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県議会報告

令和2年度2月定例会 予算特別委員会(県土整備部)(令和3年3月19日(金))

2021.03.22

1 北上川水系流域治水プロジェクトについて

(1) 短時間豪雨について

時間雨量50mmを超える短時間強雨の発生件数、約30年前(私が20歳の頃)に比べ如何に。県内における短時間降雨の発生地点数は如何に。

【河川課総括課長答弁】
 近年の豪雨による状況についてでありますが、国の資料によれば、全国の時間雨量50mmを超える短時間強雨の発生件数は、1976年から1985年の10年間で年平均226回であったのに対し、2009年から2018年の10年間では、年平均311回と、約30年前の約1.4倍に増加しております。
 また、岩手県内の状況としては、時間雨量50mm以上の雨が降った地点数は、1980年から1989年の10年間で13地点であったのに対し、2010年から2019年の10年間では、41地点と、30~40年前と比較し約3.2倍に増加した、というデータが報告されています。

(2)岩崎川流域の治水整備の考え方について

他の関係機関との事業と連携した治水への取組と新年度以降の岩崎川、芋沢川、太田川、普通河川整備促進に向けた取組について伺う。

【河川課総括課長答弁】
 岩崎川流域の治水整備の考え方についてでありますが、県が主体となって行う河川整備に加えて、国や地元自治体、利水ダム管理者、森林管理者、住民等のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う「流域治水」を進めることが重要と考えており、先ほど委員からも北上川の上流域のお話しもありましたが、現在、北上川水系流域治水プロジェクトの策定に取り組んでいるところでございます。
 岩崎川におきましては、平成25年度の豪雨災害を契機として導入した床上浸水対策特別緊急事業が昨年完成しまして、北上川合流点から煙山小学校付近までの区間は整備が完了したところでございますが、引き続き、未整備となってございます太田川、芋沢川や岩崎川上流部など流域全体の安全度の向上を図っていく必要があると認識しているところでございます。
 令和3年度は、太田川においては堰の撤去、芋沢川においては河道計画の検討、岩崎川においては整備に向けた用地買収を行ってまいります。
 我々が整備する河川改修と併せて、普通河川については、町と連携しながら、上下流一体となって治水効果が発現できるよう流域全体で治水対策に取り組んでまいります。
 県としては、今回策定される北上川水系流域治水プロジェクトのもと、関係機関とも連携して流域全体で治水対策に取り組んでまいります。

(3)水田貯留の調査検討状況について

市街地に甚大な浸水被害を生じさせないためにも、田んぼダムによる水田貯留を検討すべき。調査検討の状況と県はどう支援するか。

【河川課総括課長答弁】
 水田貯留の調査検討状況についてでありますが、流域、河川に入る洪水等を田んぼ等で貯留することと思いますが、流域治水を進める上で、流域の雨水貯留機能の向上のために、既存の水田の活用は治水対策としても有効であり、北上川水系流域治水プロジェクトとりまとめ案においても矢巾町において取組の1つとして位置付けられているところでございます。
 田んぼダムについては河川管理者としてもさまざまな機関と連携しながら、治水効果を最大限発揮できるよう、流域全体で取り組んでまいります。

(4)北上川の無提区間、狭窄部対策について

北上川(岩手県側)の堤防整備率は、完成堤51%、暫定堤24%、無堤25%であるとのことだが、県としての対応を伺う。

【河川課総括課長答弁】
 北上川の洪水対策についてでありますが、国の管理している区間ではございますが、地元から様々な要望をいただいており、県でも国の整備の促進を要望してございます。国の整備については河川改修やダム、遊水地などの整備が、計画的に進められてきたと承知してございます。

(5) 緊急浚渫推進事業について

自治体が単独事業として緊急的に河川の浚渫を実施できるよう創設された緊急浚渫推進事業の効果は如何に。新年度以降の対応は如何に。

【河川課総括課長答弁】
 緊急浚渫推進事業についてでありますが、県では、国土強靭化3か年の補助事業と併せ、今年度創設された緊急推進事業を活用し河道掘削を推進してきたところでございます。
 また、今年度は、矢巾町を始めとして、県内8市町で41河川、約2億3千万円の実施が見込まれているところでございます。
 実施している市町からは、これまで予算措置できなかった箇所の浚渫が可能となったと聞いているところであります。
 実際の治水効果についてはこれからあらわれてくるものと考えております。

