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県議会報告

第2回岩手県議会災害対策連絡本部会(令和2年5月19日(火))

2020.06.26

1 医療・検査体制

(1) 発熱外来の設置状況

私からも、会派を代表して質問させていただきます。
まず本県、全国唯一の感染者が出ていない県ということで、保健所を初め県当局、現場の医療従事者の方々、臨床検査技師、そして多くの県民の皆様の御努力に、敬意と感謝を申し述べたいと思います。
 私からはまず、医療、検査体制の部分についてお伺いします。やはり基本は、検査と、陽性患者の分類というか隔離をまずしっかりと行うこと。そして、県民、あるいは我々、関係者で情報共有をしっかり図ることが基本というか、大事なポイントだと私は思います。ぜひ、全国あるいは世界のさまざまな感染症の知見を踏まえ、本県としてモデル的な検査体制や医療体制を構築することが全国への恩返しにつながる、私はこのように思います。なかなか他県でできなかったような体制を、ここ岩手から発信していくべきと思っております。
 そこでまず、通告の順番が変わりますが、検査体制についてお伺いいたします。新聞で情報を得ることが多いのですが、まず、発熱外来の設置の状況について、9つの二次医療圏に設置すると伺っておりますが、現在の調整状況といつまでに整備する予定なのかお伺いします。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 発熱外来の件でございますが、昨日、両盤それから宮古医療圏域における地域外来・検査センターとして設置されまして、運用が開始されたところでございます。現在、胆江医療圏におきましても、6月中の設置に向けて検討が進められているところでございます。また、他の地域におきましては、現在、各郡市医師会で前向きに検討が進められているところでございまして、近いうちに、そう遠くないうちに設置されるものと考えております。

 例えば、盛岡市には県央保健所があって、県知事と同等の権限を与えられている。盛岡広域圏の取組みも、どのようになっているのか。情報をもっと我々や関係者、医療従事者の先生方にも提供し、共有すべきと思います。先日の5月、1週間前にようやく町役場に、県央保健所の方が調整状況の説明に来られたと聞いています。ただ、資料も全くなく、口頭で今の状況を説明されたという話です。私はこれでいいのかと思います。少なくとも市町村などに対しては、パートナー関係でありますし、県のみで体制を構築できないわけでありますから、まさに医師会とか、さまざまな設置主体、運営主体、診療体制、事務はどうするのか、誘導をどのように図っていくのか、その理想系を具体的に示して、それぞれの地域を、調整を前に前に引っ張っていってほしい。どのようにお考えですか。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 県としてのモデルの提示でございますが、今月上旬に開催されました郡市医師会長協議会、こちらは県医師会のほうで主催した会議でございますが、それから保健所担当者会議におきまして、設置主体や運営主体など、各項目から選択して、各地域の実情に合った発熱外来を検討できるよう、設置フロー図等をお示ししたところでございます。

(2)県のコーディネーター機能

 いずれにしても、県は医療圏を包括していますし、広域振興局もございます。やはり広域振興局には、コーディネーター機能を十分に発揮していただきたい。復興のときのノウハウ、知見も、多少違うとはいえありますし、そういった地域を引っ張っていく役割を県は担っているし、地元も期待しています。
そして現場で今不安に思っているのは、例えば、実際に発生した場合にどういう対応をしなければいけないのか。タイムラインであったり、あるいは情報開示のマニュアルとか、具体的にどのように動くべきか、そういったところを現場の市町村は悩んでいます。県として、どのようにお考えかお伺いします。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 各地域におけるコーディネーターの配置についてでございますが、これまでも、新型コロナウイルス感染症対策に係る対応につきましては、地元保健所職員が調整をしているほか、県庁の新型コロナウイルス感染症対策班に調整業務に当たる職員を2名追加したところでありまして、地域での検討を加速できるよう支援していきたいと考えております。

(3)交通確保対策

 先ほど名須川議員がお話しされるかと思い通告していないですけれども、ちょっと具体的な取り組みについてお伺いします。
 例えば本県の場合、やはり高齢者が多い。あるいは免許返納されて足がない方々、身体障がい者であったり、要介護の高齢者とか、いらっしゃるわけですよ。今回、例えば一関市、宮古市に設置された発熱外来に検査に行かなければいけないといったときに、郊外に設置されている場合、どうやって足を確保するのか。そういった部分の体制の検討、支援の仕方、足の確保をどのようにお考えになっていますか。やはり、陰性か陽性かはっきりしませんから、公共交通機関を使ってきてくださいとはなかなか言えないと思うのです。そこら辺の基本的なお考えをお伺いします。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 地域における課題につきましては、各地域に対策本部の地方支部を設置しておりますので、現在いただいたような課題につきましても、検討を進めていきたいと考えております。

(4)検査結果が出るまでの対応

 それでは、検査結果が出るまでどのくらいかかるのか。行政検査においては、環境保健研究センターでは8時間とかかかる、あるいは民間検査で東京に送ったときは2、3日かかるといったときに、その検査結果が出るまで、被検者というか検査した方はどのようなところで待機するのか、あるいは自宅に戻って自宅で待機するのか、そこら辺はどのようにお考えですか。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 PCR検査を受けまして、検査結果が出るまでの間でございますが、基本的には検査結果が出るまで、環境保健研究センターですと、大体検体採取して検査が始まってから6時間とか、そういったところで結果が出てくるところでございますが、その間につきましては自宅待機、それから場合によって、症状のある方につきましては病院の感染症病床での観察というようなところでございます。民間検査の場合ですと、検査結果が出るまで2日から3日かかるというところがありますので、その間は自宅での待機というところになります。ただし、検査結果のかかる時間はそうですが、症状のある方については、病院での治療が必要であれば、当然ながら病院で入院という形になるところでございます。

