ホーム  >  令和3年度 政府要望(令和3年11月22日)

参上ニュース!

令和3年度 政府要望(令和3年11月22日)

2021.12.11

最 重 点 要 望

<新型コロナウイルス感染症対策>

1.地方への十分な財源措置について(内閣府・財務省)

(1)新型コロナ感染症対策が広範囲かつ長丁場となることが想定されることから、継続的かつ安定的な財源の確保について、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の増額など全面的な財政措置を講ずるよう要望する。

(2)地方創生臨時交付金については、地域の実情に応じて様々な課題に対応できるよう、令和4年度への繰越や基金への積立を可能とするなど、柔軟な運用とすることを要望する。

 

2.医療提供体制の見直し・強化について(厚生労働省)

(1)新たな感染症が拡大した場合に、感染症対応を行いつつ、感染症以外の疾患にも対応できる医療提供体制を確保していく必要があることから、感染症への対応も見据え、医師確保対策を進めていただくよう要望する。

(2)感染症の対応には、看護師、薬剤師、臨床工学技士など、幅広い医療従事者が必要であることから、チーム医療を担う医療従事者の養成・確保に向けた取組を更に強化するよう要望する。

(3)地域の実情に応じた持続可能な医療機関等の経営に資するため、新型コロナウイルス感染症の患者診療に係る診療報酬の特例措置の継続、福祉医療機構による無利子・無担保貸付の貸付限度額・貸付対象の更なる拡大等、医療機関等への直接的かつ中長期的な財政支援を講じるよう要望する。

(4)新型コロナウイルス感染症以外の新たな感染症にも機動的に対応するため、今般検討が進められている、災害派遣医療チーム(DMAT)内への「感染症医療支援チーム(仮称)」創設に際し、感染症対策に係る医師や看護師等への教育訓練や活動に必要な資器材整備などの体制構築が円滑に行えるよう、国による必要な財政措置などの実施を要望する。

(5)感染症の拡大時に円滑に業務ができるよう、感染症対応業務に従事する保健師等の恒常的な人員体制を強化するため、引き続き十分な財政措置を確実に行うよう要望する。

(6)「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」については、地域の実情に応じて必要な医療提供が行えるよう、令和4年1月以降も、空床補償及び軽症者宿泊療養施設の確保や感染防止対策等、国による財政措置を継続するよう要望する。

(7)飲み薬等の特効薬の早期実用化に向けて関係省庁・関係機関と連携し、できるだけ早期に実用化し、国民に提供されるよう要望する。

(8)「新型コロナウイルス感染症のまん延期における検査方針」に示されている無症状者に対する網羅的な行政検査については、まん延期前の感染拡大の兆候がある場合に実施することとし、その対象者に県内でも複数のクラスターが確認されている教育・保育施設及び障がい者施設を追加するよう要望する。

 

3.ワクチン接種の円滑な実施について(厚生労働省)

(1)3回目接種を円滑に実施するに当たり、ワクチンの中長期的な供給量の目安や、今後交差接種を本格的に実施する際の対象者の考え方や接種の留意点等について速やかに自治体に示すとともに、1回目・2回目接種のような供給量の急激な減少が生じないよう、自治体が必要とするワクチンを確保し、安定的に供給するよう要望する。

(2)新たに 12 歳になる方をはじめ、ワクチン未接種の希望者に対する継続的な接種の実施も必要となるため、3回目接種に必要なワクチンと併せて確保するよう要望する。

(3)3回目接種の実施に係る接種会場の確保や医療従事者の確保などに要する経費のほか、送迎費用、通常診療を休止した場合の影響を踏まえた報酬など、継続的な接種体制の確保に係る費用について、必要な財政措置を継続するよう要望する。

(4)新型コロナウイルスワクチン接種に係る接種費用の単価の引上げ医療機関等への支援を拡充するよう要望する。

 

4.地域経済対策の充実について

(1)感染症の長期化によっては、更なる経営状況の悪化が懸念されることから、持続化給付金の再給付や家賃支援給付金の複数回の給付、融資制度の拡充など、中小企業などの事業継続に対する財政支援を講ずるよう要望する。

