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県議会報告

令和5年度9月定例会 決算特別委員会(復興防災部)(令和5年10月24日(火))

2023.12.09

1 岩手県の消防学校整備基本構想について

(1)消防学校の耐震化の現状、安全性の認識

 私からは1点、岩手県の消防学校整備基本構想についてお伺いいたします。
 公共施設等総合管理計画で、消防学校の劣化診断をたしか平成29年に行われておりましたけれども、あのときは5年以内に改修が必要だということで、5年というのは令和4年になるかと思って、令和4年度決算ですので確認していきます。
 まずお聞きしたいのは、今の消防学校の耐震化の現状、安全性の御認識についてお伺いいたします。

〇田端消防安全課総括課長 消防学校の耐震化の現状等についてでございます。
 平成23年度に実施した耐震診断調査の結果では、震度6強の地震で倒壊する可能性は高くないとされておりますが、校舎1階及び2階の東西方向は、災害応急対策活動に必要な建築物及び多数の者が使用する建築物に求められる数値を満たしていない状況にございまして、直ちに耐震化等を行う必要性はないものの、速やかに対応について検討していくことが必要であると考えてございます。

安全性の御認識についてお伺いします。

〇田端消防安全課総括課長 劣化診断等の結果に基づきまして、先ほど委員から5年以内にというお話をしていただきましたけれども、各不具合といったものについては、随時改修、補修をやっておりますが、今のところ大規模に行う必要が出てきていないということで、そんなに長い間ではないのですけれども、当面、学生たちが利用できる状況にはあるかと考えてございます。

(2)検討状況、今後の予定

 劣化診断で5年以内に改修が必要だといった報告は、やはり私は重いものだと思いますし、そういったことも踏まえまして、現在、整備基本構想の検討状況なども進んできていると捉えております。
 今の検討状況、今後の予定についてお伺いいたします。

〇田端消防安全課総括課長 改修の検討状況と今後の予定についてでございます。
 現在の消防学校は、建築から49年が経過し、建物の老朽化、実践的訓練施設の未整備などを背景に、教育訓練に必要な施設設備の内容や規模を整理、検討するため、令和2年9月に岩手県消防学校整備基本構想策定委員会を設置して、本年3月に報告書を取りまとめたところでございます。
 この報告書では、複雑多様化する災害の現場での的確な判断力や対応力を養成できるよう、これからの消防学校に必要な機能、求められる規模、訓練施設の種類などが示されたところでございます。
 現在、この報告書の内容に加え、再整備に係る課題や整備のスケジュールなどを検討しているところでございまして、その後において具体の整備計画の策定を行っていくとしてございます。

(3)今後の見通し

いずれ、先ほどは県庁舎のほうを聞きましたけれども、まさに我々県民の命、財産、安全を確保するための、まず、人を養成するといいますか人材を育成する拠点である県立消防学校の整備については、報告書を取りまとめたということで、今後、具体的にいつまでにこういった整備基本構想を動かしていくのかといったところをちょっと確認していきたいと思います。具体的にここの見通しをお示しいただければと思います。

〇田端消防安全課総括課長 具体的な見通しということでございましたけれども、具体的な整備手法や財源など、今後検討すべき課題がさまざまございます。現時点で着工時期ですとか完成時期等を示すことは困難でございますが、一般的に大規模改修や改築を行う場合、設計に一、二年、工事に2年程度を要するということでございます。
 整備には一定の期間を要することになりますけれども、まずは、整備を進めるための課題等について検討してまいりたいと考えてございます。

(4)整備手法等の方向性

本当に今さまざまな施設の利用状況の課題が山積しているんだろうと思いますし、利用者の方々のお声も聞いているわけでございます。改修の方向性、議論のポイントあるいは今後どういう方向性で整備を進めていこうとお考えになっているのかお示し願います。

〇田端消防安全課総括課長 改修といいますか議論の方向性でございます。校舎につきましては、先ほど申し上げましたように、耐震診断調査あるいは劣化度調査の結果等を踏まえて、それに対する対応を検討していく必要がございます。これについて、まずしっかりと検討を進めたいと思っております。
 また、実践的訓練施設についても現在は未整備となっておりまして、本県の実情に即した訓練施設の種類、規模を議論する必要があると考えてございます。
 こうした議論を踏まえるとともに、その他の課題なども整理しながら、整備手法等の方向性を検討してまいります。

