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県議会報告
平成31年度2月定例会 常任委員会(県土整備委員会)(平成31年2月27日(水)
2020.03.20
1 復興事業の県内経済への影響
(1)復興事業の経済波及効果の検証
○臼澤勉委員
私からも何点か御質問させていただきます。
最初に、今定例会でも東日本大震災津波からの復興事業の絡みで多くの変更請負契約が出てきております。一方で、今回の2月議会で新しい県民計画の議論がされております。復興計画も今年度で終わって、次の計画に移っていくということで、ある意味で総括が必要かと思います。
建設業は、いわて建設業振興 中期プランの中でも総合産業だという言い回しがあったと思います。裾野が広い、県内経済への影響が非常に大きい産業です。震災から8年近くたちますが、この復興計画期間で、またはこれからの 復興期間終了するまでの間でもいいのですが 、県の発注する工事あるいは国の工事も含めてなのですけれども、どのくらいの 公共事業があり、雇用を生み出し、 例えば県民所得の上昇にどの程度寄与したかなどの県内経済への影響があったのかということ。あるいはもっとわかりやすいのだと、先ほどの 伊藤勢至委員の話のように、道路が開通したことによって、花巻空港から沿岸へ 横軸や縦軸で行くためのさまざまな効果が大きくもたらされたことなど、どの課が所管するのかわかりませんけれども、県土整備部として、仕事が県内雇用あるいは県内経済に大きく寄与しているのだと、貢献しているのだというところを一度整理しておく必要があるのではないかと思います 。
中期 振興プランの改訂もありますし、そういった意味では、私はいま一度、このタイミングなのか、あるいは国の 復興・創生 期間が終わるタイミングなのかわかりませんけれども、ぜひ検証というか、整理をやっておく必要があろうと思いますが、御所見をお願いいたします。
○八重樫県土整備部長
ただいま臼澤委員から大変重要な御指摘をいただいたと思います。
例えばフェリー ターミナルが開港しただか、ガントリークレーンが稼働を始めたとか、今度の3月9日には花巻 釜石間の高速道路が全部つながるだとか、確かにいろいろな場面、場面での部分的な成果を、対外的に御案内申し上げているところです。
そういうことを踏まえますと、まだまだ残っている事業は当然ございますが、この東日本大震災津波以降の8年間、県内の社会資本の状況というのがドラスチックに変化しているというのは我々も承知しているところであります。
何を言いたいかというと、おっしゃるとおりのことかと思います。それはそのとおりでございます。そして、どれだけ岩手県の体力が変わったのか、前と全然違うのだというところで、これから整理をして、残っている事業もありますので、そのタイミングはこれからいろいろ推しはかってまいりますが、ぜひそういったことには 取り組ませていただきたいと思っております。
○臼澤勉委員
速報ベースでもいいかと思うのですけれども、いずれ何を言いたいかというと、今回の県民計画の議論においても、いきなり経済循環を回していくのだとか 、人口減少への取り組みや、持続可能な社会をつくっていこうよという大きな議論がある中で、我々は今回大きく傷ついた、被災した県ではありますけれども、ただ一方で環境が大きく変わってきました 。
もっと言えば、公共事業によって新たな雇用が生まれて、沿岸市町村の県民所得も上がっているという事実について、シンクタンクなのか、土木技術研究所なのかわからないですけれども、専門のところがあるはずなので、県土整備部としてこのくらい寄与したというの を、多分機械的で、ある程度乱暴な数字かわからないのですが、精緻は置いておいても、少し研究してみる必要があるかと思います。
国の直轄事業も含めるのかどうかはお任せし ますけれども、国からも技監がいらしておりますし、国でもやっているはずなので、ぜひ国のお知恵なりを拝借して、ぜひその辺を研究してほしいと思います。
2 胆沢川のソーラーパネル問題
(1)問題発生の経緯
○臼澤勉委員
次に、冒頭で胆沢川のソーラーパネルの話で部長から陳謝がありました。私は、これを見て非常に驚きました。正直驚きました。一言で言えば、あり得ない。今までも、河川の占用許可だとかさまざまな許可を県土整備部は非常にきっちりやってきました。
特に河川の占用許可に関しては、例えば河川区域内に公園や野球場があったりした中でも、ベンチを設置するとか 何か物を設置するにしても、非常に厳しく管理されてきております。それなのに、今回あの河川の中心ラインのすぐそばにソーラーパネルを設置する工事が進んでいったと。経緯や詳細はこれからで、現在、県土整備部として調査をしているので、答弁しにくい部分はあるかと思いますけれども、管理事務の占用許可の担当1人が 、 業者からこれは河川区域ですかと聞かれて、通常であれば多分図面を見て答えるのが 普通だと思うのですけれども、いえ、これは河川区域では ありませんと言っただけで、それがどういうふうに行われたのか、その辺を後でじっくり聞きたいと思います。
仮に口頭だけで、ここは河川区域ですか。いえ、河川区域ではありません。はい、わかりました 。ありがとうございますと言って 工事が進んでいったのが今回の事案だとしたら、非常にびっくりする話です。 (小野共委員「 そこの事実確認必要ですよ 」と呼ぶ)そこの基本的なところを教えていただければと思います。
○杣技術参事兼河川課総括課長
胆沢川の件では大変申しわけございません。スタッフの誤認といいますか、平成 28 年4月の時点ではメガソーラー事業者とは全くわからない中で、事業者から、事業者といっても委託されております土地家屋調査士が、県南広域振興局土木部に来所されて、境界を含めて、この区域は民地かどうかという、照会というか確認があった。