(2)需要の落ち込みが著しい観光、交通及び飲食関連の事業者に対し、事業継続や雇用維持のための支援を拡充するとともに、感染収束後においては消費喚起・需要拡大を積極的に講じるよう要望する。

(3)「GoToキャンペーン」の再開について、都道府県と十分な情報共有を行うとともに感染状況などの地域の実情を踏まえ効果的に実施するよう要望する。

(4)地域企業経営支援金について、全ての業種において感染対策の取組みが行われ、事業継続が図られるよう対象業種の要件を緩和すること

(5)緊急事態宣言やまん延防止等重点措置適用地域以外においても、地域経済の停滞は著しいことから、厳しい経営環境が続いている中小企業・個人事業者に対し、事業継続のための実効性のある支援策を全国的に講じるよう要望する。

(6)新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、コロナ前からの債務に加え、コロナ後に借入れした新たな債務による過剰債務の解消が大きな課題となることから、「東日本大震災事業者再生支援機構」と同様の支援機関の設立を要望する。

 

5.事業者等への税負担の軽減について(総務省)

・事業等に係る収入に大幅な減少があった個人や事業者に対して、地方税の負担軽減措置を講じるとともに、その減収額については全額国費により補塡するよう要望する。

 

6.雇用維持に対する支援について(厚生労働省)

(1)地域の事業者が事業を継続し雇用が維持されるよう十分な追加経済対策を実施するよう要望する。

(2)雇用調整助成金については、企業の雇用状況を見据え、地域・業種を限定せず、助成率及び上限額を4月までの措置内容へ再度拡充の上、期間を延長するよう要望する。

(3)雇用調整助成金等の特例措置の段階的な縮減を検討する際は、地域経済と雇用情勢を十分に把握・分析し、都道府県の意見を聞いた上で行うよう要望する。

 

<ILCの実現>

7.国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現について(文部科学省)

(1)国際リニアコライダー(ILC)の日本誘致の方針を早期に決定するとともに、国際プロジェクトを主導とする立場として、各国との資金の分担や研究参加に関する国際調整などの早期合意を目指し、確実な実現を図ることを要望する。

(2)令和4年度中のILC準備研究所の設立に向けて積極的に対応するとともに、日本政府が主導し、国際的な議論を更に推進すること。

(3)ILC実現に向けた政産官学及び地域社会での様々な取組を海外政府に情報発信することを要望する。

(4)ILC計画を我が国の科学技術の進展、さらに地方をつなぐ産業・情報・技術のネットワークの形成、民間の力を伸ばす成長戦略、地方創生などの柱に位置付けることを要望する。

 

<東日本大震災津波からの復興完遂への支援>

8.復旧・復興のための財政支援の継続と財源の確保について(復興庁)

(1) 令和2年7月に決定された「令和3年度以降の復興の取組について」に基づき、復興の推進に必要な予算を確保するとともに、被災地のニーズに対応するための地方創生関係交付金の柔軟な運用を要望する。

(2)「第2期復興・創生期間」において復興事業の完遂を確実なものとするため、応援職員や任期付職員等への財源手当、復興支援員制度の継続など、人材確保対策支援を要望する。

(3)被災者が地域社会から孤立することを防ぎ、安全・安心な生活を送ることができるよう、令和4年度以降も、生活支援相談員事業について、所要の財源及び支援期間を確保し、被災者への個別支援やコミュニティの形成支援の継続を要望する。

 

9.移転跡地の利活用に向けた措置について(復興庁、国土交通省、経済産業省)

(1) 移転跡地の土地利用を推進するため、移転跡地の集約や整地に要する費用の支援、新たな支援制度の創設や制度の柔軟な運用を一層強化することを要望する。

(2)企業誘致や新規創業等による移転元地への産業施設の整備について、復興特区における国税の特例措置や津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金等による設備投資や雇用等に対する支援の継続・拡充を要望する。

 

