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県議会報告

平成31年度2月定例会 常任委員会(県土整備委員会)(平成31年3月19日(火))

2020.03.20

1 災害公営住宅について

(1)災害公営住宅の入居状況

○臼澤勉委員
 阿部委員から質問がありましたが、私からも関連してお伺いします。 みなし仮設住宅の入居者の、今後の災害公営住宅等への移転や住宅再建の意向のお話がありました。今日も県 営住宅等 条例一部改正の条例の提案もありまして、その際お聞きしましたら、 災害公営住宅はほぼ完成したとのことです。
 それでお伺いしますが、改めて今の入居状況です。災害公営住宅は完成しますけれども、被災者等の入居状況は現時点でどのようになっているのか。それから、災害公営住宅はまだ 100 %埋まっていない状況と私は認識していますし、みなし仮設住宅が永遠延長されるのではないとのことで、あいていれば近隣の災害公営住宅とかに移るよう促す対策は当然やっていると思うのですけれども、なぜ移っていかないのか、 それは家賃の問題なのか何なのか、その辺の状況がおわかりになればお伺いいたします。

○小野寺住宅課長
 県営の災害公営住宅の入居状況につきましてですけれども、昨年末現在で、 供用開始されております災害公営住宅は 1,555戸ございます。こちらに対しまして、入居されている戸数が1,322戸となりまして、入居率につきましては 85%となっております。
 こちらにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、定期的に一般の県営住宅の定期募集を行った後に災害公営住宅の追加募集の形で、災害公営住宅の空き室をまず活用するとのことで、これまで、今年度は3回ほど御案内しております。
 ただ、みなし仮設住宅にまだお住まいの方々が移らないところがありまして、南青山アパートの完成が延伸するといった際、みなし仮設住宅から移りませんかというお話をした際 の移らない理由だったのですけれども、就業場所の関係で、通勤しやすいこと、お子様等が通っている学校の学区が災害公営住宅に入ると変わってしまうことがあって、そのままみなし仮設住宅にいて南青山アパートをキャンセルされたという理由もあるところです。

(2)災害公営住宅の進捗状況

○臼澤勉委員
 国の復興期間も間もなく終了する部分もあり、恐らくみなし仮設住宅を認める時期もいつまでも続いていくものではないと思っております 。
 個々の家庭の事情もあることは十分に承知しておりますが、どこかのタイミングでは 災害公営住宅への居住を決めていかなければいけない。それを行っていかなければいけないと思いますし、あいていて、もし経済的な理由で、災害公営住宅に入れば今よりはちょっと高く家賃の負担が生じるのであれば、今までも行っているとは思いますけれども、その辺の減免、多少 、負担感を減ずる対策を改めて行っていっていただきたいと思います。
 それで、災害公営住宅のお話がありましたが、公営住宅全般で改めてお伺いさせていただきます。県では住生活基本計画、いわゆる住宅マスタープランを策定して、10 年計画で 、今後の供給予定などを進めていると把握しておりますけれども、 現在の計画ですと 、たしか 平成28 年から10年間の計画があるはずなのですけれども、それの計画戸数というか、整備計画の目標みたいなのがあって、それに対する実績みたいなのはどんな感じになっているのか、新規があるのかないのか、なければ更新とか、その辺の様子が 、計画に対してどういう進捗状況になっているのか、突然であれですけれども、お伺いさせていただければと思います。

○伊藤建築住宅課総括課長
 公営住宅の整備の進捗状況でございますけれども、先ほどお話がございました新しい岩手県住生活基本計画、これは 前回 御説明をさせていただきましたけれども、 新たに策定する予定としております。その中で、公営住宅の供給目標量を定めております。
 公営住宅ですとこれまで、前回の計画の段階では年間 32 戸のペースで建てかえ戸数を想定していたところなのですけれども、現状におきまして約 12 戸相当の建てかえで推移をしております 。
 こういった状況を踏まえまして、今回は、公営住宅の建てかえにつきましては、供給目標の中で計画戸数を年間 12 戸で改めて計画の作成をさせていただいている状況でございます。
 進捗状況は、建てかえでいいますとそういった状況で今推移している状況でございます。

