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県議会報告

令和元年度2月定例会 予算特別委員会(教育委員会)(令和2年3月10日(火))

2020.03.20

1 高校再編と高大接続改革について

(1) 岩手だからこそやるべき教育について

岩手が重点的にやらなければならない教育と、その新年度の予算反映状況について伺う。

【高校教育課長答弁実績】
 岩手だからこそやるべき教育についてでございますが、本県におきましては、新学習指導要領の理念である「社会に開かれた教育課程」のもとでございますが、地域への愛着を育み、地域の将来を担う人材を育成していくこと、加えて、広大な県土を有する本県におきましては、地域格差のない教育の質を保証していくこと、学ぶ機会を確保していくことが重要であると認識しております。
 その実現に向けまして、新たに来年度の当初予算案に盛り込みました「高校の魅力化促進事業」では、小規模校の地域と連携した特色ある取組を推進していきますし、同じく「探究プログラム事業」では、県政課題である理数教育の充実による地域に貢献する人材育成を行っていくところでございます。
 加えまして、このような事業を促進していくために、ICTの活用が不可欠でございますので、令和元年度補正予算案や令和2年度当初予算案におきまして、ネットワーク回線の大幅な増強や大型提示装置等のICT機器の整備を盛り込んでいるところでございます。

(2) 高校再編への反映について

新年度の具体的な取組について高校再編計画への反映状況を伺う。

【高校改革課長答弁実績】
 先程、地域の力という答弁もございましたけれど、計画案の中では、地域の人材育成等について高校の役割の重要性や地域からの期待等を踏まえまして、地域や地域産業を担う人づくりということを基本的な考え方の一つとし、地域の学校をできる限り維持するということを今回の後期計画の大きな内容の一つとしております。
 予算面では、こうした観点から、1学級校を含む小規模校においても、生徒の進路希望に対応できるよう、ICT技術の活用であるとか地域の教育資源の活用等を進めることとしておりまして、令和2年度当初予算案にはICT機器の整備による教育環境の充実や小規模校が行う地域と連携した魅力ある学校づくりに向けた取組への支援といった予算を盛り込んだところであります。

(3) 県民計画の実現に向けた具体的な事業計画について

10年間の県民計画の中で、実現に向け上期、中期、下期と具体的な事業展開を計画しているのか伺う。

【学校教育課総括課長答弁実績】
 本県の今後の教育の在り方につきましては、教育振興計画にも基本目標として掲げている「学びと絆で夢と未来を拓き社会を創造する人づくり」とあります通り、まさに、子供たちの学び、すなわち資質能力を育成していくとこと、それから絆、すなわちその地域の力によって子供たちを育んでいくことが重要であるということは、先程関係課長から御答弁申し上げた通りです。
 この4年間を期間とする第1期アクションプランにおきましては、この資質能力の育成のため、先程申し上げたICTもそうですし、それから主に高校段階における探究的な学習の推進、進学支援の充実等々に取り組むこととしております。また、本県のふるさと振興における地域と学校の役割を重視しながら、先程の高校再編計画の推進ですとか、魅力ある学校づくりに取り組むこととしております。
 アクションプランの中には行程表も記載しておりますので、まずは4年間このアクションプランと行程表に基づいて施策を着実に実施しまして、成果と課題を把握しながら、社会情勢も変化して参ると思いますので、今後の施策の改善に不断に繋げていくことが重要と考えております。いずれ、児童生徒の変容ですとか成長に着目した児童生徒本意での政策推進に努めて参りたいと考えております。

(4) キャリア教育の充実に向けた取組について

国は、多様化する高校教育の改革の基盤的・共通的な施策として、高大接続改革の観点も含め、生徒の進路選択を支援できるキャリア教育の充実を挙げている。県としての具体的な取組、展開を如何に考えているか。

【産業・復興教育課長答弁実績】
 キャリア教育の充実に向けた取組についてでございますけれども、現在、各学校におきましては、教育活動全体でキャリア教育に取り組んでいるところでございます。
 国においては、児童生徒が社会的・職業的自立を実現するために、体系的・系統的なキャリア教育を推進することの必要性・重要性を示しております。
 このため、県教育委員会では、平成22年に「いわてキャリア教育指針」を策定しておりますけれども、現在、いわて県民計画(2019~2028)、岩手県教育振興計画及び新学習指導要領の趣旨を踏まえまして、その改訂を進めているところでございます。
 次年度からは、改訂した指針に基づき、各学校が産業界や高等教育機関等との連携を図りながら、社会人講話、インターンシップ、企業見学、学校見学等の様々な取組を進めることによりまして、キャリア教育の一層の推進・充実を図って参りたいとこのように考えております。

(5) 特色ある教育を充実させるための取組について

 生徒や地域の実態等に応じた特色ある教育を充実すべき。例えば、医師や看護師不足などの地域課題を解決するためにも、不来方高校に医療進学コースを設置するなど、重点的に支援すべき高校を指定し、生徒の能力等の実態に応じた教育課程編成の工夫などの取組を促進すべきではないか。

【高校改革課長答弁実績】
 医師不足、医師の偏在ということは県政課題の一つだと認識しておりまして、その解消に向けては、全県的な取組が必要だと考えております。まずは、広く県内の高校生に医療の道を志す動機づけだとか、地域貢献への意志を高めていくといったことが大事だと考えておりまして、現在、様々な事業に取り組んでいるところであります。
 今回の盛岡南高校と不来方高校の統合の案につきましては、今現在、両校では、スポーツであるとか芸術等の特色ある学びが行われていますが、両校が一緒になることで、スポーツや芸術等と学業とのバランスの取れた環境で切磋琢磨することにより、新たな価値観の獲得であるとか、資質・能力の向上を目指すことになるものと考えております。
 学校規模が大きくなることで、教職員の増加といったことも見込まれますので、探究的な学びであるとか、大学進学対策の指導等の充実が期待できるものと考えており、今後、様々な観点から考えて参りたいと思いますが、先ほど申しましたとおり医学部進学や医師確保の観点に関しては、まずは全県的な取組といったことを中心に考えて参りたい。