10.東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出について(経済産業省、環境省)

2年後を目途に海洋放出するとする基本方針の決定については、、国内外の理解が十分に得られていない中での決定であり、安全性や新たな風評が生じることを懸念する意見が数多く示されていることから、国が責任をもって処理水の安全性について、漁業協同組合や漁業関係者、国民に対し丁寧な説明と真摯な対話を継続し、不安を払拭し理解を得るよう慎重な対応を要望する。

 

11.東京電力福島第一原子力発電所事故による放射線影響対策について(農林水産省、経済産業省、文部科学省、環境省)

(1)原木しいたけ産地再生への支援

  • 新規参入者と規模拡大意向者への震災前の原木価格水準に対する原木購入費の掛り増し賠償実現に向けた支援を要望する。
  • 来年以降の植菌作業に向けての良質な原木の確保の継続と課題となっている植菌適期内の納入実現へ向けた実態に即した支援を要望する。
  • 立木等に係る福島県と同様の財物賠償実現に向けた支援を要望する。
  • 放射性物質の影響を低減させるために義務付けられている原木しいたけの栽培工程管理簡素化に向けた支援を要望する。

(2)農林業系汚染廃棄物の早期処理への支援

① 農林業系汚染廃棄物の早期最終処分に向けた技術的・財政的な支援を要望する。

②農林業系汚染廃棄物の保管の長期化に伴う一時保管施設の維持補修助成など、保管施設機能を保つための全面的な支援を要望する。

③ 事故当時に汚染され一時保管されている乾しいたけの適切な処分に対いする全面的な支援を要望する。

(3)山菜等の風評被害の防止と販売促進支援

・産地直売関係者や消費者との食品の安全に関する情報の共有による風評被害の防止及び積極的な販売促進の支援を要望する。

(4) 損害賠償の迅速化

  • 風評被害を含めた損害賠償請求を産地直売関係者などが迅速かつ万全に行うための現地相談員の配置を要望する。
  • 未払いとなっている行政請求分の早期支払いを要望する。
  • 損害賠償請求に要した事務経費の賠償対象経費への追加を要望する。

(5)側溝土砂の処理基準の提示と新たな支援制度の創設

放射性物質に汚染された側溝土砂の処理基準の速やかな提示及び汚染土砂の処理に対する財政的な支援を要望する 。

(6)学校施設等の校庭に埋設保管している除染土の処理方針の提示

・学校施設等の校庭に埋設一時保管している除染土の処理基準の速やかな提示を要望する。

 

<農林業の振興>

12.農業政策の充実強化について(農林水産省)

(1) 米の需給対策について

・米の需給と価格の安定に資するため、国主導による実効的な過剰米への対策や消費喚起などの需要拡大対策を推進するよう要望する。

(2)農林水産物の消費拡大支援

・外食需要の減少等に伴う米や牛肉等の農林水産物の消費拡大に向けた取組に対し、引き続き十分な支援を講じるよう要望する。

(3)「新規就農者育成総合対策」における財政措置

・「新規就農者育成総合対策」における地方負担の導入について、今後の新規就農者等の確保・育成に支障が生じることのないよう、これまでの「農業人材力強化総合支援事業」と同様に、全額を国費により措置するよう要望します。

(4)新たな親元就農支援制度の創設について

・担い手の子弟が親元に就農する場合、現行の農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)制度では、就農5年以内の事業継承が要件のため、同制度の活用が困難であるあることから、新たな親元就農支援制度の創設を要望する。

(5)凍霜害や降ひょう被害等への支援について

・凍霜害や降雹被害等に対する農業共済制度や収入保険制度に加入していない生産者が多く、今後の農業経営に支障をきたす状況にあることから、セーフティネット施策の弾力的な運用、拡充を講ずるよう要望する。

(6)畜産振興への支援について

 ・家畜医療費の負担を軽減するための制度の創設を求めるとともに、獣医療過疎地域における獣医療提供体制の整備を図ることを要望する。

(7)農業農村整備事業関係予算の確保について

・「総合的なTPP等関連政策大綱」及び「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく予算を十分に確保するとともに、地方財政措置を充実するよう要望する。

