ホーム  >  県議会報告  > 令和4年度9月定例会 決算特別委員会(教育委員会)(令和4年10月26日(水))

県議会報告

令和4年度9月定例会 決算特別委員会(教育委員会)(令和4年10月26日(水))

2022.11.02

1 不登校対策について

(1) 中学校・高校の不登校の現状・推移と要因分析について

中学校・高校の不登校の現状・推移と要因分析について伺う。

生徒指導課長答弁
 中学校・高校の不登校の現状・推移と要因分析についてでありますが、令和2年度の、不登校児童生徒数は中学校で1,016人で前年度より58人増加しており、過去5年間の推移をみますと最も多い人数となっており、高等学校は516人で前年度より1名増加で、過去5年間の推移をみると平成30年の531人よりも少ないものの、ほぼ横ばいという状況です。
 不登校の要因分析については、中高いずれの校種におきましても「無気力や不安」が最も多い状況であり、次いで、中学校においては、「生活リズムの乱れ等」に加え、「友人関係をめぐる問題」、高等学校においては、これに「学業の不振」が加わるなど、多様化・複雑化していると分析しています。
 このように不登校の要因には様々な背景があり、一人ひとりの状況は異なることから、個に応じた不登校支援が大切であると認識しています。

(2) 教育支援センターの対応状況について

教育支援センターを含めた対応状況(人数含む)と課題について伺う。

生徒指導課長答弁
 教育支援センターを含めた対応状況と課題についてでありますが、教育支援センターを配置している市町村は、令和4年8月現在、33市町村中22市町村で、センターの数は24箇所と把握しています。
 在籍している児童生徒数につきましては、小・中学生合わせて、121名となっており、教育支援センターにおける実施内容としては、不登校の児童生徒の悩みを受容し、支援員等が教科学習・体験学習などを通して、学習意欲の向上の促し、学校復帰を支援したり、相談員が不登校児童生徒と一緒に宿題や学習を行ったり、料理つくりやスポーツ等を行ったり、交流の場を設けていると把握しています。
 また、学校で数時間過ごした後、教育支援センターに通う等の対応もしており、学校との連携を密に図り、支援を行っているところもあります。
 課題としては、現在、高校生の利用がないことから、今後は、多様な教育ニーズへの対応の一つとして教育支援センターを活用する等、県立学校にもセンターの利用を促していきたいと考えています。

(3) 県内フリースクールにおける対応状況と課題について

県内フリースクールにおける対応状況と課題について伺う。

生徒指導課長答弁
 県内フリースクールにおける対応状況と課題についてですが、県教育委員会が市町村教育委員会への照会等により把握しているフリースクール等の民間団体の数は10施設で、不登校児童生徒だけではなく、放課後学習支援も行っているところもあり、フリースクール等の民間団体からの報告によりますと、通っている児童生徒数は令和4年5月現在、小・中・高合わせて300名程と認識しています。
 フリースクール等の民間団体では、児童生徒の学習や取組状況について、市町村教育委員会と情報共有を図ったり、学校のケース会議に参加したりしているところもあり、児童生徒の状況等に合わせて、連携を図っているところが多いと承知しています。
 学校外における学習活動やICTを活用した学習活動については、一定の要件の下、指導要録上の出席扱いとなる制度について、これまでも周知を図ってきたところですが、学校や関係団体等の理解が十分ではない状況であり、課題であると捉えています。
 今後は、この制度について、校長をはじめ教職員への理解が進むよう、研修等において更なる周知徹底を図っていきます。

(4) 今後の不登校対策について

不登校児童生徒支援連絡会議の議論と今後の不登校対策に向けた具体的な取組について伺う。

生徒指導課長答弁
 今後の対策等につきましては、不登校児童生徒支援連絡協議会等におきまして、支援の在り方を検討しているところです。
 今年度9月20日に開催した会議では、市町村が設置しています教育支援センターの参加も促し、昨年度の会議よりも充実した意見交換を行ったところです。
 会議の中で、フリースクール等の民間団体が、児童生徒の取組状況を報告書として学校に提供したり、学校側からの訪問により情報共有を深めたり、また、学校のケース会議に参加したりするなど、学校や市町村教育委員会との連携を密に図っている状況を把握するとともに、民間団体相互の連携についても話題になったところです。
 県教育委員会としては、不登校対策等に向けた具体的な取組として、この10月から「いじめ対応・不登校支援等アドバイザー」を新たに配置し、各学校におけるいじめや不登校の初期対応が適切に行われるよう、支援の強化に努めているところです。
 今後も学校と地域、関係機関と連携を図りながら、魅力ある学校づくりや、個々の状況に応じた学びの機会を確保するなど、地域の資源を生かした教育環境の整備に努めていきたいと思います。

2 高校再編について

(1) 「1学校当たりの生徒数」「生徒一人当たりの決算額」の推移について

高校の「1学校当たりの生徒数」「生徒一人当たりの決算額」、平成22年度との比較や全国順位を含めて、岩手県ではどのようになっているのか。

予算財務課長
 公立高校1学校当たりの生徒数の推移ですが、平成22年度は468人でありましたが、令和3年度は356人と減少しておりまして、全国平均よりも209人少なく、全国で2番目に少ない状況となっております。
 高等学校費の生徒一人当たりの決算額は、平成22年度は991千円でございましたが、令和2年度は1,418千円と増加しておりまして、全国で3番目に高い状況ということが報告書に記載されているものでございます。

(2) 県立高校の小規模化の評価と今後の対応について

県立高校の3学級を下回り小規模化が進んでいる。令和7年の見込みを含め、評価と今後の対応について伺う。

特命参事兼高校改革課長答弁
 県立高校の小規模化の評価と今後の対応についてでありますが、令和4年度の募集学級数による全日制県立高校62校を規模別にみると、1学年3学級以下の小規模校は30校、率にして48.4%となっているが、後期計画の終期である令和7年度では、全日制県立高校は59校、小規模校は29校、率にして49.2%となる見込みである。
 中学校卒業予定者数は今後もさらに減少していく見込みであり、高校の小規模化の一層の進行が懸念されることから、今後の高校の在り方の検討においては、重要な視点となるものと捉えている。
 次期計画の策定に向けた検討に当たっては、これまでと同様、外部有識者による検討を行うとともに、地域の方々の意見を広く伺いながら、子どもたちにとってより良い教育環境が維持されるよう丁寧な議論を進めていきたいと考える。

(3)行財政改革の報告書に対する受け止めと今後の対応について

中学校卒業者数(R16年30%減少)が見込まれるが県内高校再編は待ったなしの課題。行財政改革の報告書の受け止めと今後の対応は。

教育企画室長兼教育企画推進監答弁
 報告書における少子化による生徒の減少という課題認識については、我々も同じ意見を持っておりまして、「新たな県立高等学校再編計画後期計画」と共通していると考えております。
 このため、後期計画の着実な推進、進捗と併せまして、子どもたちにとってより良い教育環境の維持・向上を進めるうえで、また、委員から御意見をいただいていることなども含めまして様々検討することによって、報告書の内容も参考としながら進めていきたいと考えております。