ホーム > 県議会報告 > 令和3年度9月定例会 決算特別委員会(総務部)(令和3年10月15日(金))
県議会報告
令和3年度9月定例会 決算特別委員会(総務部)(令和3年10月15日(金))
2021.10.27
1 政務秘書制度について
(1) 政務秘書の給与について
ア 給与の増額について
総括質疑の佐々木宣和委員の答弁で、政務秘書の給与額の根拠について、「学歴、あるいは職歴等を勘案したうえで、一般職の職員の年収との均衡を図って決定している」との答弁であった。はじめに、H29年2月の採用時からいくらアップしているのか。
【答弁者:加藤人事課総括課長】
政務秘書の給与のアップ額であるが、具体的な金額については、個人の所得に関する情報であり、具体的な金額は公表していないところであるが、政務秘書の給料月額については、個々の学歴や職歴を勘案した上で、一般職の職員の年収との均衡を図って決定しているところである。
この中で、一般職の職員の給与と同様に、一年に一度の定期昇給や、人事委員会勧告の内容を踏まえた給与改定を反映させているところである。こちらはマイナス改定、プラス改定、どちらの方もあった場合はそのようになっているところである。
平成29年度以降については、一般職の職員の給与改定は増額改定が続いているところであり、政務秘書の給料月額についても、定期昇給分と併せて、一般職の職員と同様の改定率による増額となっているものである。
また、期末・勤勉手当は、一般職の職員や国の特別職の期末・勤勉手当との均衡を踏まえながら条例を改正のうえ改定している。
政務秘書の給与は誰が決めるのか。
政務秘書の給与については、条例の規定に基づいて上限額が定められている。その上限の範囲内で事務的に計算等を行い、最終的には総務部で決定している。
具体的な職歴について、ホームページでも出ているが、あらためて確認する。
ただいま委員からご紹介があったとおり、ホームページ等の情報等に基づくと、大学卒業後、国会議員の秘書を経て政務秘書に就任しているということで理解している。
イ 40歳の職員の年収について
ホームページにも公表されているが、歴代の方々は、小沢一郎先生の秘書を務めていたということを確認します。
40歳の職員で年収760万円もらう職員は何人いるのか。
今手元に資料がないので何人というところは具体的に申し上げられないが、ただ760万円というところは、総括課長級の職員であるので、いずれ総括課長級の職員の分については支給されているということである。
人事委員会の「職員の給与等に関する報告及び勧告」では、40歳で6級の総括課長が一人いる。この方はどういうキャリアなのか。
この職員については、国からの割愛職員と理解している。
ウ 一般職の秘書の給与額について
現在の知事秘書、公務秘書の給与額、あるいは副知事の秘書の平均の額はいくらぐらいか。
現在の知事、副知事の秘書の平均給与額ということであるが、この職員については、概ね40代の主任主査級ということであるので、モデルの給与例でいくと、年額635万円となっている。
小原政務秘書は国会議員の政策担当秘書の資格を持っているのか。
こちらでは把握していない。
試験組の1割ぐらいしかパスできない難関の試験である。あるいは10年以上秘書の経験をすれば、だいたい審査認定を得たものとして政策秘書をするが、小原さんは10年ぐらい勤めていたのか。
具体の就任の年月まではこちらで把握していないので、答弁は控えさせていただく。
エ 特別職報酬等審議会の対象について
政務秘書の給与は特別職報酬等審議会の対象か。
特別職報酬等審議会の対象になるかどうかということであるが、こちらは条例において設置されているが、その審議内容については、条例の中で「議員報酬の額並びに知事及び副知事の給料の額」と規定されており、政務秘書の給与については特別職報酬等審議会の審議対象とはなっていないところである。
政務秘書の給与額は、職務・責任からして他の職員給与との均衡を欠いていると言わざるを得ない。「学歴、職歴、資格等を勘案したとしても、一般職の職員の年収との均衡を図っている」と言い難い。また、特別秘書の業務内容も不透明で、政策形成に係る特命事項など含まれず、県政に果たす役割は極めて薄く、単純な日程調整等の業務内容に鑑みれば、現行額は適正であるとは言えない点を指摘する。
オ 服務規律について
人事課長に聞く。地方自治法附則において地方公務員法制定前の規定である服務規律「府県職員服務規律」の存在は人事課として、いつ確認したか。
こちらの取扱いについては、組織的には以前から把握しているものと理解している。
嘘を言っては困る。私が東京都の方に確認してみてくださいということでこの服務紀律について確認したのではないか。
おっしゃるとおり委員から資料要求があり調べたところであるが、いずれ判例等において以前からその法令については述べられているので、その存在については以前から承知していると理解している。
適当なことをいっては困る。東京高裁判決分のどこに、道府県服務規律の記述があるか。
先ほど答弁した点について一点修正する。先ほどの紀律の部分について長野県判例で記述があるということでの理解であったが、正確には地方自治法の解説の中で、長野県判例が引用して、説明しているものを確認しているということである。訂正してお詫びする。(※この答弁も間違い。長野県判例を引用した記述は地方自治法解説書にはない)
道府県職員服務紀律の運用により、特別職の地方公務員政務秘書が行ってはいけないことは具体的に何か。
服務規律の部分については、法令・命令服務義務や信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、職務専念義務、利害関係者からの贈与等の受領の禁止、営利企業等の従事制限という規制があり、これらに違反した場合は懲戒等の部分があるということである。
人事課、そして県でこの服務紀律の存在を知っていたのであれば、(中略)そういうことで一切すべて何もやっていいとか、あるいは職員が自由に行動して選挙の応援に行っていいとか、というそういった答弁にはならない。いかがか。
確かに地方公務員法の部分については規定はないということであるが、それに適用がないということであっても、いずれ法令の範囲内での行動の制限、そういった職務上の制限がかかるということについては、以前からもそういったことで理解しているところである。
国政選挙の後援会活動とか、街頭演説の運動員を行う、政務秘書にそういった活動を認めているということ、これ総務部長どう思いますか。どう思うかという質問ではなく問を変える。ストレートに。この政務秘書は誰のものなのか。
【答弁者:白水総務部長】
政務秘書については、本会議でも縷々ご議論いただいたところである。
まずこれは、地方公務員法の制度で特別職ということで規定があり、それに基づいて本県の条例でも政務秘書を置くことができると、知事について置くことができるということで規定をしており、制度上認められたものだということで理解をしている。
それから政務秘書の職務についてだが、これも知事から答弁しているが、政務的なことと、一般行政と政務との調整、そういった部分もあるので、それについてすべて事務の秘書でやるというのは、事務の秘書はまさに先ほども議論あったところだが、地公法に基づく政治的行為というものは制限をされているので、そういった部分もある。そういった円滑な県政運営の観点。過去の長野県の判例においても知事においては政治的な業務もある、そういうことも含めてまさに全体の県の公益を増やしていく部分もあるということで認められているので、そういった中で、制度の中で、これは認められた制度だと思っている。そういう意味で、県民にもしっかりと説明していく必要があるが、いずれにしても制度としてこれは認められたものだと考えている。