ホーム  >  県議会報告  > 常任委員会(農林水産委員会)(令和2年8月4日(火))

県議会報告

常任委員会(農林水産委員会)(令和2年8月4日(火))

2020.08.19

1 県産米の需給動向と販売戦略

(1) 県産米の生育状況等

 お米について質問します。現時点で、金色の風、銀河のしずくを含めた、県産米の生育状況や日照不足等による影響について教えてください。

○ 小原農業普及技術課総括課長
 水稲の生育状況等についての質問ですが、6月下旬から7月末までの日照事情を見ますと、平年を大きく下回る状況が続いています。このため、委員ご指摘のとおり、一部地域では例年見られない、いもち病の発生が非常に懸念されている状況です。これにつきましては、農作物技術情報のほかに、病害虫発生予察情報をだしており、そちらで対応いただいている状況です。
 特に、県南部の気象状況をみると、降水量のみならず、日照時間の割合が、全県の中でも低い状況です。盛岡で42%のところが、一関市が、33%の状況で心配されるところです。
 一方、生育状況については、ほぼ平年並みの生育状況で推移していると捉えています。

(2) 米の民間在庫の現状と今後の見通し

 特に、県南部において日照不足の影響が見られるということですが、全国的にみても、6月末までの生育状況は概ね通常と拝見していますが、そういった中で新型コロナウイルス感染症の影響もあり米の民間在庫が非常に増えている中で、今の現状と今後の見通しをどのように捉えているのでしょうかお伺いします。

○ 佐藤県産米戦略監
 米の民間在庫の現状と今後の見通しということですが、農林水産省が、7月末に公表しました報告によりますと、本年6月末現在の全国うるち米の民間在庫数量は、154万トンとなっており、前年同月とくらべて、23万トン多い状況です。
 今後の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の影響による消費動向に加え、今後の天候により令和2年産米の作柄がどのようになるのか見通しは難しいと捉えております。

 うるち米の在庫が154万トンあり、昨年より23万トン増えているということで、米については、全体の需給バランスの中で、適正水準が180万トンといわれていまして、国の資料でも200万トンの水準に入ってきており、まさに全体の価格下落への水準に入ってきているとみております。私もその辺を注視しているところです。
 その中で、令和2年産米の5月末現在の事前契約数量が、国の資料では、65,300トンということで対前年同月比で、17,000トン減の状況となっており、特にも荷動きが鈍い状況になっていて契約のスピードが進んでいない状況になっていますが、県としてこの現状を捉え、対策をどう考えているのか伺います。

○ 佐藤県産米戦略監
 令和2年産米の事前契約数量についてですが、米の事前契約は、安定した米の取引を実現するために有効な手法と考えています。全農岩手県本部によると、直近7月末現在の令和2年産米の事前契約率は、約80%となっており、事前契約数量は、ほぼ前年並みとなっております。県では、今後も関係団体と連携して、米卸売業者等との意見交換や、産地見学会など、事前契約の推進に向けた取り組みを強化していきます。

(3) 金色の風と銀河のしずくの販売状況等

 特にも、県産米の販売状況について、金色の風、銀河のしずくがどのようになっているのか。併せて伺いますが、作付面積が計画に対してどのように進んで、増減率をどのように捉えているのか伺います。

○ 佐藤県産米戦略監
 金色の風と銀河のしずくの販売状況等についてですが、6月末現在で、金色の風、銀河のしずくともに、全量で販売契約が締結されております。販売数量、販売進度ともに、前年度を上回っているところで、販売状況については順調と捉えております。また、令和2年産の金色の風の作付け状況は、ほぼ前年並みの280ヘクタール、銀河のしずくにつきましては、200ヘクタール増加しまして、1,700ヘクタールとなっております。

 議会でも、金色の風、銀河のしずくについての様々な評価、質問があったと捉えていますが、岩手のブランド米として高級米として、進めていくんだということで、当初の生産計画でみますと、令和2年度は、400ヘクタール2,000トンまでもっていくんだという計画もある中で、先ほどの答弁にもあったように、金色の風については、令和2年度で、280ヘクタール、銀河のしずくについても、計画では、2,000ヘクタールまでもっていこうという中で、1,700ヘクタールの作付け状況になっています。計画に対して、実際の作付面積が低い状況をどう評価しているのか。
 また、生産体制について、経営体についても、金色の風については200まで越えた中で、ここ数年160くらいと、数を絞っていると捉えるのか、離れていると捉えるのか、減少傾向になっていることを心配しています。一方、銀河のしずくについては、確実に生産者が伸びています。県としてどう評価し進めているのか、伺います。

○ 佐藤県産米戦略監
 計画についてですが、委員ご指摘の計画については、岩手オリジナル品種ブランド化戦略に位置づけられていますが、この計画につきましては、実需者の要望等を踏まえて、毎年精査する形で進めております。したがいまして、必ず400ヘクタールつくるというよりも、需要がどのくらいあってそれに見合った生産を進めていくということが計画となっておりますので、今のところは、需要に見合った生産を進めていると捉えていただきたいと思います。
 次に、経営体についてですが、委員ご指摘のとおり、金色の風は、経営体が減っている状況です。いろいろと理由があるかもしれませんが、絞って生産している部分と、どうしても、収量が低い面があり、生産者がメリット感がないということで減っているところがある。県としても今年度からマニュアルを改訂して、いい品のままで収量がとれるように、改訂しております。銀河のしずくについては、経営体はふえているわけですけれども、今後については、業務用向けの銀河のしずくがほしいというところがありますので、県として増やして参りたいと考えています。

