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県議会報告
平成30年度9月定例会 決算特別委員会(教育委員会)(平成30年10月10日(水))
2018.10.14
1 児童生徒の自死予防に係る取組について
(1)児童生徒の自殺者の現状と傾向について
児童生徒(小中高)の自殺者数の現状と傾向等どのように認識しているか伺いたい。
児童生徒の自殺者数の現状と傾向でございますが、文部科学省が公表しております「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によりますと、平成25年度以降、全国での自殺者数というのは200名を超えている状況というふうに捉えております。本県においても毎年度、生徒の自死事案が複数回残念ながら発生しており、平成27年度は中学生で1名、高等学校ということで2名の合計3名、平成28年度につきましては中学校1名、高等学校の1名の計2名という状況であり、重く受け止めておる状況でございます。児童生徒の自殺の主な要因といたしましては、全国的な傾向でもございますが、不明という形がやはり最も多く、次いで家庭不和、進路の問題というふうなところで続いておるところでございます。
(2)児童生徒の自死予防対策の取組について
平成29年6月7日付け「児童生徒の自殺予防に係る取り組みについて」(文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)を受けて、児童生徒の自死予防対策に具体的にどう取り組んできたか。
自死予防の対策の取組でございますが、各学校に対しまして、アンケート調査や教育相談等により、悩みを抱える児童生徒の早期発見に向けた取組や、保護者に対する家庭における見守りの促進など、児童生徒の自殺予防に向けた取組の実施について指導をしてきたところであります。また、平成29年度からいじめ問題対策の重点の一つとして「自殺予防教育」に取り組んでおり、校長会議や研修会等において「教師が知っておきたい子供の自殺予防」がより一層活用されるよう周知を図ってきたところでございます。さらに、今年度から「心とからだの健康観察」を実施する際には、「心のサポート授業」ということで、子供たちがSOSの出し方に関するプログラムを取り入れ、つらい時や苦しい時に、相談相手につなげるための取組ということで行っております。
(3)教職員に対する取組について
学校・教職員に対する取組みは如何に。
教職員に対する取組でございますが、県教委といたしましては、教職員を対象とした研修として、本年度から6年をかけまして県内すべての学校が対象となる悉皆研修「いじめ問題への理解と対応研修講座」ということで、いじめにおいても自死事案ということもございますので、この講座におきまして、管理職や主任層約100名を対象と致しました自死等の重大事態に対応する研修を行っております。また、今年度の8月には「児童生徒の自殺予防に関する普及啓発協議会」を実施いたしまして、県内の教員や指導主事等約130名が参加をし、児童生徒に悩みを打ち明けられた時の対応や、自死事案が発生した場合の学校の組織的な対応等について研修を行っております。参加した方々については、校内であるとか域内の校長会議、連絡会議等で、研修内容を伝達することとしており、より多くの教員に普及するというようにしております。
(4)本県における「24時間子供SOSダイヤル」の利用実績と課題について
本県における「24時間子供SOSダイヤル」の利用状況は如何に。周知されているのか。
「24時間子供SOSダイヤル」の利用実績と課題についてでありますが、平成29年度における相談件数は284件でございました。本人又は保護者からの相談が95%を占めておりまして、内容については、いじめがやはり最も多く58%となっておりますが、その他には進路の問題、個人的な問題、または保護者の方から子育て等の問題等についても受け付けております。校種別に見ますと、小学生が122件、中学生が71件、高校生が58件であり、いずれの校種でも半数以上がやはりいじめの相談というのが現状でございます。相談件数につきましては、ここ数年増えてはきているものの、年間で200件台ということですので、潜在的にはまだまだ相当数想定されておりますので、課題であると捉えております。今後、子供たちに確実にSOSを発信できるような相談窓口として、毎年5月に県内国立公立私立すべての全児童生徒約13万人に対して「24時間子供SOSダイヤル」のカード、名刺サイズでございますが配布させていただいております。この裏面にはその他の相談窓口が記載されたカードでございますので、引き続き学校訪問や会議の場等において相談窓口が広く準備されているということについて周知してまいりたいと思います。
(5)児童生徒が抱える「ストレスへの対処」に向けた取組について
児童生徒が抱える「ストレスへの対処」にどう具体的に取り組むのか。
本県におきましては、毎年、夏季休業明け以降の9月にかけて、県内すべての小学校から高等学校、特別支援学校において「心とからだの健康観察」を実施し、その際には「こころのサポート授業」ということで、子供たちがストレスについて自己分析をしながら、対処方法を学ぶことで児童生徒のストレスに対するセルフケアの力を高める取組を毎年実施させていただいております。本年度は、「こころのサポート授業」に、自殺対策基本法や関連通知により求められている、先ほどから御指摘いただいております「SOSの出し方教育」として、「つらい時には、苦しい時には誰かに相談してもよいこと」を学んだり、「学校の先生や家族、先ほど紹介いたしました24時間子供SOSダイヤル等に相談してよいこと」などを学ぶ教育ということで、子供たちが苦しさを抱え込まずに、相談できるというようなことを積極的に行うよう指導をしておるところでございます。