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県議会報告
平成30年度2月定例会 次期総合計画特別委員会 (平成31年3月4日(月))
2019.03.15
1 持続可能な社会基盤の整備について
(1) 東北各県との連携について
総合計画に東北各県との連携、宮城、秋田、青森との連携について、どのような構想を盛り込んでいるのか。
東北各県との連携についてでありますが、「いわて県民計画」最終案の「地域振興の展開方向」において、(1)地域資源の相互活用やスケールメリットの発揮などにより、地域全体の発展や共通課題の解決を図るため、「東北全体」や「北海道・北東北」など、広域的な連携を進めることや、(2)歴史的・文化的なつながりを有する青森、秋田、宮城各県の県境地域において、これまで築いてきた協力関係を更に発展させていくことを掲げている。具体的には、広域観光や自動車関連産業の振興、縄文遺跡群の世界遺産登録の推進、ILC東北誘致など、各分野において広域連携体制を構築し、取組を進めてきているところ。このほかにも、「北海道東北地方知事会」や「北海道・北東北知事サミット」などにおいて、東北各県等が連携し、各種制度や施策に関する提言等を国に対し行っているところ。今後においても、各県がそれぞれの特性を踏まえた取組を進めるとともに、一層の地域全体の発展や共通課題の解決に向け、東北各県等との連携に取り組んでいきたい。
2 いわて県民計画における幸福追求権等について
(1) 県民計画に込められたメッセージについて
県民の幸福や利益は、労せずして与えられるべきものでなく、自らの努力によって築き上げるものではないか。
「いわて県民計画」最終案においては、「お互いに幸福を守り育てる」ことを基本目標に掲げ、10の政策分野を設定し、この政策分野ごとに「いわて幸福関連指標」を設定しているところ。10の政策分野設定した、例えば、「健康寿命」や「一人当たり県民所得」といったものを県民みんなで取り組んで向上させていくことで基本目標を実現させるということが計画の基本的な考え方となっている。
県民計画で重んずるメッセージは、自立の精神、自助の態度を育てるということではないか。
「いわて幸福関連指標」は様々なものがあるが、例えば、「健康寿命」を延伸していくためには、県民一人ひとりが積極的にスポーツなどを通じて健康づくりを進めるとともに、定期的に特定検診を受診すること、「一人当たり県民所得」を向上させていくためには、様々な仕事に就いて働くといった観点に加え、仕事で得た所得を地域内で循環させていこうとすることなどといった県民一人ひとりの具体的な行動がなければ指標の向上には結びつかないものと考えているところ。そうした県民一人ひとりの行動によって幸福度を高め、あらゆる主体と一緒になってお互いに幸福を守り育てていこうとするもの。
計画の大きなポイント、柱として3つ挙げるとしたら何か。
「いわて県民計画」(最終案)においては、復興、県の復興計画をしっかりと引き継いで復興にしっかり取り組んでいくというのが1点目。2点目は幸福、幸福の考え方に基づく10の政策分野を設定し、これに基づいて取組を進めていくという点。3点目は、計画の進め方になるが、この県民計画はまさに県民計画として県民をはじめ多様な主体がそれぞれ主体的に取り組んでいくということで、基本目標である「お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」、「お互いに」といったことで、県民、県をはじめ多様な主体がみんなで計画を進めていくという3点に尽きる。
(2) 10年間の主要総事業費と財源の見通しについて
目標実現のために何ができるかというバックキャスティングの視点が重要と考える。10年間の主要総事業費をどの程度の規模で見込んでいるか。また財源の見通しと財政運営の進め方をどう考えているか。
10年間の事業費の見込みと財源の見通し等についてです。予算については、毎年度、国の制度等も踏まえつつ、その時々の社会情勢の下で編成をしているものですので、今後10年間の具体的な事業を想定した事業費の規模についてお答えすることは困難ですが、いわて県民計画最終案においては、10年間の長期ビジョンで、県民みんなで目指す将来像を明らかにした上で、その実現に向けた具体的推進方策を、4年間のアクションプランに盛り込んでいるところで、その期間に合わせて、中期財政見通しを作成しているものです。