 

13.有害鳥獣被害対策の継続・拡充について(農林水産省)

(1)ニホンジカやイノシシ、クマ等による鳥獣被害が深刻化・広域化していることから、実生息数を把握し、被害の防止にかかる抜本的な取組の強化と十分な予算を確保するよう要望する。

(2)市町村が十分な鳥獣被害防止対策を実施できるよう、狩猟免許取得に対する支援の強化や報酬等に対する財政措置など、鳥獣保護管理に携わる人材の確保、育成を支援すること。

(3)有害鳥獣として捕獲した個体や食肉加工残渣等の適正処理に対する支援措置を拡充すること。

 

14.森林整備の促進について(農林水産省)

(1)地球温暖化防止に貢献し、国土強靭化の実現に不可欠な「緑の社会資本」としての森林整備を促進するため、整備事業に必要な予算を十分に措置するよう要望する。

(2)伐採及び間伐、再造林、苗木の生産・供給を含めた総合的な再造林対策のため、伐採から植栽までの一貫作業を推進するよう要望する。

(3)林業労働力の確保を図るため、新規就業者や林業経営の担い手の育成に向けた取り組みを一層強化することを要望する。

(3)松くい虫やナラ枯れ被害から県木である南部アカマツや広葉樹資源を保全するため、被害地周辺での予防を目的とした伐採について、迅速な対応が可能となる制度の創設を要望する。

(4)外国産木材の輸入量減少と国産木材の価格高騰により、建築主への価格転嫁や引渡しの遅れなど、様々な悪影響が出ており、県内の地方森林組合、製材所、工務店等が必要とする県産木材を適正価格で提供できるシステムを構築するよう要望する。

(5)今後の地域の林業・木材産業を担う人材確保を図るため、就職説明会や相談会の定期的な開催など、林業・木材産業分野における就業促進の取組を強化するよう要望する。

(6)温室効果ガスの排出削減対策や吸収源対策を進めるため、「森林整備の推進と県産木材の利用促進」と「森林バイオマスの活用促進」を充実強化するよう要望する。

 

<水産資源の確保>

15.永続的で適切な水産資源の確保について(農林水産省)

(1)「水産政策の改革」が目指す水産資源の適切な管理の実現に向け、水産資源状況の的確な把握に努め、科学的で合理的な資源管理施策を一層促進するとともに、資源の有効活用による水産業の成長産業化を図ることを要望する。

(2)サケやサンマ、サバのような北太平洋を広く回遊する魚種の資源管理については、これまで以上に国家間及び広域的な取組の促進と連携の強化を図ることを要望する。

(3)太平洋クロマグロの漁獲可能量(TAC)配分枠の設定に当たっては、適切な漁獲配分となるよう十分な調整を図るとともに、安定的な漁業経営に資する補償制度などを拡充することを要望する。

(4)諸外国の三陸産水産物等の輸入規制に関し、輸出再開に向けた取組強化と関係する漁業者の救済を図ることを要望する。

(3)本県の秋サケ漁は、ピーク時には7万トン(平成8年)を超えるまでに発展したが、平成9年度以降、県内の漁獲量は減少傾向にあり、東日本大震災後は1万トン前後と低迷しており、特に昨年度は1,700トンと、これまでにない危機的状況となっている。ついては、引き続き調査・研究・指導に取り組まれ、秋サケ資源の回復と海面魚類養殖の生産技術確立が図られるよう要望する。

(4)全国有数の水揚げを誇る本県のウニやアワビは、震災後不漁が続いており深刻な状況となっている。各漁協では国県補助事業等を活用してアワビなどの種苗放流事業に取り組んでいるが、漁獲量の回復に至っていない現状である。ついては、引き続き調査・研究・指導に取り組まれ、地先磯資源及び藻場の回復が図られるよう要望する。