(6) 市町の防災マップ見直しなどへの県の支援について

新年度に防災マップや内水ハザードマップの見直しへの取組を行う市町村はあるか。県の支援は如何に。

【河川課総括課長答弁】
 まず、防災マップ及び内水ハザードマップの見直しへの取組についてでありますが、本年2月末現在で、32市町村において洪水・内水・土砂災害のリスクのいずれかを示した防災マップが策定されており、29市町村で洪水リスク、12市町村で内水リスク、32市町村で土砂災害リスクを記載した防災マップが作成されてございます。
 また、新年度に14市町村において防災マップの見直しを実施する予定であり、9市町で洪水リスク、5市町で内水リスク、10市町村で土砂災害リスクを記載した防災マップの見直しを実施する予定と聞いております。
 県においては市町村の防災マップの作成が進むよう、洪水ハザードマップの基となる想定最大規模の浸水想定区域図の作成等を進めております。

(7) 河川監視カメラの実績評価と課題等について

県管理河川に設置した簡易型河川監視カメラの評価と課題、今後の取組方針について伺う。

【河川課総括課長答弁】
 県管理河川における簡易型河川監視カメラについてでありますが、令和2年6月24日から大規模な被害のあった岩泉町の小本川等、68河川114箇所で運用を開始しているところ。通常型の河川監視カメラを含めると69河川148箇所でカメラ画像を確認することが可能となってございます。
 カメラ画像は、パソコンだけではなくスマートフォンでも確認でき、水位情報のみ提供していた場合と比べ、リアリティーのある現地の状況を住民に提供することが可能となり、迅速な避難につながるものと期待されてございます。
 国、県、市町村を構成員とする大規模氾濫減災協議会において、各市町村からは、洪水時の状況を把握するための参考情報として活用していると聞いているところでございます。
 今回の整備につきましては一旦完了したとして、今後設置する必要が生じた場合には、継続して取り組んで参ります。

2 岩手県自転車活用推進計画について

(1)県管理道路における自転車通行空間整備の取組について

県管理道路における自転車通行空間の新年度以降の取組について伺う。

【道路環境課総括課長答弁】
 県管理道路における自転車通行空間の整備についてでございますが、岩手県自転車活用推進計画では、令和3年度から令和7年度までの5年間で、矢羽根等の路面表示が設置された自転車通行空間を県管理道路で16km整備することを目標としております。
 具体的な整備箇所につきましては、盛岡市の自転車ネットワーク計画において自転車通行空間の整備が必要と位置付けられている市街地部の自転車利用が多い道路や、不来方高校を含めまして県内各地の高校周辺で、生徒の主要な自転車通学ルートとなっている道路等を想定しております。

(2)複数市町村に跨る広域的なサイクリングルートについて

複数市町村に跨る広域的なサイクリングルートの取組について伺う。

【道路環境課総括課長答弁】
 複数市町村に跨る広域的なサイクリングルートについてですが、岩手県自転車活用推進計画では、観光振興の分野において、地域資源を生かしたサイクルツーリズムを推進するため、複数市町村に跨る広域的なサイクリングルートの整備を推進することしております。
 このサイクリングルートにつきましては、4つの広域振興局ごとに1ルートづつ設定することを想定していまして、利用者が迷わず安全に安心して走行できるよう路面表示や看板等による案内誘導サインを整備することとしております。
 具体的なルートにつきましては、関係団体や市町村と連携し、県道盛岡矢巾自転車道線等の既存の自転車道線も活用しながら、本県の地域特性を生かした魅力的なサイクリングルートを検討してまいりたいと思います。
 御指摘の徳田橋や矢巾紫波方面から繋方面までの広域的なサイクリングルートですが、現在、自転車道線として、徳田橋付近から繋温泉まで整備されており、その南側の区間につきましては、河川改修や堤防の整備状況を踏まえながら、今後、必要な検討をしていきたいと考えています。

3 矢巾町における市街化区域拡大に対する評価について

今後進められる市街化区域の手続をどのように進める考えか、規模も含めて伺う。

【都市計画課総括課長答弁】
 市街化区域拡大に係る都市計画の手続のお尋ねでございました。
 盛岡広域都市計画の市街化区域及び市街化調整区域の見直しについては、概ね5年毎に見直しを実施しており、現在、第8回目となる定期見直しの手続に向けて準備を進めているところです。
 各市町からは、区域の面積や用途の事前相談はございますが、今は事前相談という段階でございますので、具体的な数字はお答えしかねますが、現時点では、国等の関係機関との必要な調整を進めてきたところでございます。
 今後、市町から具体的な市街化区域の拡大案について申出を受けた後、必要な都市計画の手続を実施する予定としています。