行いたいと考えてございます。

〇臼澤勉委員 一歩具体的な答弁をいただきました。
 それで、この施設の設置に当たっては、地域社会、あるいは関係者との連携が大事になってきます。具体的にどのように進めて、取り組まれていくのかお聞かせ願います。
 また、住民ニーズはどのように反映させる計画なのかについても、あわせてお伺いします。

〇鈴木スポーツ振興課総括課長 医科学の拠点につきましては、今、医・科学サポート事業というのをやっていまして、さまざまな関係機関、大学や医大を含む医療機関と連携しまして、医師等の専門的知識や資格を持つ外部有識者とも連携をとりながら進めているところでございます。
 また、医科学の事業におきましては、市町村、学校、企業等と連携している部分もございますので、それらの連携している部分でソフト面の取り組みをさまざま進めていきたいと思っております。
 拠点の整備につきましては、あり方検討を踏まえまして、内容に応じまして、さまざま今、お話しした関係者、県民、関係団体等の御意見も聞きながら整備を進めていく必要があると認識してございます。

〇臼澤勉委員 最後のほうにいたしますけれども、県民ニーズを具体的にどのように反映させていくのかなということ。これは単なるスポーツ施設ということだけではないのかなと思うんです。少子化、そして高齢社会の中において、介護予防による高齢者の自立支援だとか、あるいは、リハビリの機能回復も含めた部分で、最先端のスポーツ医・科学拠点として大きな役割、期待される施設と私は捉えております。
 そういった意味からも、少子、そして高齢社会における岩手県の拠点としての役割について、部長、最後にそこの御所見を聞いて終わりたいと思います。

〇小原文化スポーツ部長 このスポーツ医・科学センターにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、アスリートの競技力向上、それから、指導者の資質向上といった面はもちろんですし、県民の健康づくりにどういうふうに役立てていくかといったようなことが重要な議論だろうと思います。
 さまざま今、こちらの点についても有識者の方々から御意見をお聞きしておりまして、高齢者のフレイル対策ですとか障がいのある方々の機能支援とか、そういった面も含めまして、県民にとってどういう価値のある医・科学センターにするかということは十分な議論が必要かと思います。先ほどから大きな期待の声をいただいていると思っておりますので、その点について、しっかりと議論を進めてまいりたいと思います。