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県議会報告

令和5年度2月定例会 予算特別委員会(復興防災部)(令和6年3月7日(木))

2024.06.14

1 広域防災拠点等整備費について

〇臼澤勉委員 それでは、私からも広域防災拠点等整備費に関する質問を行います。
 マニフェストプラス39の29番に、消防防災拠点と消防学校の整備ということがうたわれてございます。これには岩手医科大学の災害時地域医療支援教育センターとの連携、そして、災害時の拠点となる施設を整備するんだということで、老朽化した消防学校の整備を進めますと書いております。
 そこでまずお伺いいたします。老朽化した消防学校の認識、具体的な安全性の問題点の認識についてもお伺いします。

〇田端消防安全課総括課長 消防学校の安全性についてでありますけれども、平成23年度に実施した耐震診断調査の結果でございます。校舎1階及び2階の東西方向が災害応急対策活動に必要な建築物及び多数の者が利用する建築物に求められる数値を満たしていない状況ということになっております。しかしながら、震度6強の地震で倒壊する可能性は高くないとされておるものでございます。
 この結果から、直ちに耐震化を行うような危険性はないものの、先ほどの御質問にもありましたとおり、50年ほど経過してございますので、経年劣化もあるところでございます。これらの改善に向けた対応が必要であると考えてございます。

〇臼澤勉委員 平成23年からも相当程度、月日は流れております。そして、劣化診断の結果についても、たしか平成29年ですか、5年以内に具体的な改修計画を進めていくんだと書いておりますけれども、ここら辺はどのようになっているのでしょうか、お聞きします。

〇田端消防安全課総括課長 その後の検討の進め方ということだと思いますけれども、令和5年3月に、この件に関しまして、岩手県消防学校整備基本構想策定委員会というものが取りまとめた報告書をもとに、現在、消防学校に求められる機能などを満たすために必要な施設整備の内容ですとか、未整備となっている実践的訓練施設の種類や規模、それらを全て整備した場合に必要となる敷地面積などなど、消防学校を設備するための課題について検討を進めているところでございます。
 今後、これらの検討を踏まえまして、整備スケジュールを含めた具体的な整備計画について検討していくこととしております。

〇臼澤勉委員 具体的に、この整備計画のスケジュール、これからだということですけれども、今回も、先ほど来、能登半島地震も含めて東日本大震災津波の教訓が話題になっております。通告していませんが、皆様の今回の教訓、どのように捉えているのか。漠然としているとあれですから、例えば、津波てんでんこという避難の三原則みたいなことも13年前、全国に教訓として伝わっていったと思いますけれども、その教訓をひとつ教えていただければと思います。

〇戸田防災課総括課長 今回の能登半島地震での教訓というところでございますけれども、津波からの避難ということに関して言うと、報道等でしか承知していないですけれども、訓練や東日本大震災津波などの経験を見聞きしていたので、速やかに逃げることができたとかといったところもありますので、能登からの教訓というよりは、こちらの教訓が能登に生きてくれたのかなというところがありますので、改めてそこら辺の重要性を認識したところでございます。

〇臼澤勉委員 私は三つあって、想定にとらわれるなと。13年前の東日本大震災。そして、率先避難であり、最善を尽くせといった大きな教訓があったと思います。
 先ほども震度6強の地震では大丈夫だというような答弁もありましたけれども、この消防学校の位置づけというのは、まさに広域防災拠点であり、この13年間の中においても、岩泉での台風10号で被災したときにも、拠点となって県内の復旧、復興にいく機能拠点ですよね。ここが震度6強で大丈夫だということの前提に立って議論していたら、それ以上の、あるいは、それから何年ももうたっているわけですから、いざそういった地震とかになったときに本丸がもたなければどうなるのかという問題認識で私は質問しているのであります。
 そういった観点からして、ゆったりとやっているということではないと思いますけれども、そこら辺のスケジュール感をしっかりと持って取り組んでいただきたいと思っております。
 整備費用においても財源確保対策は重要になってくると思いますけれども、国の支援事業とか他の財源との兼ね合いについて、どのように検討されているのかお伺いいたします。

