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盛岡広域地域課題懇談会(平成29年6月5日)

2017.07.18

盛岡広域地域課題懇談会

 

1 日時:平成29年6月5日(月)15時30分~18時15分

 

2 場所:サンセール盛岡2階「桐華」

 

3 臼澤議員と県(盛岡広域振興局)との主な質疑概要

 

【臼澤勉議員】

1点目は、野生鳥獣対策について、先ほど千葉伝議員からもお話があったが、本当に農政サイドの被害が深刻化しているので、実効ある対策を市町と連携の上実施していただきたい。

私からは、猟友会ハンターの担い手対策の視点から質問させていただく。矢巾町にあるクレー射撃場は、盛岡広域、あるいは県内外のハンターが技術を磨く場として使われている。昨年、残念な事故もあったが、施設も老朽化しており、施設管理者の方からも何らかの支援をいただけないかと相談を受けている。そういう鳥獣被害対策の担い手育成について、ますます公的な役割も高まっていることから、ご相談させていただきたい。

それに関連して、盛岡管内は、原木シイタケの県内の生産量の4分の3ぐらいを占める、中心的な産地であるが、森林の里山再生と絡めて、森林税の用途の柔軟化を検討していただく機会はないのかなと思っている。広く県民から税金をいただいているので、その使途の拡大についても、他県の事例も参考にしながらご検討いただきたい。

 

2点目は、盛岡西バイパスの南進に向けての絡みで、先般石井国土交通大臣に盛岡広域の首長や知事に行っていただき、感謝申し上げる。私からは、その道路ネットワークの整備に絡めて、2次交通対策と交通量の事前把握について伺いたい。まず、交通量については医大周辺の県道の駅前停車場線とか、徳田橋から流れてくるような縦軸も含めて、今後交通量の増加が見込まれることは確実だと思う。商店ができる前に、ある程度シミュレーションしながら、右折レーンの設置等の渋滞対策の調査研究が必要である。2次交通についてはJRとIGRの連結の部分で、IGRの乗り入れの円滑とバスの広域的なネットワークづくりについて、どのように考えているのか伺いたい。

 

3点目は、発達障がいの支援について、年明けの1月開放に向けて療育センターの建設が着実に進んでいると伺っている。発達障がい絡みの相談件数については、岩手県発達障がい支援センター ウィズの方で4,000件ほどの相談を受けていると聞いている。相談したくても、1カ月、2カ月待ちというような状況もあると聞いている。何を言いたいかというと、釜石などには、ある程度市町村レベルでそうした住民の相談をワンストップでサテライト的に受け入れる相談支援事業所みたいなところがあって、地域内で完結できるような仕組みがあるが、盛岡は、ウィズがあるからなのかどうかは別にして、相談できるところが意外となく、ウィズに行ってしまうというようなことも聞いている。そのあたりの仕組みづくりについて、間もなく療育センターがスタートすることから、それと併せて盛岡管内の体制づくりを少し研究していただきたいと思う。

 

4点目は、埋蔵文化財の絡みで、志波城と徳丹城を絡めた日本遺産の申請が、残念ながら落選した。地域の文化資源を活用した観光の視点や教育的な視点もあるが、文化・スポーツ部という新たな組織も立ち上げている中で、盛岡広域振興局として、日本遺産を絡めた志波城と徳丹城の部分、あるいはそれとは別になるが伝法寺遺跡について、そうした部分の保全と活用の部分をどのように考えているのか伺いたい。

 

最後に、農泊の促進について、農林水産省が今年度の新規事業として農泊の促進のために空き家の民泊、農家の改修事業を行っている。私が聞いているところでは、遠野やグリーンツーリズムを推進してきたところを中心に県内に何カ所かあるとは聞いているが、盛岡管内にもそうした可能性を秘めた空き家を改修して、農泊の促進、都市と農村の交流の促進につながるようなところがあるのではないかと思う。そうした可能性について、どの程度把握しているのか伺いたい。

 

【高橋保健福祉環境部長】

捕獲の担い手確保に関する環境サイドの取組について、平成28年度は、一般向けの研修会と新人狩猟者向けの研修会を開催している。一般向けの研修会は、狩猟に興味のある方を対象に行っており、内容としては、狩猟者からの報告、ジビエの試食、免許取得のガイダンスがある。また、新人の狩猟者向けの研修会では、射撃の実演、それから獲物の解体を行っている。また、狩猟免許を取得しやすい環境づくりとして、免許の試験を年3回、しかも休日に試験を受けられるようにしている他、合格率を上げるために予備講習会も開催している。こうした取組を行っているが、なかなか増えないというのが現状で、銃を持つということは、相当周辺も調べられ、警察サイドからも調べが入る。そうなると、考え直す方もいるのかなという印象を受けている。

それから、発達障がい支援センターについて、私は盛岡市福祉審議委員会の障がい者部会の専門員も担っているが、そこで出た話として、療育センターが矢巾に移転することに伴う対応として、旧競馬場に障がい児童の相談支援に関わるような機能を検討している旨の議題が出た。まだ検討途上ではあるが、盛岡市としても矢巾移転後、自分たちで何か手だてを講じなければならないという動きはある。