○臼澤勉委員
 確認ですけれども、これは災害公営住宅の供給等は含んでいるのか 、含んでいないのか、 どんな感じなのでしょうか。

○伊藤建築住宅課総括課長
 供給目標量の中には新規の建設も含めておりまして、これは計画期間内に災害公営住宅の整備が始まったとのことで、それを含めた見直しをしております。
 ただ、これは新規扱いで、先ほど言いました建てかえ等とはまた区別した形で目標量を設定させていただいており ます。

(3)県営住宅の整備方針と平準化

○臼澤勉委員
 私も以前、二戸地方振興局に勤務していたときには二戸市の県営アパート、また、 盛岡市 月が丘の備後アパートにもお世話になったりしております。
 県営住宅のストックが昭和 50 年代から平成前半にかけて、ある一定期間供給されたと思うのですけれども、今後、耐用年数が一気に来るので、ある程度、計画の中でも示されていると思いますが、 建てかえ含めて平準化を図りながら 計画的にやっていく必要があると思うのですけれども、そこらの辺の状況をどのように捉えて整備していくのでしょうか。
 先ほど当初年間 32 戸を12 戸に建てかえを含めて行っていくとのことでしたが、そこら辺の平準化のお考えもお伺いします。

○伊藤建築住宅課総括課長
 県営住宅の整備方針の考え方だと思いますけれども、公営住宅につきましては更新コストの縮減、それから予防、保全的な管理、それから今お話がございました長寿命化に資する改善を進めるために、国の社会資本整備交付金を活用した整備を行っているところなのですけれども、この補助要件としまして公営住 宅等長寿命化計画を定め計画的に事業を進める こととなっております。
 県では、総合的なストックマネジメントの実施による、将来の事業量の平準化等を目的としまして、岩手県公営住宅等長寿命化計画を作成しまして、現在整備を進めております。
 また、先ほど御説明しましたけれども、県の住宅政策の基本方針あるいはそれに基づく施策の方向性につきましては、岩手県住宅マスタープラン住生活基本法に基づきます岩手県住生活基本計画を作成しまして、公営住宅におけるストックの活用を含めた供給目標量を定めまして、岩手県公営住宅等長寿命化計画とあわせまして、事業を今進めている状況でございます。

(4)県営住宅の整備バランス

○臼澤勉委員
 県営、市営それぞれあると思うのですけれども、県営アパートに関してお伺いしますが、 県内で5,150 戸くらい管理戸数があると思うのですけれども、特に、盛岡市周辺にある県営アパートを確認すると、私の感覚では、配置場所が北と西というか、もっと具体にいえば、 月が丘だとか 、滝沢寄りとか、あるいは 松園周辺に大分偏っているように認識しております。なぜそうなっているのかを確認したいと思います。
 先ほど災害公営住宅があいているのに入らない理由で、距離が遠いとか 職場の関係やお子さんの学校の問題のお話がありました。そういうことからすると、もう少し盛岡市周辺のバランスを見て、都南方面とか、仙北にも一部ありますけれども、南とか、バランスよく配置するのがいいのかと思うのですけれども、そこら辺の事情を確認させてください。

○伊藤建築住宅課総括課長
 県営住宅が、盛岡市の特定の地域というか、月が丘あるいは松園といった西部あるいは北部に集中しているというお話でございました。
 その理由はなぜか、先ほど、県営住宅は昭和40 年代から建設がピークになったというお話もございましたけれども、県営住宅の整備、公営住宅の整備につきましては、戦後の住宅政策において 、全体的な住宅不足を解消するために大量供給という形 、緊急的な課題とのことで進められてきた経緯がございます。
 県内におきましては、盛岡市などの都市部への人口の集中に伴いまして、大量に供給する必要性が生じてきたわけでございます。住宅土地統計調査がございますけれども、こうした傾向の中で、先ほど言いましたように昭和48年の段階では全ての都道府県の住宅数が世帯数を上回 り、数的には充足したという状況が見られたところでございます。
 住宅施策の重点施策が この段階から、量の確保から質の確保で、住宅の規模とか住宅環境の質の向上に転換が図られたところなのですけれども、盛岡市では賃貸住宅の需要、供給量が県内で最も多いこともございまして、県営住宅の入居倍率も現段階でも非常に高い状況が続いております。
 県ではその高い需要への対応のほかに、賃貸住宅の居住水準の向上だとか、そういったことで盛岡市と連携して、これまでも住宅整備に努めてきたところでございます。
 場所的な要因としましては、先ほど言いましたように、大量供給を図るという段階におきまして、それ相応の土地の確保とか、当時の地価の状況とか、そういったことがいろいろと要因として挙げられると思いますし、あとは盛岡広域の都市計画の中での地域形成もあって、建設場所等の選定が行われてきたと思っております。

