ホーム  >  県議会報告  > 令和2年度2月定例会常任委員会(農林水産委員会)(令和3年3月22日(月))

県議会報告

令和2年度2月定例会常任委員会(農林水産委員会)(令和3年3月22日(月))

2021.03.23

1 盛岡広域の都市計画に係る第8回の定期見直し

(1) 農振農用地転用の推移

農振・農用地の占用の状況についてお尋ねします。ここ数年の転用面積の推移、どのようになっているのか。また、直近10年間で、10ヘクタールとか20ヘクタールを超えるような大規模な転用があったのか伺います。

〇中村農業振興課総括課長
 本県におけます農地法に基づく農地転用許可の転用面積についてですが、平成29年度は130ヘクタール、平成30年度は145ヘクタール。そして令和元年度は、180ヘクタールとなっております。
また、農地の転用面積が4ヘクタールを超える農林水産大臣に協議が必要な面積ですが、県南部での工業団地の造成や、県央部での産業廃棄物処置地等の実績があります。

(2) 東北農政局との協議状況

大分増えてきてるんですね。盛岡広域の都市計画に係る第8回の定期見直しが今行われていると思います。都市計画と農林漁業の調整措置に基づく状況、どのようになっているのか。大分時間がかかっていると思うのですが、どの程度かかっているのか伺います。

〇中村農業振興課総括課長
 今回の定期見直し、事前のいろんな協議等は、平成30年の11月から事業説明を開始して以来、これまで国との協議を重ねて参りました。今回いろんな協議を進めた中で、3月5日、事前協議が了となったものです。

東北農政局との協議が、3月5日に了となったということですね。次はどのような手続きに移るんでしょうか。

〇中村農業振興課総括課長
 現在国土利用計画法あるいは、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律に基づく法手続きを、関係機関と連携しながら進めている状況です。

いずれ、平成31年から4年近く協議にかかっています。なぜこんなにかかったのでしょうか。

〇中村農業振興総括課長
 協議の中身ですが、市街化区域の拡大の必要性であるとか、あるいは、規模の妥当性、将来人口減少が見込まれる中で、エリアを拡大していくことの理解を得ることに時間を要したものと承知しております。また、国営かんがい排水事業の地元からの除外は適当であるか。或いは認定農業者の経営改善計画の達成に支障はないか、あるいは国土事業の成果目標の達成に支障が生じないか、そういったことの確認に時間を要したものです。

いずれ、今後概ね10年後の人口及び産業の見通しに基づいて、住宅用地、公共施設用地の必要な面積を算出しながら進めていくと理解していますが、今回必要面積をどの程度、算定する予定なのでしょうか。

〇中村農業振興課総括課長
 面積そのものにつきましては、農用地の関係ですと、約20ヘクタールになる見込みです。

農用地含めた全体の面積はどの程度なのでしょうか。都市計画や東北農政局との協議の中で、その人口フレームに基づいて協議をしてきたわけですが、全体の面積はどの程度なのでしょうか。

〇中村農業振興課総括課長
 現在協議を進めている段階ですので、農林水産部の立場からは、説明できないものと思います。

なぜ説明できないでしょうか。都道府県全体の将来人口ビジョンも含めて整合性を図りながら、それぞれやっていることですが、なぜこたえられないのですか。

〇中村農業振興課総括課長
 あくまでも、まだ準備段階で、今後どのような形になっていくのかが見通せない、まだ調整中であると聞いております。

 今後矢巾町を中心に住宅用地等々をふやしていくと理解していますが、私は今回の高校再編のいろんな議論の中でも、人口減少という前提のもとで議論が進んでいるのはしょうがないかもしれませんが、個々の地域地域のブロックや環境の変化、町の状況の変化に応じた対応が必要だと思っています。そういったところも踏まえて、今回東北農政局は、農地の縮小やむなしということで、農政局長協議も進んだ。これは、そこの地域だけの話ではなくて、県全体の今後の町の将来の人口ビジョンのフレームとの調整を慎重に協議しながら進めてきているわけであります。ぜひこれらについても、農林水産部としては、農地を守る立場ですから、苦渋の決断の部分はあるのは重々承知していますが、岩手県への未来に向けた、定着や交流人口の拡大を含めて、議論していると思っておりますので、今後とも都市計画サイドの国土利用計画審議会も、環境生活部で所管している審議会にもかかることになると思います。県土整備部の都市計画の法手続きが、私の理解では約9カ月程度はかかると思っています。
 ぜひしっかり都市計画サイドの作業とあわせて、農振農用地の除外手続きについても、ご指導をよろしくお願いしたいと思います。