 いずれ最近の多様化、大規模化、複雑化する災害に対応する消防活動のニーズは、本当に高度化していると思うんです。今の施設の機能をさらに高めていきながら整備を進めていくのが、岩手県の安全・安心な地域防災拠点の整備につながると思っております。
 特に、この整備で現在緊急を要するような改善点とか整備の方向性みたいなところを、もう少し具体的にお示し願います。

〇田端消防安全課総括課長 緊急にということで申し上げますと、危険かどうかという観点で言いますと、先ほど申し上げましたように、特に緊急ということはございませんが、経年劣化による施設設備の老朽化が進んでおりますので、必要に応じて随時修繕等を行っているということで、まず、こちらの劣化、耐震化に対する対応が一つあろうかと思います。
 あとは、先ほど委員もおっしゃっておったように、実践的訓練施設につきまして、火災現場を模したもの、あるいは災害現場を再現したものは、今、常設のものがないということになってございます。現在は、仮設だったりということで対応しております。
 こういったいろいろな種類のものがあるわけですので、岩手県で何が一番必要なのか、どういった訓練が消防職員を養成するために最も必要なのかということを議論しながら、検討してまいりたいと思っております。

消防の関係者の方々が今のような答弁を聞いていると、本当に大丈夫なのかなと思うと思います。現場で必死に一生懸命訓練されている方々が、今の答弁を聞くと、もう少し取り組んでほしいというような熱い思いを持っていると思うんですよ。
 実践的な訓練施設の整備あるいは高度化に対応する専門的な知識、技能を習得するような施設、機能といった部分はもちろんのこと、寄宿舎においても、プライバシーに配慮した学習環境といった部分だって、今のコロナ禍でも、いろいろ感染対策を考慮しながらも何とかやっているような現状を、もっとしっかりと受けとめていただきたいと思います。
 時間も限られていますから、整備費用の財源確保対策をまずどう考えているのか。国の支援事業とかがなかなか限定的というか厳しい中において、どういうふうに財源確保を図りながら予算検討を進めていくお考えなのかお伺いします。

〇田端消防安全課総括課長 整備財源についてでございますが、整備に当たりましては、防災対策事業債など、整備内容によって充当可能な財源はございますが、消防学校整備に係る国の補助制度がないなど、整備財源の確保については、県全体での施設整備などの優先順位なども踏まえながら検討していく必要があると考えております。
 整備の内容とあわせて、財源についても検討してまいりたいと思っております。

 答弁を聞いていると、ちょっと頼りないと言うと大変失礼ですけれども、岩手県の消防のあり方というか防災拠点としての、広域防災拠点機能としての配置計画も、今後検討していく施設になると思っております。
 さまざまな台風10号の災害のときの搬送拠点にもなったりしているような拠点を、今のままで今後5年、10年、そのまま継続していくという悠長な考え方でいいのかと思います。
 部長に最後、そこら辺のお考えを聞いて、終わりたいと思います。

〇佐藤復興防災部長 今、委員御指摘のとおり、現在の消防学校は、岩手県の広域防災拠点配置計画におきまして、支援部隊の現場活動の支援機能のほか、災害医療活動支援機能、広域医療搬送拠点機能などを有する拠点施設として位置づけられてございます。
 現在、広域防災拠点等の見直しも行っているところでございますが、いずれ消防学校は、消防職員、消防団員の養成を担う重要な教育施設と認識してございまして、適切に職務を遂行するための知識、技能を効果的に取得できるように、教育訓練施設等の機能が十分に発揮されることが必要だと思ってございます。
 老朽化が進んでおるのは御指摘のとおりでございますし、実践的訓練施設も必要だと認識してございますが、一方、先ほど担当課長からも答弁いたしましたように、まだ検討を要する事項がございます。一つ一つ手順を踏みまして、早期に着手できるよう計画の熟度を高めてまいりたいと思ってございます。