この中期財政見通しにおいては、国の地方財政制度等を踏まえて、一定の前提条件を設定して、2022年度までの歳出を見込むとともに、地方税、地方交付税の内訳ごとに歳入を具体的に見込んでおり、財源対策基金の取崩しによる対応も含めて、第1期アクションプラン期間の事業実施を担保しているところです。今後も財政運営に関しては、毎年度この中期財政見通しを更新して、様々な社会情勢等を反映させながら、歳入歳出両面からの徹底した取組を行うことで、将来にわたって持続可能な財政運営を図って参りたいと思います。
これからの10年間の県の財政の歳出のスケールについて、震災前の7,000億円の水準を考えているのか確認させていただきたい。
財政規模についてですが、これについても、将来にわたってどれくらいの規模が確保できるかということは、一概にお答えできるものではありませんが、これまでの推移、概ねの財政規模などもありますので、そういったところも勘案しながら、今後、毎年度の予算編成を行って参りたいと思います。
普通建設費を落としてきている一方で、社会保障関係費の自然増が見込まれる中、今後の歳入歳出の見込みをどのように考えているのか。
まず、歳出の構成ですが、今委員からご指摘ありましたように、義務的経費では扶助費等ありますし、その他の部分でも社会保障関係費の増が見込まれています。また、維持補修費など、公共施設の管理の経費などもありますので、そういった必要な経費の増というのは見込まれているところです。一方で、歳出を考えるにあたって、歳入も当然同時に考えなければいけませんので、国の地方財政制度、税収の見込み、こういったことをしっかり確保していくことが必要だと思っております。
なお、来年度の予算においては、これまで復興事業等で様々投資的経費関係の事業をやっておりましたけれども、やはり通常分についても一定程度確保するということで、来年度で1.05のプラスシーリング、また国の国土強靭化関係の財源を最大限活用することで、投資的経費の伸びなども見込んでおりますので、各年度その時々の社会情勢に応じた財源を確保しながらやっていくものと考えております。
今の財政水準を100とした場合に、10年先の水準はどの位と考えるか。低負担で高サービスは非常に難しく、財源確保対策の観点からもその仕組みを考えるのがポイントになると思うが、所見があれば伺う。
どういったところに選択と集中を図っていくかということについてですが、繰り返しで恐縮ですが、その時々の社会情勢に応じた選択と集中を行っていくということに尽きるかと考えています。また、財源の確保ですが、高負担といったご指摘もありましたが、国の財源を確保するとか、自主財源を確保するとか様々な歳入がありますが、こういったことは、国全体の仕組みの中で岩手県としてもどういう風に考えていくかということが重要かと思いますので、まずは、国全体の制度などを見据えながら、どういった受益と負担の関係を取っていくかということについて、必要に応じた検討が必要かと思っております。
(3) 今後の行政サービス水準について
県民に対して、高負担高福祉、または、低負担低福祉、あるいは、低負担高福祉という考え方があるかと思う。3つ目は非常に難しいものであるがその仕組みを考えることが重要。財源確保対策も含めて様々なことをやっていく必要があると考えるが所見を伺う。
今のサービスをそのまま10年後も同じ形で提供していくのかといった考え方に立てば予算の規模の話は重要となるが、今回の県民計画においては、人口減少も進む中で社会保障費が増えていくことから今のような水準のサービスを維持して受けることも難しくなる中で、長期的視点に立って、11のプロジェクトを立ち上げているところ。例えば、小集落でどういった社会システムを作るか、健康づくりプロジェクトもあるので、今の環境変化や第4次産業革命技術の変化なども生かしながら、10年後もサービス提供できるような考え方で11のプロジェクトを設けている。