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県議会報告
平成29年度2月定例会 予算特別委員会(農林水産部・林業水産)(平成30年3月14日(火))
2018.03.19
1 治山対策について
(1)治山対策の実施状況について
治山対策の実施状況、新年度の予定について伺う。
治山対策の実施状況と新年度の計画についてでありますが、平成29年度の治山対策は、豪雨等で荒廃した渓流への治山ダムの設置、地下水等を原因とする崩壊地の地すべり防止対策、東日本大震災津波で被災した防潮林の再生など、39地区で実施しております。
平成30年度は、これまで実施してきた治山対策に加え、新たに、渓流沿いの危険木の除去、流木の捕捉を目的とした治山ダムの設置など、流木対策も実施することとしており、45地区で治山対策を実施する計画としております。
(2)整備効果について
治山対策の整備効果をどう捉えているか伺う。
整備効果についてでありますが、山地に起因する災害から県民の生命や財産、学校、病院、道路、鉄道などの公共施設、農業用施設などを守るとともに、水源の涵養、土砂の流出や崩壊の防止、生活環境の保全など、森林の公益的機能の増進が図られることから、治山対策を進め、山地災害防止機能の確保、強化に取り組んでまいります。
2 松くい虫・ナラ枯れ対策について
(1)これまでの取組の評価について
これまでの取組をどう評価・認識しているか伺う。
これまでの取組の評価でありますが、松くい虫については、昭和54年に一関市で初めて被害が確認されたが、被害木の徹底駆除や伐採施業指針の徹底により、現在でも内陸部は盛岡市、沿岸部では大船渡市が被害地域の北限となっており、多くのアカマツ資源を有する県北・沿岸地域への被害の北上阻止に効果をあげてきたものと考えている。
ナラ枯れについては、平成22年に奥州市で初めて被害が確認されたが、県では、被害が判別しやすい9月をナラ枯れの被害調査強化月間と定め、ヘリコプターによる空中探査や地上調査を実施し、被害の早期発見に努めるとともに、新たに被害が発生した市町を重点的に被害木駆除を行っているところであり、沿岸南部や県南県境地域から県内陸部への被害拡大抑止に効果をあげてきたものと考えている。
(2)松くい虫対策の今後の取組について
委員ご指摘のとおり、なかなか抜本的な対策というのは非常に難しいところでございますが、今後の取組については、平成29年度に一戸町で新たに単発的な被害が確認されるなど、被害の北上が懸念されることから、被害先端地域における監視体制の強化と駆除の徹底を図るとともに、被害のまん延地域においては、毛越寺など重要な松林の保全を図りながら、それ以外の松林については積極的に利用を進め、マツ以外の樹種へ転換を図るなどの対策に取り組んでいく。
3 原発事故に伴う原木しいたけの振興策について
(1)新年度の取組について
岩手の森林王国の重要な産業である原木しいたけが、衰退しないように、新年度、どう取り組む考えか伺う。
原木しいたけの振興策に係る新年度の取組についてでありますが、新年度は、引き続き、国庫補助事業を活用し、人工ほだ場の整備や簡易ハウスの設置、原木等の生産資材の導入を支援するとともに、新規参入者が所属する生産組合等に対しては、市町村と連携しながら、種菌購入に対する支援を行っていく計画である。
また、新たに、各地域の中核となる生産者の皆様に参画をいただき、産地再生を図るための検討会を設置し、行政と生産者が一体となって対応策を検討することにより、新規参入者の確保・育成や、意欲ある生産者の規模拡大を図っていきたいと考えている
(2)「原木しいたけ経営緊急支援資金貸付金」について
これまでの融資実績と今後の見通しについて伺う。
貸付金を創設した平成24年度及び平成25年度は、出荷制限による逸失利益や風評被害による生産物価格の下落に対応するため、年間約1億9,000万円の融資実績となっていたが、平成26年度以降は、生産物価格の回復等により融資実績は減少し、近年は、主に原木購入価格の掛かり増しに対応した融資を実施しており、平成29年度の融資実績は約1,300万円となっている。
今後の見込みについては、引き続き、原木購入価格の掛かり増しに対応した融資が中心になると考えているが、風評被害による生産物価格の下落など、突発的な事態の発生にも対応できるよう、平成30年度予算案には1億8,000万円余を計上したところであり、今後とも生産者の資金繰りをしっかりと支援していく。