(5)ナマコは近年需要が増加しており、漁業者の所得向上に寄与する可能性が高いことから、ナマコ種苗の放流について支援策を講じるよう要望する。

(6)三陸沿岸におけるサケ、サンマ、スルメイカなどの主要魚種の漁獲量の減少に伴い、加工用原料の確保が困難になっていることから、魚種転換に係る加工設備などの整備支援や加工原魚調達に係る支援など施策の充実を図ることを要望する。

 

<国土強靭化、防災・減災対策>

16.国土強靭化、防災・減災対策の充実強化について(国土交通省)

(1)国土強靭化と防災・減災対策等を加速するための国の公共事業関係費の財源を十分確保することを要望する。また、「社会資本整備総合交付金」や「防災・安全交付金」等県内の公共事業に係る予算を確保するよう要望する。

(2)「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に必要な予算・財源の確保と計画的な事業の推進を要望する。

(3)緊急防災・減災事業債については、引き続き防災・減災対策を充実強化させることが必要なことから、対象事業を拡大する等の地方財政措置の拡充を要望する。

(4)災害発生時における広域的かつ機能的な危機管理を確保するため、被災地支援の強化に必要な地方整備局等の人員・資機材等を確保するなど、災害対応のための組織体制の充実及び機能の強化を図ることを要望する。

(5)「津波防災地域づくりに関する法律」に基づく最大クラスの津波及び最大規模の洪水想定に係る被害軽減対策への財政支援を要望する。

(6)道路・橋梁等の老朽化に伴う維持修繕、更新に対する補助及び地方債による財政支援の拡充を国に要望する。

(7)国土強靭化地域計画に基づき、消防体制の整備等防災・減災のための諸施策を推進することを要望する。

 

<道路ネットワークと地域交通の確保>

17.地域を支える道路ネットワーク等の整備について(国土交通省)

(1)計画的かつ着実に道路整備を進めるため、新たな財源を創設するなど、道路関係予算の総額を確保するよう要望する。

(2)迅速かつ円滑な物流や交流人口の拡大を実現し、安心・安全の確保を図るため、その基盤となる幹線道路網の一層の整備促進を要望する。

① 一般国道46号「盛岡西バイパス」の2車線供用区間の4車線化の整備促進について要望する。

② 一般国道4号「盛岡南道路」の事業化について要望する。

③ 一般国道4号渋民バイパスへの道の駅の整備について要望する。

④ 一般国道107号の早期復旧と抜本的改善を要望する。

⑤ 秋田自動車道の4車線化の促進を要望する。

⑥ 「北上金ヶ崎パシフィックルート」の整備促進を要望する。

⑦ 新笹ノ田トンネルの早期事業化を要望する。

⑧ 北岩手・北三陸横断道路「(仮称)久慈内陸道路」の整備促進について要望する。

⑨ 主要地方道大槌小国線土坂峠トンネルの早期着工を要望する。

⑩ 一般県道釜石住田線の未改良地区の整備促進を要望する。

⑪ 松尾八幡平IC~安代IC間へのスマートインターチェンジの整備を要望する。

⑫ 三陸沿岸道路のハーフインターチェンジのフル化整備を要望する。

⑬ 国道107号、397号の重要物流道路への指定と整備促進を要望する。

 

18.持続可能な地域公共交通の整備について(国土交通省)

(1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、輸送需要の大幅な減少に直面している鉄道、路線バス、タクシーの公共交通事業者が、安全かつ安定した運行を確保できるよう、経営上の財政支援を講じるよう要望する。

(2)路線バスの利便性の向上と路線再編による効率化など、持続可能な地域公共交通施策の推進に向けた規制緩和を早急に検討するとともに、「地域公共交通確保維持改善事業」の補助要件の緩和や補助率引上げなど財政支援の拡充を図ることを要望する。

(3)仮設住宅が整備された地区を通る路線バス及びコミュニティバス等を補助対象とする被災地特例が終了となったことから、新たに復興公営住宅が整備された地区を通る路線バス等を補助対象とする恒久的な財政支援を講じるよう要望する。

 

