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県議会報告

平成29年度2月定例会 予算特別委員会(文化スポーツ部)(平成30年3月13日(月))

2018.03.19

1 文化芸術基本法に基づく施策推進について

(1)文化GDPの拡大に向けた取組について

今月、文化スポーツ部にとって大きな動きがあったと認識。一つは、文化財保護法案が取りまとめられた事。この意義は、文化財をまちづくりにいかしていくことで、地域における文化財の総合的な保存と活用の促進や、地方文化財保護行政の推進力の強化を図るものであります。
 もう一つは、3月6日、昨年6月に改正された文化芸術基本法に基づき、第1期の文化芸術推進基本計画が閣議決定された。文化芸術推進基本計画について、目標として文化GDPを15年、8.8兆円から約2倍の25年に18兆円にするという目標を掲げてた。文化GDPを対GDP比1.8%程度から現状、欧米並みの3%程度という目標を立てている。
 そこで伺う。文化GDP拡大に向け来年度予算にどう反映させ、どの程度経済波及効果を目指しているのか。

 文化GDP拡大に向けた取組についてでありますが、本県には、世界遺産や石川啄木や宮沢賢治に代表される文学、受け継がれてきた民俗芸能など多様な文化芸術が息づいており、これらは、交流人口を拡大するための貴重な資産であると考えている。
 来年度、外国人観光客の誘客を促進するため、ホームページ「いわての文化情報大事典」の多言語化や、今年度に引き続き、訪日外国人向けの伝統文化鑑賞・体験プログラムの開発等を行うこととしており、多様な文化芸術資源を活用して交流人口の拡大や観光産業の振興につなげ、経済波及効果に貢献できるように考えている。

文化スポーツ部のミッションは何か。なぜ、教育委員会から離れたか。ここが大事。文化芸術資源を一層活用して、観光地の魅力や産業の付加価値の創出につなげることによって、文化GDPの拡大に貢献する経済波及効果を生み出すこと、地域振興の視点が重要である。

(2)地方文化芸術推進基本計画の策定について

 県として、文化芸術振興の3つの意義を抑えて欲しい。文化芸術推進基本計画(第1期)に重要なことが書かれている。
一つは、文化芸術の本質的価値と、一つは社会的・経済的価値。文化芸術は,他者と共感し合う心を通じて意思疎通を密なものとし,共に生きる地域社会の基盤を形成するもの。そして,新たな需要や高い付加価値を生み出し,質の高い経済活動を実現するもの。さらには、世界平和の礎となるもの。
 そこで伺う。地方文化芸術推進基本計画の策定は如何に。

 地方文化芸術推進基本計画の策定についてでありますが、昨年、文化芸術基本法が改正され、また、現在「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」の制定に向けた準備が進んでいると認識しており、その動向を踏まえ、来年度「県文化芸術振興基本条例」を改正することとしている。
 条例改正を受け、文化芸術基本法に基づく本県の「地方文化芸術推進基本計画」を策定したいと考えている。

 一般質問で国や市町と連携しながら「徳丹城跡」をはじめとする史跡の活用方策を積極的に進めるお考えがあるか、日本遺産登録申請に絡んでの質問をさせていただいた。先日、盛岡合同庁舎での知事の県政懇談会に参加したが、知事から、世界や日本基準ではなく、岩手基準での遺産を登録しての保全と活用を目指した「岩手遺産」という話もあった。関係部局としてのご所見を伺う。

2 健康寿命と生きがい対策について

(1)新年度の事業展開について

 文化芸術活動による生涯現役社会の実現に向け、新年度どう具体的に事業展開を図るか。

 文化芸術活動による生涯現役社会の実現に向けた、新年度の事業展開についてでありますが、文化芸術は、人々に楽しさや感動、心の安らぎや生きる喜びをもたらすとともに、人や地域の結びつきを強めるなど大きな力を有しており、生涯現役社会の実現に欠かせないものと考えている。
 このため、高齢者の文化芸術活動の振興を図るため、「岩手県長寿社会健康と福祉のまつり」において、囲碁、将棋大会の開催や、日本画・洋画・彫刻・工芸・書・写真などの作品展の開催への支援を行っているところ。また、「岩手芸術祭」を開催することにより、美術展示、舞台発表、文芸集の刊行など、高齢者をはじめ広く県民の皆様に、日頃の文化芸術活動の成果発表と鑑賞の機会を幅広く提供している。
 このような取組により、生涯にわたって文化芸術に親しむ環境を整備し、高齢者の生きがいづくりにつなげたい。

 文化の範疇は、文化財といった狭義の捉えではなく、食文化を含めた生活文化も含むと理解。日本語教室も大事だが、「岩手弁・岩手語教室」も大事。言葉こそ、文化。志村けんさんの有名な言葉も岩手で生まれたと言われている。湯本温泉の三花館(廃業)に宿泊した際、旅館の親父さんとの夕食時に、みたことのないお膳が並ぶ。「親父さん、食べても大丈夫ですか?」と尋ねたら親父さんは「だいじょうぶだぁ~、食え食え」と返答したそうです。そのフレーズが新鮮に聞こえたらしかったことがはじまり。岩手の言葉は、音の響きが良い。「そうですよ、そのようですよ」というのを「んだ、ふんだ」というのもメモッタらしい。言葉は文化である。ぜひ、岩手の言葉を文化の視点から磨いて欲しい。