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県議会報告

令和元年度2月定例会 予算特別委員会(総務部)(令和2年3月5日(木))

2020.03.20

1 災害への対応について

(1) 技術職員の欠員状況について

小規模市町村を中心に技術職員の不足が深刻化。県の現在の技術職の欠員状況は如何に。

【人事課総括課長答弁】
 欠員状況についてでございますが、
 令和2年2月1日現在の知事部局の欠員は64人で、このうち技術職の欠員が39人となっております。中でも総合土木職の欠員が22人と最も多い状況でございます。
 総合土木職については、震災復興に伴う業務量の増大や民間企業等との競合により、採用予定数を確保しづらい状況となってございます。
 このため、総合土木職については民間等経験者のための採用枠を設けているほか、特別募集等も実施しているところであり、引き続き必要な人員の確保に向けて取り組んで参ります。

(2) 市町村への派遣状況について

市町村からの要望に対し、県はどの程度技術職員を派遣できているか。

【人事課総括課長答弁】
 県職員の市町村への派遣、これは任期付職員が中心ということになりますが、
 県では、被災市町村からの要望を踏まえて任期付職員の採用を行ってきておりまして、平成31年度当初ですと、土木職、要請数12人ございまして、7人の派遣という状況になっております。今お話しした平成31年度からのこの7人に、前年度からの継続派遣を含めますと、合計33人土木職の派遣をしている状況でございます。

(3) 今後の採用計画について

今後の短期中期の採用計画は如何に。

【人事課総括課長答弁】
 今後の採用計画というところでございますが、
 毎年度、退職者の見込みや行政需要の変化等を踏まえまして、採用予定数を定めて、計画的な採用に努めているところでございますが、「いわて県民計画(2019~2028)」におきまして、計画の施策を着実に推進していくという観点で、知事部局におきましては、昨年度、定数等管理計画を策定致しました。この計画の中で、今年度から4年間で80人から100人程度増員を図ることとしております。なお、この人数につきましては、事務、技術の別というのはございません。

(4) 国の新たな財政支援措置への対応方針について

県が技術職員の増員を図り市町村を支援する経費に対して地方財政措置が講じられることになったが、今後の対応方針は如何に。

【人事課総括課長答弁】
 全国的に災害が多発する中で、復旧・復興業務に従事する技術職員の確保は重要な課題と認識しております。県では、これまで、国に対しまして大規模災害に備えまして必要な職員を確実に確保する仕組みの構築について要望してきたところでございます。
 今回、今委員からお話のありました国の新たな支援制度は、こうした本県の要望に応えたものという受けとめをしており、また、技術職員の確保が難しい小規模市町村の支援にも資する内容となっておりますので、評価できるものと考えてございます。
 これを本県で活用するかどうかという点でございますが、現時点では、制度の詳細がまだ不明な点もございます。また、本県においては、大震災津波や台風災害からの復興に向けて、全国の都道府県等から応援職員を受け入れている状況にございますので、今後、他県の状況等も注視しながら、活用について研究していきたいと思います。

2 岩手県公共施設等総合管理計画について

 (1) 個別施設計画の策定状況について

個別施設計画の策定状況は如何に。

【参事兼管財課総括課長答弁】
 個別施設計画の策定状況についてでありますが、
 岩手県公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画の策定については、庁舎や道路等の22施設類型のうち、今年度末において15類型(68.2%)の策定が見込まれるところ。

(2) 個別施設計画を踏まえた今後の施設管理について

個別施設計画の内容を反映し、今後の施設管理をどうコントロールしていくか。

【参事兼管財課総括課長答弁】
 個別施設計画を踏まえた今後の施設管理についてでありますが、
 平成28年3月に岩手県公共施設等総合管理計画を策定した時点では、現在保有している公共施設等を全て維持すると仮定すると、今後30年間で、公共施設の維持・更新等に係る経費見込みを年平均で236億円と試算しており、これは、過去5年間の平均投資額の2.6倍に相当するなどの課題を抱えている。
 このため、令和2年度までに各部局で策定することとしている個別施設計画については、岩手県公共施設等総合管理計画に掲げる計画推進の「3つの柱」である
・「コスト縮減・財政負担の平準化」、
・「施設規模・配置・機能等の適正化」、
・「安全・安心の確保」
の実現化に向けた全庁的な調整などを進めていく。