<災害に強い治水対策への支援>

19.災害に強い治水対策の推進について(国土交通省)

(1)気候変動の影響により頻発・激甚化する水災害リスクに備えるため、あらゆる関係者が協働する「流域治水」の取組みを強力に推進するため、ハード・ソフト対策を一体的・計画的に推進するための予算確保を要望する。

(2)洪水の発生時に大量に堆積した河道の土砂撤去や支障木伐採等、防災・減災対策の着実な推進を要望する。

(3)「四十四田ダムのかさ上げ」など治水機能の増強を行う「北上川上流ダム再生事業」の着実な実施と促進を要望する。

(4)一関遊水地事業及び一級河川改修事業の推進と堤防未築堤箇所(矢巾町ほか)の早期整備を要望する。

 

<地域医療・福祉の充実と資源確保>

20.地方における医師及び看護師等の医療人材確保について(厚生労働省)

(1)地方における医師確保、特に産科及び小児科の常勤医師の確保について要望するとともに、地域医療体制の抜本的な改善を図ることを要望する。

(2)医師の安定的確保、病院経営の健全化と病院機能の維持のため、自治医科大学養成医師の継続派遣等、医師の配置に対する支援について要望する。

(3)同時に地方においては看護師の不足も深刻な問題であり、全国的な看護師の地域偏在の解消を図る仕組みの創設を要望する。

(4)周産期医療体制構築のための助産師に対する支援や人材の確保を要望する。

 

21.介護福祉を支える人材確保対策について(厚生労働省)

・介護サービス基盤を整備するとともに、「介護現場の離職者ゼロ」達成と人材の定着のため、介護従事者の養成や処遇改善など、介護事業を支える人材確保の充実・強化を要望する。

 

<地方における教育の確保>

22.ICT機器を活用した教育活動の充実と環境整備について(文部科学省)

(1)児童生徒1人1台端末等のICT機器を効果的に活用した教育活動の充実に向け、情報通信技術支援員(ICT支援員)の配置等に係る国庫負担による支援、学習者用デジタル教科書の早期普及等の必要な予算措置を講じるよう要望する。

(2)学校における「新しい生活様式」も踏まえた児童生徒一人ひとりの学習・生活環境の整備を図るため、中学校を含めた少人数学級によるきめ細かな指導体制を計画的に整備するなど教職員体制の一層の充実を図るよう要望する。

 

23.過疎地域における県立高等学校の存続について(文部科学省)

(1)教育環境に著しい格差が生じないよう、過疎地域における教育の機会を確保するため、県立高等学校 における特例を認め、高校少人数学級の導入を実現し、教員定数削減の対象外とすることを要望する。

(2)それぞれの高等学校が、地域や行政と連携した地方創生に向けた活動を通じ、特色ある新たな高校の魅力化に取り組んでいる状況と、高等学校存続を切望する地域住民の総意に応え、新たな判断基準に基づく小規模高等学校を存続することを要望する。

 

<世界文化遺産の活用>

24.「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産の活用について

  • 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の広域的な観光ルートを確立するため、旅行商品の造成支援や国内外に向けたプロモーション活動・教育旅行の誘致に対する支援を要望する。
  • 「道の駅」等の整備に対し、広域観光振興や地域振興の観点から、その拠点づくりに対する財政的支援を要望する。

 

<産業振興に資する港湾の整備推進>

25.港湾整備事業の促進及び港湾振興について

(1)地域の産業振興に資する港湾整備を着実に推進するための予算確保を要望する。

(2)重要港湾「釜石港」の国際貿易拠点化に向け、ふ頭用地造成及び岸壁新設の整備促進を要望する。

(3)宮古・室蘭フェリー定期航路の早期寄港再開のため、早急に港内の静穏化等、環境整備を行うことを要望する。併せて、港湾の災害対応力を十分に発揮するため、耐震強化岸壁の整備の事業化について要望する。

