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県議会報告

令和4年度2月定例会 予算特別委員会(県土整備部)(令和5年3月16日(木))

2023.04.08

1 復興計画、復興事業の評価と教訓について

(1) 復興事業の県内の投資額と経済波及効果について

復興事業の県内の投資額と経済波及効果について伺う。

【企画課長答弁実績】
 復興事業の県内の投資額と経済波及効果についてでございますが、県土整備部における復興事業に係る予算額をみますと、平成23年度から令和4年度までの最終予算額ベースの累計で1兆2,464億円余となっているところでございます。
 これによる経済波及効果につきまして、岩手県産業連関表を用いて試算しますと、第二次波及効果を含めまして、1兆8,681億円余になると推計されるところでございます。

(2) 復興計画・復興事業の教訓について

復興計画・復興事業の教訓について伺う。

【都市計画課総括課長答弁実績】
 復興計画・復興事業の教訓についてでありますが、県では、東日本大震災津波の経験や教訓を確実に継承し、将来の災害に備えるとともに、その内容を発信することで日本全体の防災力向上に資するため、令和2年3月に、これまでの復興の取組と教訓を踏まえ「東日本大震災津波からの復興-岩手からの提言-」をとりまとめております。
 この中では、被災市町村におけるまちづくりに関して、「復興まちづくり計画について検討する時間がなかったこと」、「面整備事業に精通した職員がいなかったこと」、「各事業のスキームやメリット、デメリットを十分整理できないまま、計画策定を進めざるを得なかったこと」を教訓としてとりまとめており、これに対する提言として「事前復興の取組を進めていく必要がある」としているところでございます。

(3) 土地の未利用地の現状と要因について

土地の未利用地の現状と要因について、主に陸前高田市の特徴を伺う。

【都市計画課総括課長答弁実績】
 土地の未利用地の現状と要因についてでありますが、復興土地区画整理事業における土地活用状況につきましては、令和4年12月末時点の国土交通省が取りまとめた調査では、県内の宅地供給全体面積297.4haのうち、土地活用済みが169.8haとなっており、57%が土地活用済みとなっております。
 このうち、陸前高田市につきましては、宅地供給面積118.1haのうち、土地活用済みが46.8haとなっており、40%が土地活用済みとなっております。
 復興土地区画整理事業において整備された造成地では、土地相続の問題などで、土地の売買、賃貸借のマッチングが進まないことなどによって、未利用地解消に対する対応に苦慮する市町村もあると承知しているところでございます。

未利用地の状況をどのように評価しているのか。

 かさ上げ造成地の整備についてでありますが、これにつきましては、被災市町村がそれぞれの実態を踏まえつつ計画修正を繰り返しながら行ってきたところと考えております。
 例えば、陸前高田市における計画策定におきましては、土地区画整理事業の実施にあたり、施行区域の確定、移転に係るルールづくり、整備する住宅の規模の調整を目的に、土地を所有されている方々に、個別面談方式で、移転先の希望等を確認するなど、限られた時間の中でできる限りの対応を行い、計画を策定しているものと認識してございます。
 時間の経過とともに、被災された皆さんの当初の希望とその後の実際の利用とが一致しない状況も生じたことで、一定数の空き宅地が生じているものと考えております。

(4) 今後の利活用に向けた対策について

今後の利活用に向けた対策について伺う。

【都市計画課総括課長答弁実績】
 今後の利活用に向けた対策についてでありますが、県では、これまで、被災市町村における土地の利活用を促すことを目的に復興庁が主催する「土地活用に係る実務担当者会議」へ事務局として参画しており、令和4年度は、7月と2月の2回開催され、土地活用を推進するための各自治体における事例やノウハウの共有が行われたところでございます。
 また、復興庁が令和3年度に「ハンズオン型ワンストップ土地活用推進事業」を創設し、被災地の土地活用の課題解決を図る取組を進めており、県も国や関係機関と共に会議に参加し助言等を行っているところでございます。
 令和4年度は、この事業を活用し、陸前高田市、及び大槌町の取組が採択されており、未利用地の活用方策などの検討を行ってきたところでございます。
 令和5年度におきましても「土地活用に係る実務担当者会議」、「ハンズオン型ワンストップ土地活用推進事業」共に継続されるものと承知しており、県としては、引き続き、国や関係機関と連携しながら助言を行うなど、土地活用に係る取組を支援してまいります。

これまでの復興の取組及び今後のまちづくりに対する教訓やノウハウの蓄積に関する所見を伺いたい。

【県土整備部長答弁】
 発災後、私は、平成23年5月から2年間、沿岸土木で勤務し、復興まちづくりということで、市町村のまちづくり計画の策定を支援するような立場で過ごしていました。その中で、市町村が開催する説明会とかにも出させてもらっていましたが、時間が無い中、限られたマンパワーでどう計画を進めていくのかということが難しかったし、まちづくり事業に慣れていない市町村の職員がほとんどだったので、すごく難しかったのだなと思っています。その中で、どうやって住民合意を得ていくかという課題もありましたので、時間がかかったのは仕方がないものと思います。
 結果として、未利用地ができているのは、その時々に最適な計画といることでやっていたのですが、時間が少しかかってしまったというところがありますので、初動のところで、どこまで時間を縮めて、次の計画から次の工事に行けるかというところが大事だと思っていますので、少し整理する必要があるのかなと思っています。