相談の順番待ちの話があったが、確かに児童心理を専門としている医師の数が全国的にも非常に少ないという現状があり、順番待ちを解消するまでには、まだ少し時間がかかると思うが、最初の1次的な窓口の相談環境は少し改善の動きが見られるのではないかと期待している。

 

【伊藤林務部長】

いわての森林づくり県民税の使途について、里山再生や公有林整備に県民税を使えないかという要望であるが、いわての森林づくり県民税の使途については、県民の意見あるいは県議会の意見を伺いながら検討することとしている。県民税事業の制度設計は、本庁の林業振興課で行っており、最終的には有識者で構成される「いわての森林づくり県民税事業評価委員会」というところで決定される。本日の議員からのご要望については、本庁の方に情報提供させていただく。

 

【佐々木土木部長】

医大移転に伴う交通量調査の関係について、県では5年に1回、県道の交通量調査を行っている。新しい交通ネットワークを構築する際には、過去の交通量の推移を見ながら、当然将来の交通量の推計を行って、例えば右折レーンの必要な長さといったものを設計している。いずれ平成31年に医大の附属病院が開設される予定になっているので、多分交通量は劇的に変わると私どもも考えている。県庁の所管課と連携しながら対応していきたい。

 

【寺本副局長兼経営企画部長】

文化財と観光について、アクションプランにも「歴史・文化、都市の魅力を生かしたまちなか観光」とあり、そうした遺産等も活用しながら進めていくという位置づけで整理している。今回文化スポーツ部を設置し、お話のあった文化財と文化は若干ニュアンスが違うが、教育委員会で文化財を、知事部局で文化を所管する整理をしている。ただ、現実の話として、例えばお祭りを地域で活用するといった場合、教育委員会という話にはならないと思う。市町村や地域の人たちがどのような取組を行っているのか、それが観光資源としてどのような価値があるのかというところを見ながら、やはり現実的な対応していくのが正しいのかなと思っている。今の段階では、県がお祭りに補助金を出すということはなく、どちらかというと、個別の市町村にお願いして、それで一緒に取り組んでいくというような進め方をしてきている。世界遺産、日本遺産もそうだし、農業遺産が割と近いものがあると思うが、そこは市町村や地域の方々と連携しながら、今年3月に文化・スポーツ振興戦略を策定したので、その趣旨を踏まえて、今後取り組んでいく必要があると認識している。

 

【渡辺農政部長】

農泊事業の関係について、今般国庫事業で農泊を進めるための事業が立ち上がったということは承知しているが、民家の空き家改修と農泊との可能性、いわゆる対象数というのは、振興局でも県庁でも把握していないのではないかと思う。ただ、そうした話があったことは、県庁の方に伝えておく。

ちなみに、先ほど申し上げたとおり、当振興局では今年度地域経営推進費を使ったインバウンドの農村活性化に向けた取組を行うこととしているが、ここで核となるのは雫石町であり、雫石町のグリーンツーリズム協議会の構成員を見ると、農家民泊で20戸、民宿で13戸、収容能力は約180人ということなので、空き家改修をして農泊を進めるという前に、農家民泊とか民宿を利用したインバウンドについて、どうあるべきかをまとめていきたいと思う。

 

【宮野局長】

先ほどお話にあったIGRとJRの相互乗り入れについて、当然矢巾移転に伴って考えなければならない視点である。これは以前にも県議会でもご質問いただいており、IGRとJRの方には検討を依頼している。さまざま課題があるということなので、実現に向けて検討を進めているということでご理解いただきたい。

あと、バスの広域ネットワークづくりについても、昨今の高齢者の交通事故の多発といったことも受けて、改めて県の方でバスの広域ネットワークづくりに向けて、今年度から圏域ごとの計画を作ることにしている。今まで市町村にお任せしていた部分を県が一歩突っ込んで広域幹線ルート、市町村内のルート、その結節点など、そのあたりを改めて計画づくりをしていくこととしており、そのなかで考えていきたい。

 

【臼澤勉議員】

国土形成計画でも、まさにコンパクトとネットワーク、つなぐといった視点で今後のまちづくりというのが大きな方向性になっているので、ぜひそのあたりをお願いしたい。先ほど鳥獣被害対策の担い手の技術力向上の話で、答弁が少しずれていたかなと思う。要は、新しい免許を取った人に限らず、ベテランの方でも練習する場所がないと腕がなまっていく。そうしたトレーニング場所を公的な意味合いで支援する必要性が、今後ますます高まっていくのではないかと思っており、そうした部分で調査研究を一緒にお願いしたい。

あと、発達障がいに関する相談支援について、交通整理が必要だと思う。療育センターで2カ月待ちの状況になっているのは、あまり好ましい状況ではない。ウィズに行く前に、案件によって既存の相談窓口もあるわけなので、そのあたりを広域的な意味合いでちょっと交通整理できるような体制をさらに強化していただきたいと思う。

 

(補足説明事項)

・猟友会等が技術を高めるために使用する射撃場の整備に関する支援制度について

猟友会等が技術を高めるために使用する射撃場の整備ができる支援制度として「鳥獣被害防止総合対策交付金」(農林水産省)がある(事業実施主体:地域協議会等、補助率:1/2以内)。事業実施にあたっては、有害鳥獣と無関係のスポーツ射撃愛好者の利用率が4割未満となることや、指定射撃場の指定を受けていることなどの事業要件などがある。