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県議会報告

平成30年度2月定例会 予算特別委員会(保健福祉部)(平成31年3月12日(火))

2019.03.15

1 障がい者の社会参加の促進について

(1) 目標工賃の達成状況と評価について

 目標工賃の達成状況と評価は如何に。圏域別の平均工賃の格差に対する評価は如何に。

 目標工賃の達成状況と評価についてでありますが、平成29年度における県内就労継続支援B型事業所157か所の平均工賃実績は、月額では目標額20,000円に対して18,982円で達成率94.9%、時間額では目標額220円に対して219円で達成率99.5%であり、時間額はおおむね目標を達成し、順調に増加しているものの、月額では年々達成率は低下している状況。この要因としては、サービスを利用する障がい者の増加に伴い、1人あたりの就労時間が減少し、時間額単位での工賃は向上しているものの、月額単位での工賃が伸び悩んでいるものと考えている。また、近年では就労継続支援B型事業所の整備が進んでいる一方で、新規に開所した事業所が安定した作業量を確保できていないことも要因の1つであると考えており、県内において、就労支援事業所が取り組むことが出来る作業量が不足していると分析している。
 圏域別の平成29年度平均工賃については、最も高い気仙圏域が25,467円、最も低い久慈圏域が14,054円と、その差が1万円以上ある状況であり、この要因を明確に特定することは難しいが、各圏域内での民間企業や行政機関からの業務の受注状況や、圏域内の施設数であったり、サービス利用者の障がいの状態等によるものであると考えられる。

(2) 目標達成に向けた取組について

 H29年度達成率は94.9%と年々低下している。目標達成に向け、実効的な取り組みは如何に。

 目標達成に向けた取組についてでありますが、工賃を向上させるためには、就労支援事業所が取り組むことが出来る作業量を増やしていくことが重要であると考えている。このため県では、県、国、市町村における官公需の発注を促進するとともに、民間企業に対しても就労支援事業所への発注を働きかけることにより、新たな取引先の開拓を支援するほか、毎年度開催している「工賃引上げ支援セミナー」において、新商品開発に係る講座を継続的に実施することで障がい者の工賃向上に取り組んでいく。さらに、平成29年度より取組んでいる農福連携に係る事業を継続して実施することにより、農林水産業分野での新たな作業の受託を支援していく。

(3) 小型家電リサイクルとの連携について

 目標達成に向け、新たな受注作業の開発が重要。例えば神奈川県を参考に、小型家電リサイクルとの連携による枠組みを構築すべき。所見を伺う。

 市町村との連携による受注の開発の取組みについてでありますが、障がい者の方の工賃向上のためには、新たな受注作業を開拓して障がい者就労支援事業所の受注業務を増やしていくことが重要であると考えている。委員から御紹介のありました小型家電リサイクルについては、就労支援事業所が無許可で使用済機器を収集することは「廃棄物処理法」に抵触するが、神奈川県の一部市町村では、市町村が使用済機器を回収し、その機器から金属が多い部分を取り出す等の有価性を高めるための前処理の作業を、障がい者就労支援事業所に委託する形で行っているものと承知している。
 この様な受託作業を開拓していくためには、事業所自身の努力だけでなく、こうした関係機関の連携による開拓も有効なものと考えており、本県においても、今後、福祉・労働・教育等の関係機関を構成員とし障がい者の福祉的就労の場の充実等について協議する『障がい者自立支援協議会就労支援部会』において、市町村をはじめとする関係機関との連携による枠組みの構築を検討して参りたい。