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県議会報告

平成30年度9月定例会 決算特別委員会(商工労働観光部)(平成30年10月9日(火))

2018.10.14

1 商工業の小規模事業経営支援事業について

(1)小規模事業者の経営支援体制に対する県の考え方について

 県は、小規模事業者の経営支援体制をどのように考え取り組んでいるのか。他県と比較し特筆すべき取組は何か伺う。

 本県の小規模事業者の支援の特徴的なところということでございますが、本県独自の取組といたしましては、平成24年度からプロジェクトマネージャー養成研修、これは経営指導員を対象にした商工会と商工会議所が合同でやっている研修でありますが、こちらを開催しまして、経営革新に取り組む事業者の掘り起こしから計画実行まで一貫して支援できる人材の育成を図ってまいりました。また、平成27年度からは「ビジネス・イノベーションアワード」を開催しまして、優良取組事例に係る事業者あるいは経営指導員の事例発表、表彰を行ってきたところであります。こういった取組もありまして、先ほど関根委員の質問でも御紹介したとおり、経営革新計画の承認実績は東北上位にあるというふうに思ってございます。

(2)マスタープラン実施による改革の成果について

 マスタープラン実施による改革の成果(事業費削減等)をどう評価しているか。

 マスタープラン、これは平成15年3月に策定した、経営改善普及事業の広域的実施体制等に関する基本的方向について定めたものであります。県と商工会連合会、会議所連合会が協議しながら、今後の基本方向を取りまとめたものでございまして、このマスタープランに基づいて、改善普及事業の内容の見直しを進めてきたものでございます。その結果、一市町村一商工団体の原則というのを掲げまして合併にも取り組んできたところであり、マスタープランの策定前62団体あった商工会、商工会議所は、現在は商工会が25、会議所が9、合計で34団体となっております。また、補助対象職員については、マスタープラン策定前は、平成13年度の数字で言いますと384名が補助対象になっておりましたが、平成30年度は276名となってございます。また、県の事業費につきましては、平成30年度は御案内のありましたとおり13億4千万円ほどでありますが、平成16年度当初、これは合併が本格化する前であります、このときの事業費は概ね21億円程度でありましたから、事業費では約8億円ほど減少している状況にあります。

(3)持続可能な小規模企業経営支援体制の構築について

 一方で組織が抱える課題をどう捉え、県はどのように持続可能な小規模企業経営支援体制を構築する考えか伺う。

 持続可能な小規模企業経営支援体制の構築についてでありますが、商工会、商工会議所におきましては、今御案内ありましたとおり被災事業者の復旧・復興に向けた経営支援、あるいは伴走型支援、事業承継など経営戦略に踏み込んだ新たな支援など多様なニーズへの対応が求められてきているなか、限られた予算の範囲の中で、できるだけ効果的で効率的な経営支援体制としていくことが重要と認識しております。県では、このような体制整備を進めるうえで、小規模事業者の支援ニーズの高度化に対応した支援能力やコーディネート能力の向上がますます重要になってきていると考えております。経営指導員の能力向上に取り組むとともに、伴走型支援に必要な体制を確保しながら、地域経済の担い手であります小規模事業者の振興を図っていくことと考えております。

2 いわて観光キャンペーン推進協議会負担金等について

(1) いわて三陸復興・絆・観光キャンペーンの成果と課題について

 三陸復興・絆・観光キャンペーン事業の成果と課題認識、来年以降の取組みについて伺う。

 このキャンペーンは、来年3月に三陸鉄道リアス線が開通しますので、これを見据え、沿岸地域をはじめとした全県周遊と滞在型観光の促進を図るため、今年の5月19日から8月26日までを期間として展開したキャンペーンです。内容は、北海道キャラバンなどによる宮古・室蘭間フェリー開設のPR、三陸鉄道と連携したイベントの開催、東北絆まつり2018盛岡開催における全県の観光PR、県内を周遊するバスツアーの旅行商品造成などを実施したところです。このキャンペーンの実施により、特に、内陸から沿岸に向かうバスツアー等の74本の造成支援、三陸の「食」、「ジオパーク」、「みちのく潮風トレイル」などをテーマとした三陸鉄道企画列車の商品造成を行い、この企画列車は各列車とも概ね満員になるなど、特にも来年の三陸鉄道リアス線開通に向けて、沿岸地域の誘客につながる取組みが進んだと捉えているところです。
 今後の課題は、三陸観光の復興とさらなる振興につながる取組を一層進めていく必要があり、来年は、特に三陸地域において、様々な大型イベントが予定されていることから、沿岸をはじめ広く県内を周遊し、長く滞在する旅行商品を売り込んでいくため、このような旅行ニーズが高い、首都圏の国内観光客や、外国人観光客をターゲットとして、取り込んでいく観光キャンペーンを来年は展開していこうと計画しております。具体的には、首都圏や海外でのイベント、特に団体旅行から個人旅行に移行してきていることで、情報発信につきましては、SNSも活用した情報発信の強化をしていきたいと考えており、現在、JR東日本などの関係機関と連携し、来年の観光キャンペーンの準備段階に入っているところです。

(2)平成29年度の教育旅行の取組実績と成果について

 平成29年度の教育旅行の取組実績と成果、教育プログラムの開発、ガイド養成と受入態勢について、今後どのように強化して取り組んでいくか伺う。

 まず、教育旅行の取組実績と成果についてですが、県では、本県への入込の多い北海道、東京や大阪における修学旅行担当教諭や旅行会社を対象とした訪問活動や説明会の開催、教育旅行の事前学習等への震災語り部の派遣などの取組により教育旅行の誘致拡大を図ってきたところです。
この結果、平成29年の本県への教育旅行入込は、児童生徒数が21万7,565人回となり、児童生徒数は前年比で9.1%増加しております。なお、この数値は震災以降では最多となったところです。今後におきましても、本県への入込が最も多く、北海道新幹線開業や宮古室蘭フェリーの就航などによりアクセスが向上いたしました北海道や、市場規模が大きく、入込の増加が堅調な首都圏などの大都市圏を中心に、教育旅行誘致に取り組んでいきます。
 続いて、教育プログラムの開発、受入態勢についてですが、地域においてコンテンツづくりを行う地域DMOの整備や活動を支援するとともに、いわて観光キャンペーン推進協議会に設置している観光コーディネーターや、三陸DMOセンターに設置している観光プロデューサーによる、地域におけるプログラム開発への支援に取り組んでいくものです。ガイド養成については、引き続き、三陸ジオパークガイドや震災語り部ガイド、県内各地域でのボランティアガイドの育成や、ガイド団体のネットワーク化の強化に取り組んでいきます。受入態勢については、二次交通の問題もありますが、県内での宿泊を伴う教育旅行に対するバス料金の一部助成や、震災学習、沿岸における教育旅行の誘致に係る問い合わせに対する総合窓口の三陸鉄道への設置、コンテンツそのものの魅力の向上のために、例えば橋野鉄鉱山においてAR(拡張現実)を活用した学習アプリや震災学習においては画像を活用したアプリの開発などによる支援を行ってきたところです。今後も、関係機関と連携しながら、受入態勢の充実を図っていきます。