(5)抗原検査とPCR検査

 いずれ、指定感染症でありますので、検査結果が出るまでの間、基本的にはやはり分類、隔離というか、なるべくそういう体制をしっかりとる。攻めの守備というか、ディフェンスにおいても、受け身の守りではなくて、攻めの姿勢のディフェンス型をとることが私は大事ではないかと思います。
 ちょっと時間がないので進みますが、抗原検査も承認されました。例えば、1次検査は抗原検査、2次検査をPCR検査というような形で段階を踏みながら、隔離処置であったり治療をできる体制について、県はどのように考えているのか。あるいは本県で、抗原検査をいつまでにできる見通しを持っているのかお伺いいたします。

○工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監
 抗原検査につきましては、国におきまして、キットの供給が十分になるまでの間、新規感染者数の多い都道府県の帰国者・接触者外来、あるいは全国の特定機能病院から優先的に供給開始するとされております。その生産量の拡大状況を確認しつつでございますが、対象地域、それからPCR検査を実施できる医療機関を中心に、供給が拡大されてまいります。県としましても、現在、特定機能病院は1機関のみでございますけれども、そういったところを使いまして、今後、キットの供給が進み、県内での導入が図られていくと考えております。抗原検査とPCR検査を効果的、効率的に組み合わせて、的確に感染者を特定することができるのではないかと考えております。

(6)軽症者宿泊療養施設の体制整備

 ありがとうございます。ぜひ、早期発見をできるよう、そこら辺の検査体制を整えていただきたい。
そして、本日の新聞で、宿泊施設の提供の記事がありました。300室の軽症者宿泊療養施設の体制整備、圏域別にどのような状況になっているのか。県内の調整状況を含めて、契約状況ということで記事にありましたけれども、県内どのような確保見通し、調整状況になっているのかお伺いします。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 宿泊施設の関係でございますが、まず、宿泊施設につきましては、市町村や旅行業協会の関係団体を通じまして宿泊施設として推薦いただいたところでありまして、現在、推薦いただいた宿泊施設の機能、例えば個室であるとか、バス、トイレがついているのかとか、それから施設の動線はどのようになっているのか、そういったところの評価は終了しておりまして、まずは早期に確保したいというところでございます。昨日、医療体制検討委員会でこの点につきましても御議論いただいたところでございまして、先日、4月30日の臨時会で承認いただきました令和2年度一般会計補正予算第2号におきましては、300室を確保するというところでございますが、現在感染確認者がゼロという状況もあることから、まずは県内で1カ所、大体60室から100室程度のホテルを用意した上で、その後、他の地域、施設につきましては、感染確認者が出た時点で契約を結び、宿泊施設を確保していくという方針につきまして、御了承いただいたところでございます。

 その契約を結んだ医療圏ぐらいはお話しできるのではないかなと思うのですけれども。そして、感染者が出てから契約というより、事前の、前さばきの調整というのがやはりすごく大事だと思うのです。ましてや、もう両磐、宮古あるいは胆江、それぞれもう検査センターも整備しながら動いているわけですから。万が一、例えば一関市で検査して感染者が出たというときに、例えばですよ、どこに整備しているのかわからないですけれども、県央域にわざわざ来るのか。いや、そういうことではなくて、広い県土ですから、少なくとも広域振興局レベルで圏域別に四つとか、やはりそういった体制を整える必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 圏域については、まずは複数の圏域で宿泊施設を設置するという方針はございます。宿泊施設に収容する患者につきましては、まず、感染症病床での入院というのが基本になります。現在、感染症病床38床、それから簡易陰圧装置等を活用して55床、合計で93床を確保済みでありますので、まずはそちらに入院していただくというのが前提になると。宿泊施設は、重症者等の病床の利用状況を踏まえて確保、利用していくというところになっておりますので、まずは県内で1カ所確保しておき、ほかの複数の施設につきましては、発生と同時にすぐ契約できるよう、事前に調整は済ませておくというところでございます。

 いずれ、私は悲観的に備えるというか、最悪を想定して構えなければいけないと思います。
ちょっと時間がないので、医療従事者の宿泊施設の確保、あるいは危険手当、医療スタッフの方々はまさに最前線で仕事をされていて、生活が非常に制約されています。もしかしたら感染しているかもしれないという恐れもあるので、家に戻れないという方もいらっしゃるわけです。そこら辺の宿泊施設の確保、要望も上がっていると思うのですけれども、いつまでに取り組むお考えなのか、お伺いします。

○吉田保健福祉企画室特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監
 医療従事者の宿泊施設についてでございますが、新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療従事者が、業務が深夜に及んだ場合や、基礎疾患を有する家族等が同居している場合など、帰宅が困難な場合に宿泊する施設の確保については、重要と考えておりまして、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の対象というところでありますので、検討を進めていきたいと考えております。

 県は非常に期待され頼りにされています。ぜひ地元を引っ張っていくよう積極的に、さらに―さらにというか、もうどんどん動かしていっていただきたい。次に、高橋穏至議員にかわります。