(4)大船渡港永浜・山口地区1バース(水深-10m、延長340m)の整備促進を図るとともに、耐震強化岸壁とガントリークレーンを早期に整備することを要望する。

(5)久慈港湾口防波堤の整備促進と完成後の静穏海域を活用した水産業及び観光開発等の産業の創出に対する支援について要望する。

(6)久慈市沖における洋上風力発電の実現に向け、促進区域指定及び地域における新産業誘発のため、再エネ海域利用法第8条第1項第3号の規定を満たす港湾整備を早期に行うよう要望する。

 

<東京一極集中の是正>

26.地方への移住・定住の推進について(内閣府、農林水産省、文部科学省)

(1) 令和元年度に創設された「地方創生移住支援事業」について、東京圏から地方への人の流れを加速するため、移住元に関する年数要件の廃止及び地理的要件の更なる緩和、支給対象者が在住する東京23区等での周知・広報の一層の充実及び必要な財源の確保を要望する。

(2)産業再配置や地方への産業拠点の移転、東京圏に本社を有する企業のサテライトオフィスの開設促進のほか、東京圏から遠隔にある地方や条件不利地への移住に対する支援を手厚くするなど、人の流れを創出する効果的な施策を展開するよう要望する。

(3)農山漁村に受け継がれてきた豊かな自然や伝統・文化など魅力ある地域資源を活用した都市農村交流や農村への移住・定住に向けた取組を推進するための「農山漁村振興交付金」等の予算を十分に措置するよう要望

(4)政府関係機関の地方移転や高等教育機関の地方分散等について、東京一極集中の抜本的な是正や地方創生の観点から、積極的に推進するよう要望する。

(5)空き家の有効活用は、移住・定住の環境整備をはじめ地方創生の観点からも重要な課題であることから、関係機関が一体となって取組みを強化するとともに、空き家の有効活用等が一層推進されるよう一層の支援を要望する。

 

<少子化社会対策>

27.子ども・子育て支援施策の充実について(厚生労働省)

(1)若い世代の結婚の希望を叶える取組支援のほか、不妊治療費助成の拡充や妊産婦に対する母子保健医療対策の充実など、結婚から妊娠・出産、子育ての希望を叶える総合的な支援策の充実を要望する。

(2)こども庁の創設により、実効性のある組織・人員・予算を確保し、子ども関連施策への重点的な財源確保を要望する。

(3)児童相談所等の体制強化を図るとともに、発生予防・早期発見に向けた社会づくりの推進等、児童虐待防止対策体制の強化を要望する。

(4)子育てを社会で支える気運の醸成と三世代同居・近居の推進に向けた制度の拡充等、子どもと子育てにやさしい社会づくりの一層の推進を要望する。

 

<地方財政基盤の充実強化>

28.地方一般財源総額の確保について(総務省・財務省)

(1)新型コロナウイルス感染症の影響による税収の減や、少子高齢化の進行に伴う社会保障関係費の増等による厳しい地方財政の状況を踏まえ、安定的で持続的な財政運営に必要な地方一般財源総額について、確実に確保・充実するよう要望します。

(2)地方財政計画の策定に当たっては、広大な県土を有する本県の本格的な地域デジタル化の進展に伴い増大する経費や、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた新しい生活様式に必要な経費を適切に見込むほか、人口減少対策や地方創生の推進等、各団体が地域の実情に応じ、自主的・主体的に課題解決に取り組むために必要な地方単独事業の財政需要を適切に反映させるよう要望します。

(3)地方の経済情勢を踏まえて税収を的確に見込むとともに、地方交付税について、その総額を確保するとともに、地方財源不足の解消に当たっては、地方財政の健全性を確保するため、臨時財政対策債の大量発行によることなく、地方交付税法第6条の3第2項の規定に基づき国税の法定率を引き上げるよう要望します。

 

29.地方財政措置の拡充について(総務省)

地方交付税が有する財源保障機能及び財源調整機能が適切に発揮され、安定的な財政運営に必要な一般財源が十分に確保されるよう、地方財政措置を拡充するよう要望する。

(1) 地域医療を担う公立病院を運営する病院事業会計への繰出金について、新型コロナウイルス感染症への対応に当たって公立病院の担う役割は増しており、広大な県土に多数の過疎地域を抱える中で、医師不足や不採算地区での経営などの条件不利地域においても必要な医療を安定的に提供できるよう、措置の拡充を要望する。