2 農村地域における汚水処理施設

(1)農村地域における汚水処理施設の普及状況

農村地域における汚水処理施設の普及、そして水管理システムについてお伺いしたいと思います。まず初めに、農村地域における汚水処理施設普及率の現状と評価は、いかがでしょうか。

〇茂田企画調査課長
 農村地域の汚水処理施設であります農業集落排水施設の整備については、汚水処理施設整備の県構想であります、岩手汚水処理ビジョン2017に掲載された計画123地区のうち、令和2年度末で121地区が整備完了しているところです。
 残りの2地区については、整備内容について検討していると聞いており、また整備が完了した121地区については、適切な維持管理を行うため、機能診断、機能強化を行うと聞いております。

特に農業集落排水事業の汚水処理人口普及率。水洗化人口割合の差を、農林水産部として評価しているのか。県全体では、汚水処理人口普及率のギャップが、6.6ポイントとなっていますが、どのように評価しているのか伺います。

〇茂田企画調査課長
 農業集落排水施設に接続可能な人口割合を示す、汚水処理人口普及率に対しまして、実際に農業集落排水施設に接続している人口割合を示す水洗化人口割合に、差が生じているということについては、経済的な理由等により、水洗化できていない方がいるものと承知しております。

そこはその通りだと思のですが、今後どう進めるつもりですか。

〇茂田企画調査課長
 県では水洗化の促進に向けて、市町村や関係機関と連携しながら、水洗化促進対策に取り組んでいるところです。市町村では、農業集落排水への接続費用に対して、利子補給、あるいは補助の助成、イベント等での啓発活動を行っております。県では、公益財団法人岩手県下水道公社と連携して、出前講座による普及活動を行っているところです。

(2)産地直売所の水洗トイレ

 集排だけでなく、浄化槽も含めて、全体の農村地域における環境整備に取り組んでいかなくてはいけないと思いますし、ぜひ接続についても、促進してほしいと思います。
 県の農林水産部では農林水産物の直売施設の実態調査を行っているとおもいますが、私も、県内歩いていていつも思うのですが、産直でも水洗化されているところもあれば、小さな産直では、まだ行き届いていないところもあります。産直の水洗トイレの整備状況について伺います。

〇高橋技術参事兼流通課総括課長
 産地直売所における水洗トイレの整備状況ですが、県では、データを持ち合わせてはおりませんが、例えば道の駅におきましては、併設している大規模直売所につきまして、水洗の様式や身障者用の多機能トイレが整備されていると承知しております。
 一方で、小さな直売所につきましては、整備が遅れていると認識しております。全部確認はできておりませんが、そのような状況です。

 大きなところは、水洗化が進んでいますが、さらに洋式化を進めていくことが必要であろうと思いますし、小規模な直売所も、やはり岩手県の今後、東北DCも含めて、観光客、交流人口を進めていく上で、立ち寄る穴場であったり、そういった拠点になるわけです。単なるその農産物を販売するということだけではなく、その地域のコミュニティの拠点でもあったり、生活のインフラ的な要素、交流の場であったり、食事をとったりと、私は岩手の中山間地域において、この産直は、物売りだけではないと思っています。
 そういった中で、やはりそういった水洗化の取り組を、私が進めていかなければいけないと思うし、アフターコロナを見据えて、ぜひそういった産直の環境整備、多面的な機能を持っていますので、県として、事業メニューが農林水産部で所管してる事業で対応できないのであれば、例えば商工労働観光部の観光サイドで持ってるメニューがあるわけですから、ぜひ、アンテナを立てて取り組んでほしいと思います。
 今後の岩手県の産直直売所をまず水洗化に向けての後押しを考えてほしいと思います。当然地元の人たちの自己負担はあるにしても、推進していく心構えが必要だと思います。いかがですか。