(5)人口移動等の進む中での住宅整備のあり方

○臼澤勉委員
 戦後の住宅供給の必要性とか、緊急性とかで行われてきたのだと思います。なぜそれをあえて聞いたかというと、これから、建てかえも一部出てくるのかと思います。先ほどの岩手県住宅マスタープランあるいは岩手県公営住宅等長寿命化計画に基づいて、県営アパート5,000 戸のうち、例えばこれから300 戸とか400戸とかの建てかえ予定を立てるといった場合に、従来のあった場所にそのまま建てかえるのがいいのか、あるいは、今土地は動いていますから、まちが動いてきています。
 そういうことで、土地の確保について、可能であれば、あるいは地元自治体の協力が得られるのであれば、 見直しの必要性も検討すべきだと思いますし、さらには生活保護世帯の状況を見ますと、盛岡市内にある県営住宅では、多分滝沢市に働きに行っている人とか盛岡市周辺の方々も受けている状況になっています。
 生活保護世帯は県トータルではこの5年間で微減している中において、若干県南とか、あるいは紫波町、矢巾町地区では微増していると。所得水準が高いとはいっても、保護世帯の一定数はやっぱり必ずどこのエリアにもあるのだと思います。
 そういったところからすれば、 県営住宅の需要はあるのかと思いますので、ある程度バランスを持って、県営住宅の配置も含めて今後検討されてみてはどうかと思います。最後に御所見をお伺いして終わります。

○伊藤建築住宅課総括課長
 人口移動等の進む中での住宅整備のあり方についての御質問だと思いますけれども、まず先ほど言いました岩手県公営住宅等長寿命化計画の中で、それぞれの住宅の建てかえ、あるいは住宅環境改善を行っていくことで、それらの選別をまず行っております。その中では、応募倍率等の高い住戸、団地におきましては、今後の建てかえ等を進めていくことで、住宅需要を踏まえた上での対応を進めている状況でございます。
 また市町村におきましては 、 それぞれの公営住宅の整備について、それぞれの市町村が、地域住民の住宅需要を含めた住宅事情について把握した上で取り組んでいくべきものと考えております。
 例えば矢巾町ですと、ことし住宅マスタープランの改訂作業に取り組んでおり、平成31年には新しいマスタープランの作成を予定していて、それにあわせまして、町の公営住宅と長寿命化計画の作成も進めていくと聞いております。この中では、当然岩手医科大学 の移転等もございまして、そういったことでの人口移動等が進む中で、今後どういった公営住宅の整備を進めていくのかも含めて検討されていると伺っております。そういった形で、今後、公営住宅のあり方を県、市町村がそれぞれ検討していく状況にあるのかと思っています。
 県と市町村がより一層連携を強化しまして、住宅政策の実施状況あるいは効果等を的確に把握した形で、今後の施策が円滑に進むように、あるいは効率的に推進されるように進めていきたいと考えております。

○臼澤勉委員
 矢巾町とか限定したお話ではなくて、私が言いたかったのは、県内の市町村、例えば奥州市においても生活保護世帯は実はふえているのです。ほかのところは、県が微減している ことに並んで減っている中で、ふえている自治体もあります。ですから、そういった市町村とも連携を密にしながら、公営住宅が果たす役割は意義があるわけですから、しっかりそこら辺を地元自治体、市町村とも連携しながら、今後の住宅マスタープランを踏まえた、そういった計画進行に努めていただきたいと思います。