(2) 社会資本整備が遅れている地域の投資的経費が確保されるよう、措置の拡充を要望する。

(3) 他地域への通学が極端に困難で、修学機会確保の観点から統廃合が困難な小規模高等学校の維持・運営に係るかかり増し経費について、適切に措置されるよう要望する。

(4)不登校生徒数が増加傾向にある中、専修学校高等課程の大学入学資格付与校は、多様な学びの機会の受け皿となっている。一方、専修学校高等課程は、就学支援金と普通交付税の算定における取扱いが乖離していることから、「高等学校等就学支援金の支給に関する法律」の取扱いに準じ、高等学校と同程度の水準とするよう要望する。

 

<過疎地域に対する支援の継続>

30.過疎地域に対する支援の継続について(総務省)

(1)過疎地域において必要な事業を円滑に実施できるよう、過疎対策事業債及び各種支援制度の維持・拡充を図ることを要望する。

(2)過疎対策事業債の配分額の増額及びシフト分の限度額の引き上げを行うなど、十分な財源措置を講じることを要望する。

 

<デジタル社会の実現に向けた支援>

31.デジタル社会の実現に向けた支援について(デジタル庁、総務省)

(1)「デジタル田園都市国家構想」を地方で促進させるため、携帯電話事業者等に対する財政的支援、技術開発支援など支援制度の拡充や新たなデジタル社会交付金制度の創設を要望する。

(2)利用者中心のデジタル・ガバメントの構築に向けた、情報システムの標準化・共通化や行政手続のオンライン化等を推進するため、地方公共団体の実情を踏まえた技術的・財政的支援の充実・強化を要望する。

(3)デジタル技術を活用して地域課題解決を図ることができる人材の確保に係る総合的な調整と、デジタル人材の育成を含めた財政的支援の充実・強化を要望する。

(4)マイナンバー制度については、住民がカード取得によるメリットを実感しやすい仕組みを構築するとともに、システムが安定的に、カードの交付が円滑に進むよう要望する。

(5)デジタル技術と「ものづくり」を中心とした高度技術・産業集積を活かした新たなイノベーションの創出や研究開発支援に加え、デジタル技術の導入・活用の支援の充実強化を要望する。

(6)真の5G社会実現に向け、地方における5G基地局の整備や光ファイバ網未整備地域の実情に応じた整備支援制度の充実により、どこでも、誰でも、デジタル化の恩恵を享受するための情報通信インフラ整備を加速させるよう要望する。

 

<脱炭素社会の実現に向けた対策の推進>

32.省エネルギー対策に対する支援について(経済産業省、環境省)

(1) 中小事業者の省エネルギー活動を促進するため、省エネルギー設備の導入補助や融資制度など、省エネルギー対策に対する支援の継続及び充実を図るよう要望する。

(2) 電気自動車は、環境負荷低減のみならず、防災拠点などにおける非常用電源として活用可能であることから、充電インフラ整備の充実を図るよう要望する。

 

33.再生可能エネルギーの推進について(経済産業省、環境省)

(1)再生可能エネルギー由来の水素利活用の推進や水素ステーションを含む水素関連製品の導入促進を図るため、地域の実情に即した技術面、財政面の支援措置を継続・拡充するよう要望する。

(2)洋上風力発電を含めた再生可能エネルギーの連系可能量を拡大するため、施設整備の基盤となる送電網の強化や設備費用の地域間格差解消、工期の短縮など、送電網の積極的な増強策を進めることを要望する。

(3)一定の条件下で既存系統との連携を認める「日本版コネクト&マネージ」を早急に推進するよう要望する。

(4)地方におけるグリーンイノベーション基金事業の積極的な事業展開を促進させ、新たな技術開発の促進による産業振興に向けた支援を要望する。