ここもまだ、詳細にこれまでの経緯とか整理している途中でございますが、その時点で、ここの部分は民地であると、河川区域ではないという誤った情報提供をしてしまったのが今回の発端だと承知しております。
○臼澤勉委員
土地家屋調査士が事務所に来て確認をしたのに対して、これは私有地で 、河川区域からは外れていると回答したものでございます。その事実はそれならそれでいいと思います。
ただ、私は本当に不思議に思うのです。県は、ここは河川区域ではないですよと回答したこと、いいですよ。私は、図面的に見れば入っているのではないかと思いますが、それはそれでいいです。もう一方で、私が不思議に思うのは、発注者の方、そしてその工事を請け負っている元請の業者、企業、また、土木工事を多分県内業者がやっているのだと思うのですけれども、その方たちは、あれっ、ここは県の人が河川区域でないと言うけれども、ええっ、どう見てもこれ河川区域でしょうと普通は思うと思うのです。
メガソーラーの建設 計画があって、工事は今着手されているのかもしれないですけれども、計画段階で、ええっ、うそでしょうと業者は思うのが普通ではないかと思うのです。
そうすると、業者はどういう動きをするかというと、やっぱり河川課に、河川区域でないと言うけれども、どうなのですか、本当ですかと聞くと思うのです。
日ごろ仕事のパートナー、ビジネスパートナーですよね 。建設業振興プランでもしっかりうたっていますよ、発注者と業者はパートナーですと。確かに公共事業ではないけれども、民間工事だけれども、いや、これ河川区域だよね、ちょっとやばいかもしれないと業者も思うと思うのです。その辺の問い合わせとかなかったのですか。
○杣技術
参事兼河川課総括課長 河川課には業者からの問い合わせはございません。
(2)問題発生の要因
○臼澤勉委員
それがまた不思議な感じで 、非常に気持ち悪い感じがするのです。
それで、もう一つ言うと、こういう事案、河川とかで現場で土をかきまぜたりするときには、さまざまな規制がかかっています。
具体的に言うと、国土利用計画法に基づく届け出事項というのがあるのです。一定面積以上の土地取引とか利用権を設定しようというときには、環境生活部環境保全課が所管しているのですけれども、届け出が、県に市町村を通じて出てくるのです。おわかりだと思いますけれども。市街化区域であるとか一定面積以上であれば出てくるのです。
今回 、私は現場に行っていないけれども、ゴルフ場があるみたいで、その横には森林区域もあったりするので、山は山の担当に照会が行けば、森林の開発許可の関係とかで審査したりするのです。あるいは都市計画にも、ここはこういう開発の取引が出てきたけれども、どうなのでしょうかねとか問い合わせがあり、どうこうと条件をつけて回答すると思います。
つまり何を言いたいかといいますと、この土地に関する権利の取得者、届け出る方は、地上権か何かを設定してパネルを設定しようと、多分来ているのだと思うのですけれども、そのようなことがあって、図面を見たときに、ここは河川区域にもろに入っているのではない ですかみたいな話をどうしてどこかが言わなかったのか、その辺の情報共有とかがないのが残念だったと思います。
しかも、その届け出は平成30 年3月前後、今から1年ぐらい前に出ているのです。
昨日のテレビのニュースでは、すでに現場が動いている映像が流れていましたが、多分去年の今ごろはまだ動いていないと思います。着手されていないと思うのです。
届け出は着手の2週間前とか、たしかあるはずなので、そこで誰かが気づいて、あるいは市町村を経由して出てくるのであれば、市町村が何かおかしいのが出てきたなと思うのではないかと思いますが、何かコメントがありましたらお願いします。
○杣技術参事兼河川課総括課長
今 臼澤委員から御指摘をいただきましたけれども、そのあたりも河川区域ではないという認識でもって、チェックが十分ではなかったというのが今回の要因であったと考えております。
(3)今後の対応
○臼澤勉委員
県土整備部は、県土整備委員会、議会とあわせて、過去のいろんな案件に対処し、取り組んできました。
過去には、その県土整備の仕事でもいろんなつまずきもありました 。そのノウハウというか、そういうことを学習しながら取り組んできた。先輩たちも含め、多くの人の知恵と汗、涙も含めて、いろんなことをやってきたと私は認識しております。
そして、 先ほど言ったとおり、皆さんは、県内経済も含めて社会基盤をつくるシビルエンジニアとしての大きな誇りを持って仕事に取り組んでいる。そこに一つ 、今回の考えられないことが起きた。ミスは、起きることは起きるのでしょうけれども、起きたら起きた後の、エラーしたらエラーした後の、フォローとか、ラグビーでいうならば、ノックオンしたときに、そこのバックアップだとかサポートで入っていく、そのような目配りや気配り、心配りが働いていなかったかなと、そんな感じがいたします。
今回のこれに関してはしっかりと、なぜ起きたのか、どういう経緯で起きたのか、そういったところを検証しないと、また大きなミスが、エラーが発生しかねない、実は大きな事故だと私は思います。
これを一つの教訓として、さまざまなことを見直してください。チェックすることをぜひお願いしたいと思います。コメントがございましたらお願いします。
○八重樫県土整備部長
この胆沢川沿いの河川区域の誤認については、今臼澤委員がおっしゃられたように、非常に遺憾な案件でございます。
確かに県土整備部のいろいろな公共用物の管理は、これまで 適正に行われていると、我々もそういった認識でおった中で、誤認、逸脱という案件が出てまいりまして、これまでの取り組みにもいろいろな不備、不足があったからだと自戒しております。
委員がおっしゃるとおり、こういったことが今後発生しないように、本当にこの要因、経緯等をしっかりと確認して、たがをはめ直して、公共用物の管理にしっかりと当たってしっかりと当たっていくよう努めてまいりたいと思います。