(4) 高温登熟耐性に優れた品種開発

 需要に応じて作付面積を考える、出口戦略を考えるのはまさにその通りだと思います。逆に言うと、金色の風の需要が、市場関係者において伸びていないという捉え方もできると思っております。ぜひ、フラッグシップ米でやっていくんだという意気込み、ゆめさんさ、かけはしの教訓を踏まえて、今、岩手県のオリジナル米として、銀河のしずくは着実に評価され、生産者の作りやすく収量もとれるという声も地域を回っていてよく聞きます。ぜひ、銀河のしずくと併せて金色の風についても、栽培マニュアルの見直しという部分も含めて、ぜひ生産者の声をききながら、進めていただきたいと思います。
 最近の品種の中で、高温で倒伏に強い、多収となる品種開発が全国的にされている中で、岩手県でも高温登熟耐性ですか、そういった品種を開発して、2020年度には、ある程度の品種登録の可否を検討するんだという答弁を過去にされていますが、今の状況は、どのようになっているのかお聞かせください。

○ 佐藤県産米戦略監
 高温登熟耐性に優れた系統については、具体的に言いますと、岩手136号という育成品種が只今現地で実証試験されております。ただ、この品種につきまして収量性が若干劣るという部分と、品質が劣る、若干デメリットの部分もあるので、実績をみまして、可否について検討して参りたいと考えています。

 銀河のしずくは、秋田こまちの県内適地に進めていると理解していますし、江刺区や平泉町まで一部作付けが広がっていると伺っています。ただ、金色の風については、県南地域で作付けしている状況です。今回の136号については、どこが作付けの適地なんでしょうか。いわてっこやどんぴしゃりに代わるようなものなのか教えてください。

○ 佐藤県産米戦略監
 いわて136号の適用地域は、県南地域でございます。ひとめぼれの生育地帯になります。

(5) 県産米の販売戦略

 県全体を見た時に、いわてっこ、どんぴしゃりも含めて、以前、五日市委員からも県北にオリジナル品種をという話もありますので、ぜひ、その辺のバランス、適地を考えながら指導してほしいと思います。
 また、出口戦略について伺います。岩手純情米の販売戦略。金色の風、銀河のしずく、ひとめぼれをふくめた県産米の、コロナ禍における対策も含めて販売戦略についてお聞かせください。

○ 佐藤県産米戦略監
 県産米の販売戦略についてですが、県ではこれまで岩手オリジナル品種ブランド化戦略に基づきまして、大消費地でのトップセールスや、県内外でのテレビCMなど、積極的なプロモーションを展開してまいりました。この結果、全国の取扱米穀専門店で、金色の風、銀河のしずくとも、平成29年度からですと3倍にも増加し、400店舗を越え、引き合いをいただいているところです。今年度は、お米マイスター全国ネットワークや大手米卸業者等とも連携し、8月1日から、新たに全国の米穀専門店での販売促進キャンペーンを実施するなど、販売促進を強化しているところです。

(6) 酒造好適米の需要拡大

 ぜひ、農林水産部としては生産者の所得向上をあげていくんだという、大きな目標に向かってオリジナル品種を需要に応じて、生産振興を図っていくんだということですが、ぜひ、実需者のマーケット調査をしながら、取り組んでいただきたいと思います。そして、平均生産費、東北農政局情報ですと、10アール当たり12万円程度かかると試算されていますが、先ほどのように金色の風などは、手間はかかるが、所得に結び付かないとか、高価格でも量がとれなければ収入につながらないというところがありますので、その辺のバランスをみながら、進めていただきたいと思います。
 最後に、酒米、酒造好適米の需要拡大について改めて伺います。ぜひ、コロナ禍において、酒であったり、酒米の酒造好適米が、だぶついてくるのだろうと思います。今回は、契約栽培していますから買い取って生産はするのかもしれませんが、次年度以降の酒造好適米への影響が出てくると思います。ぜひここは、南部杜氏応援団の以前の高橋陽介部長の時に、文化を守るのだ。酒蔵を守ってしっかり応援していくんだという取り組みがありました。今の農林水産部としてもあるんだと思いますが、コロナ禍における、酒蔵への支援、ひいては生産者の支援につながると思いますが、どのように取り組んでいかれるのか伺います。

○ 佐藤県産米戦略監
 酒造好適米の関係ですが、酒造組合への聞き取りによりますと、今年度産米は契約がありますので、全量買い取る方向であります。次年度についても、実は単年度ではなく複数年契約を結んでいる割合が増えており、酒造組合としては、なかなか酒米を生産者が作ってくれない状況もありますので、買取を進めていきたいという聞き取りを伺っています。

○ 髙橋流通課総括課長
 南部杜氏の応援団の話がありました。南部杜氏は、農家の方が、自分で米を作って、それを全国各地の酒蔵に運んで、その杜氏の方だけでなく、蔵人と言われる方々も一緒に連れて本県の米をつかって、酒を造ってきた経緯があります。
 そうした観点から、お米が原料でもありますし、本県の農業農村におきましても、非常に価値のあることだと思っております。農林水産部としましても、お酒と食材をセットでPRするですとか、食材の背後にあるいろんな情報をお伝えしながら、積極的に需要拡大に向けた取り組みを引き続き進めていきたいと考えております。買うならいわてのもの運動の中でも、全庁あげた形の運動をしっかり関係機関等と連携しながら、需要の下支えにつながる取り組みになっていけばよろしいのかなと考えております。