(3) 全庁的な取組の推進について

適正管理を進めるにあたり、施設整備の優先度の検討等、どのような考えで全庁的な取組を推進するのか。

【参事兼管財課総括課長答弁】
 全庁的な取組の推進についてでありますが、
 現在、施設所管部局を構成員とする「岩手県公共施設等総合管理計画推進会議」を設置しており、この会議を通じて対象施設の優先度の調整などを図りながら、施設の更新・統廃合や長寿命化などについて検討していく。

3 消防防災拠点の充実強化について

 (1) 消防学校の整備について

 平成29年度に実施した消防学校劣化度診断調査によると「校舎5棟は5年以内に改修等を要する」とされており、早急に対応する必要がある。整備手法に加え、具体的な検討はどうなっているのか。整備費用の財源確保を含め、検討状況はいかに。

【防災消防課長答弁】
 岩手県消防学校の整備の検討状況についてでありますが、
 今年度は、平成30年度に研究会で取りまとめた「消防学校に必要な機能等に関する研究会報告書」を基に、求められる機能等を実現するための整備手法等を事務的に比較検討し、現在の敷地面積で建て替えや長寿命化改修工事での対応は可能という整理を行ったところである。
 令和2年度は、建設地や周辺施設への影響等も含めた総合的な比較検討を進めるため、消防関係者のほか、矢巾町、岩手医大、防災及び建築関係有識者等を構成員とした「(仮称)岩手県消防学校整備基本構想策定委員会」を設置し、事業費、整備スケジュール等の詳細な検討を行う予定としている。
 また、整備費用の財源の確保については、消防学校整備に係る国の補助制度がないことから、PFI等の導入も含めた検討を進めたいと考えている。

(2) 消防防災ヘリの安全運航に関する取組について

消防防災ヘリの運航安全管理者の配置や2人操縦士体制の導入等に伴う経費が、新たな地財措置の対象となったが、今後の対応は如何に。

【防災消防課長答弁】
 消防防災ヘリコプターの安全運航についてでありますが、
 消防防災ヘリコプターの事故等を踏まえ、総務省消防庁では「消防防災ヘリコプターの運航に関する基準」を制定し、令和元年10月1日から施行となったところ。
 基準の主な内容としまして、2人操縦士体制の導入、これは経過措置で令和4年度から施行とされている。そのほか、運航安全管理者の配置、操縦士の養成訓練・研修の実施などが掲げられている。
 全国的にヘリパイロットが不足していると言われ、さらに防災ヘリの操縦が可能なパイロットが少ないことも課題となっているが、2人操縦士体制の導入及び運航安全管理者の配置につきましては、より安全な運航体制の強化に直結するものと考えており、早期の実現が必要と考えている。
 このため、令和2年度から運航安全管理者を配置するとともに2人操縦士体制を試行的に実施する予定で調整を進めているところ。

(3) 防災情報を確実に伝える対策について

 防災情報を地域住民に確実に伝える対策が重要。大雨や台風など屋外スピーカーからの音声が十分に聞こえにくい状況においては、屋内に設置する戸別受信機が住民への情報伝達に有効である。インターネット放送等の取組みも県立大学と連携しながら産学官の動きもある。防災情報を地域住民に確実に伝える対策が重要と考えるが、来年度の対応方針は如何に。

【防災消防課長答弁】
 防災行政無線の戸別受信機については、平成31年3月末現在、県内では28市町村で導入しており、このうち平泉町と住田町では全戸に配備されているところ。
 戸別受信機は、台風や豪雨などにより屋外スピーカーからの音声が聞取りにくい状況において、住民への情報伝達に極めて重要な手段であると考えられ、国では、令和元年度補正予算で市町村へ戸別受信機の無償貸付を行う事業を実施することとしており、県内では複数市町村が要望しているところ。
 今後においては、戸別受信機の整備を市町村に促すとともに、県内においてインターネット放送を活用した防災情報の発信について研究している事例もあることから、県内の先進事例と併せ、例年開催している市町村消防防災主管課長会議等を通じて、市町村に対し周知して参りたい。