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県議会報告

令和元年度9月定例会 決算特別委員会(総務部)(令和元年10月30日(水))

2019.12.02

1 職員育成と組織体制について

(1) 職員の精神疾患療養者の現状と傾向について

職員の精神疾患療養者の現状と傾向について伺う。

 職員の精神疾患療養者の現状の捉えでありますが、年代別について、近年、若年層の職員が増加しているところで、その若年層における精神疾患の割合が増加していると捉えている。近年、新規採用職員を大幅に増やしてきたことに伴い、若年層の職員が増加していることもあるが、療養に至るには、採用や人事異動による環境の変化、対人関係等の仕事の悩み、また、個人的な問題、あるいはこれらが複合的になっている場合もあり、様々な要因が考えられるところ。

(2) 29歳以下の若い職員療養者増加の要因と対策について

29歳以下の若い職員療養者増加の要因と対策について、今いる職員のやりがいも含めて、環境整備に取り組んでいただきたいと思うが、改めて伺う。

 若年層の相談者の中には、上司や同僚へ相談ができずに、自分の中で悩みを抱えてしまう職員も見受けられることから、今年度は、アンガーマネジメントなどのセルフコントロールスキルの助長を主眼においたセミナーに加え、職場でのコミュニケーションスキルを学ぶための研修会を開催している。
 また、精神科嘱託医や臨床心理士の協力を得ながら、希望する職員や管理監督者が、個別に相談する機会をさらに増やし、早期に適切な対応ができるよう支援を行っている。
 今後も、各職員の置かれた状況に応じたメンタルヘルス対策をきめ細かく展開していく。

(3) 他自治体応援職員から見た本県職員のアンケート結果について

他県応援職員に対するアンケートについて、職員間の仕事の配分にバラつきがあるとか、業務の進め方がやや細かすぎて時間がかかりすぎるといった御意見も出されているが、具体的な改善内容は如何に。

 他県応援職員の方々に対するアンケートについてでありますが、このアンケートは、他県応援職員の皆さんの居住環境や職場環境、業務の質・量等について調査し、受入環境の改善などを目的として、実施しているところ。
 委員からの御指摘があったとおり、平成30年度の実施結果を見ると、意見として、職員間の仕事の配分にバラつきがある、業務の進め方がやや細かすぎ、時間がかかりすぎるのではないか、といった御意見もあったところであり、これらの御意見を含め、アンケート結果については、各部局に情報提供し、業務の平準化や業務支援体制の活用などに努めるよう、依頼しているところ。
 応援職員の方々からのこうした御意見は、非常に貴重なものであり、今後も、日々の業務の改善に努めていく。

2 県地域防災計画について

(1) 県地域防災計画の修正状況について

県地域防災計画の修正状況は如何に。

 岩手県地域防災計画の修正状況についてでありますが、昨年度は、国の防災基本計画における、平成29年7月九州北部豪雨災害及び平成30年1月から2月の大雪対応を踏まえた修正を受けて、中小河川における透過型砂防堰堤や森林における流木補足式治山ダムの設置、県、市町村等の災害時相互支援体制の構築等について反映をした。
 また、県独自の修正としては、昨年度栗駒山の火山避難計画を策定したことから、ドローンによる登山者等への情報伝達や登山者等への避難誘導・救出についても反映した。
 なお、地域防災計画の修正にあたっては、3月28日に国、県、市町村、防災関係機関等が一同に会して、岩手県防災会議を開催し、その内容について合意を得たところ。

(2) 市町村地域防災計画の改正状況について

市町村地域防災計画の改正状況は如何に。

 市町村地域防災計画の改正状況についてでありますが、市町村では、災害対策基本法に基づき、毎年、市町村地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、市町村防災会議において修正することとされており、その内容は、県の地域防災計画に抵触しないこととされている。
 平成29年度の県地域防災計画の修正内容を踏まえて、市町村地域防災計画の修正を行った市町村は、平成31年4月1日現在で19市町村となっている。

(3) 広域がれき処理の体制構築について

広域がれき処理の体制構築を盛り込むべきではないか。

 広域がれき処理の体制構築についてでありますが、県地域防災計画では、廃棄物処理は広域的な処理体制の確立を図ることを基本方針としている。
 市町村は自らの廃棄物処理施設が被災し、又は処理能力を上回ったこと等により、廃棄物処理ができない場合においては、近隣市町村の廃棄物処理施設にその処理を依頼するとされており、県地域防災計画等を受けて平成28年3月に策定した「岩手県災害廃棄物対応方針」においても、本県の災害廃棄物処理の基本方針として、県内のごみ処理施設を活用して処理すること等を掲げている。
 今回の台風第19号災害においても、被災市町村において、災害廃棄物が管内の処理施設の処理能力を超えて発生しているところであることから、県では、県地域防災計画及び災害廃棄物処理方針に基づき、県内市町村の処理施設での処理が可能となるよう調整を進めているところであり、迅速かつ適切な災害廃棄物の処理を進めていく。

(4) 防災関係職員の育成について

防災専従職員の配置されていない市町村の有無と支援方針は。

 防災関係職員の育成についてでありますが、市町村については、防災を担当している職員が他の業務を兼務しているものがあると聞いているが、防災専従職員の人数は、市町村の規模に応じ概ね1~10名程度と把握しているところ。
 また、比較的規模の小さい市町村においては、総務課が通常業務とあわせて防災関係業務を行っているところが多く、担当職員も限られている状況にあるところ。
 県としては、何よりも市町村の防災関係職員の資質向上を図ることが重要であるとの認識のもと、平成30年度において16市町村に出向いて災害時の初動対応の座学や図上訓練などを行ったところであり、今年度も同様に17市町村での研修を行っているところ。

(5)  指定避難所の指定に係る市町村への支援について

指定避難所を指定することができない市町村の有無、また、指定に向け県としての取組方針は如何に。

 次に、指定避難所の指定に係る市町村への支援についてでありますが、指定避難所は、安全性等の設置に係る要件を踏まえ、主に学校や公民館、集会所など公的施設が指定されている状況であるが、地域によっては、避難所としての活用が可能な公的施設が立地していない場合や、公的施設が、洪水、土砂災害等が発生する区域にあるため、指定することが困難な場合もあると聞いている。
 県としては、昨今の大型化する台風による被害の拡大を踏まえ、避難場所の指定に当たっては、ハザードマップ等により災害発生の危険性等を十分に考慮した上で、より安全な避難所となるよう、市町村に対し適切な助言を行っていく。

(6) 率先避難について

県として率先避難をどう働きかけていくのか。

 率先避難の働きかけについてでありますが、災害の発生が予想される場合に、それぞれの地域において住民が避難を速やかに行うためには、日頃からの結びつきや取組が重要と考えているところ。
 このため県では、自主防災組織の組織化と活動の活性化を図るため、地域防災サポーターを地域の要望に応じて派遣するとともに、昨年度から自主防災組織活性化モデル事業を実施し、その成果を県内に周知することや、さらには今年度から新たに、防災士養成研修を開始し、自主防災組織の活動を担う人材を育成することなどに取り組んでいるところ。核となる人材の育成を図っているところ。
 また、早期避難のためには、個々の住民の防災意識の向上が重要であることから、住民参加型の防災訓練や県の広報などを通じて、普及啓発を図っていきたい。