〇高橋技術参事兼流通課総括課長
 ただいまの委員からもお話がありましたように産地直売所を、単なる物流流通の拠点ではなくて、インバウンドを含めて人が集う交流の拠点であるということで認識をしております。したがいまして、これもそれぞれ皆様が快適に利用できる環境の整備ということ、そして集客力や販売力にも繋がっていくものだと、認識しております。
 アフターコロナの中でも、それぞれの産地直売所の売上に苦戦しているところもあり、それぞれの状況に応じて、機能的で魅力的な売り場作りを支援しております。専門家を派遣して直売場の経営課題を解決をする、この中において、一つこれはチャンスでもあろうかと思いますので、そういった支援をしております。
 産直施設からも施設整備のご要望もあるので、それぞれに応じて、トイレも含めて、施設環境の整備について、関係部局と連携しながらしっかり取り組んで参りたいと思います。

3 農業水利施設の用水監視制御システム

 岩手県内の産直の年間販売額135億円です。そして1施設当たりの売り上げについても、ここ数年減少傾向になっていますが、これは、1施設6,100万円を超えるような、少しやはり下がっています。やはり環境整備をして、生活圏域内で、県内の皆さんが産直を回って楽しむというような環境をぜひ整えていただきたいと思います。
 そして次に、農業農村整備事業の水管理システムについてお伺いしますが、だいぶ昭和30年以降に整備した農業水利施設が耐用年数を迎えてきていると思います。今後の維持管理が課題ではないかと思っています。この向こう10年、更新補修に着手する必要性についてどう県は認識し、まず施設の実態把握を捉えているのか、お伺いします。

〇茂田企画調査課長
 農業水利施設の用水を遠隔で監視制御を行うシステムであります、いわゆる水管理システムは、県内では盛岡、花巻、北上、奥州地域の基幹的施設を中心に導入されているところです。水管理システムは、一度故障が発生していますと、営農に多大な費用が生じるということになりますので、そういうことが起こらないよう計画的に更新していくことが重要と認識しております。そのため順次耐用年数を迎える施設について、国や土地改良区等が、更新時期や更新内容の情報共有しながら、計画的なシステム更新に努めているところです。

今後10年の更新見通は、どのように考えていますか。

〇茂田企画調査課長
 県の水管理システムについては、現在、国や県で盛岡地域と奥州地域の2地区で更新を進めているところです。今後、施設の耐用年数を迎える、紫波地域など3地区において、更新を検討していくこととなると、考えています。なおダム管理システムを含めますと、奥州、九戸地域で今後更新していく必要があると考えております。

 今後の管理についても、スマート管理というか、例えばICT技術を使った遠隔監視操作が可能となるような、あるいは給水の自動化が求められると思っています。新たな農業の水利システムの構築が求められると思っております。
 こういった中で、私は、やはり地元の建設企業の育成も大事ではないかと思っております。
 一般質問で、私がふれましたが、復興事業がこの十年間、約6兆円ほどの投資効果があって、今後なくなります。今後県内の建設事業者が、そういった仕事の受注機会という部分については、地元でできる仕事は、地元の業者がやってくんだと。発注側も企業を育成していくのだと。例えば水管理システムだとか、そういったメンテナンスも含めた部分は、大手企業やメーカーに任せるのではなくて、地域の建設業を育てていく必要があろうかと思います。
 私が建設業対策の中間戦略プランを担当した時に、まさに増田寛也知事の時に、公共事業の未来はない。だからもう、今後新分野だとか経営革新に向けて動かせというご指摘もあって、そういった意味で変革させました。その後震災があって大きく変わりましたが、いずれ今後やはり事業者の育成について、県としてどのように考えているのか伺います。

〇茂田企画調査課長
 水管理システムの更新工事につきましては、通信設備工事の施工実績を有することが求められますが、この施工実績については、県発注以外の工事を含めて対象としておりまして、地元企業の参入も可能と考えています。県内企業の育成、地域経済の活性化などの観点から、地元企業の参入は重要と認識しておりますが、入札制度については、競争性と品質確保の両面も考慮すべきと認識しております。委員の意見については、入札制度担当部署と情報共有を図っていきたいと思います。

 入札担当は総務部から出納局に移ったんでしょうか。それぞれのチェック機能をもちながら、その評価しながら、やはり地元企業の育成を行う必要性が大いにあると思いますので、関係部局との調整を含めて取り組んでいただければと思います。