〇田端消防安全課総括課長 整備に関する財源についてでございますけれども、現在、消防学校の整備に当たっての国の補助制度というものはございませんで、一般財源、あるいは一般事業債といったような財源での整備が前提となっているところでございます。
 しかしながら、実践的訓練施設の整備には交付税措置のある防災対策事業債が、あるいは、女性用施設の整備には特別交付税での措置があるなど、整備する施設や設備によっては、活用できる財政措置もあるということでございます。
 今後、そういった整備内容ですとか整備費用の算出とあわせて、財源についても検討してまいりたいと考えております。

〇臼澤勉委員 参考までに、他県の消防学校の整備状況とか改修の事例もあると思うんですけれども、どのくらいの整備費がかかって取り組んできているのか、ちょっとお伺いいたします。

〇田端消防安全課総括課長 他県の消防学校でございますけれども、全国では、平成23年以降6県で建てかえ整備を行ってございます。また、東北、北海道地区では、現在、青森県と北海道が令和7年度中の完成を目指して建てかえ工事を進めていると伺ってございます。
 それぞれの消防学校の規模、人口規模、受け入れる消防吏員の規模などによって整備費用はさまざまではございますけれども、岩手県と大体同規模ぐらいの都道府県においては、全部を建てかえた場合でございますけれども、50億円程度を中心に、そこからプラスマイナスということと承知してございます。

〇臼澤勉委員 50億円程度、それぞれの機能、どういった施設にするのか、内容とかによっては単純に比較はできないということは十分理解いたしますけれども、ただ、今回の、特にもマニフェストプラス39では岩手医科大学の災害時地域医療支援教育センターとも連携をしながら拠点整備に取り組んでいくということを書いているわけでございます。今、いろいろと基本構想委員会でまとめた整備基本構想等々について、今回、どういった機能を盛り込んでいこうとしているのか、いろいろあるでしょうけれども、特にこういったところに重点的整備を今、検討しているといったところを御披露願います。

〇田端消防安全課総括課長 まず、消防学校でございますので、基本的には、消防吏員、あるいは消防団員の教育、訓練に必要なもの、先ほど申し上げました実践的訓練施設で言いますと、岩手県で多い土砂災害ですとか、あるいは、火災でいえば一般住宅の火災に対応する能力を養うといったようなものが必要だと考えております。
 また、先ほど来出ております広域防災拠点機能につきましては、これから検討が必要ではございますけれども、今の機能を維持しながら、それに追加して必要な機能はどうだろうかといったようなものを検討してまいりたいと考えてございます。
 先ほど岩手医科大学との関係で、災害医療活動支援機能のことも出てございました。そういった機能についても、あわせて検討していきたいと考えてございます。

〇臼澤勉委員 最後にいたしますけれども、このマニフェストプラス39は、いずれ約束事であります。具体的に計画を実践していく、形にしていくということが求められるかと思います。最後、そこの確認をさせていただければと思います。

〇田端消防安全課総括課長 具体的なスケジュールということでございます。一般的に、このような施設につきましては、設計に一、二年、工事に2年程度ということで、一定の期間を要するということになろうかと思います。
 消防学校につきましても、具体的な整備手法ですとか財源など、今後検討すべき課題がさまざまあるということで、具体的にいついつということはお示しできない状況ではございますけれども、現在、具体的な計画策定に向けて、整備の内容ですとか実践的訓練施設の種類、規模などなど、課題となっている事項について検討を進めておりますので、その後、整備スケジュールを含めた具体的な整備計画を検討するということになってございます。

〇臼澤勉委員 今の答弁では、ちょっと違うのではないかと思います。部長に最後、お伺いします。いずれ、いろいろ計画を策定して、実施設計だとか用地の選定も含めて、いろいろな関係機関との調整があるのは十分にわかります。いつまでにやるのかわからないといった答弁では、我々はちょっと納得できない部分がありますので、改めて部長、最後、簡潔でいいですから答弁をお願いします。

〇佐藤復興防災部長 消防学校の整備でございます。老朽化が随分進んでございまして、ずっと懸案事項になっている案件でございます。
 総括課長も答弁申し上げましたけれども、再整備につきましては、まだまだ検討を要する事項がございますので、委員からもお話のありました用地の関係とか設計の関係、ありますので、いずれ一つ一つ手順を踏みながら、具体的な整備計画を早急に作成していきたいと考えてございます。