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県議会報告

令和5年度2月定例会 予算特別委員会(ふるさと振興部)(令和6年3月6日(水))

2024.06.13

新しい三陸振興推進費について

〇臼澤勉委員 それでは私から、新しい三陸振興推進費についてお伺いいたします。
 まず、三陸振興を総合的にプロデュースするまちづくり会社と、新しい三陸振興推進費との関連についてお伺いいたします。

〇森沿岸振興課長 新しい三陸振興推進費につきましてお答えします。
 三陸防災復興ゾーンプロジェクトの推進に向け、三陸の地域資源と防災学習を活用して多様な魅力を発信することにより交流人口の拡大を図るとともに、三陸地域の総合的な振興を図る推進体制の検討等の取り組みを実施するものでございます。
 まちづくり会社につきましては、現在、さんりく基金や三陸DMОセンターが果たしている役割をさらに発展させ、地域の知恵と力を結集し、交流人口の拡大を促し、さらなる三陸振興に資するようにする方向で検討を進めようとしております。
 今後、こうした考えを踏まえ、三陸地域の総合的な振興体制の具体化に向けた検討を進めてまいりますが、検討に当たりましては、三陸地域の市町村や関係団体のほか、さまざまな分野の専門家の御意見を伺う必要があると考えておりまして、新しい三陸復興推進費には、これに要する経費を計上しているものであります。

〇臼澤勉委員 知事も記者会見でそういった趣旨のお話をされておりました。一方で、マニュフェストプラス39では、地域密着型のディベロッパーとして公共性と企業性をあわせ持って、行政とか民間会社だけでは難しい、できない開発に取り組む、こういったまちづくり会社をつくっていくんだというようなことをお話ししておりますが、改めて、まちづくり会社はこれから検討だということでありますが、知事のほうからもどのような組織をイメージして検討するように指示が来ているのかお伺いいたします。

〇森沿岸振興課長 まちづくり会社につきましては、マニュフェストプラス39においては、復興後の三陸地域の魅力を高めるため、地域密着型のディベロッパーとして公共性と企業性をあわせ持つものとして掲げられていますが、現在、さんりく基金や三陸DMОセンターが果たしている役割をさらに発展させ、地域の知恵と力を結集しまして、交流人口の拡大を促して、さらなる三陸振興に資するよう検討を進めているものであります。
 今後、さんりく基金や三陸DMОセンターが市町村や関係団体、事業者等と連携して取り組んでおります観光地域づくりや地域振興、交流人口の拡大等の取り組みを基軸といたしまして、三陸地域の総合的かつ広域的な振興に向けて、さらにどのような機能、体制が必要か、市町村を初め関係団体の御意見を承りながら、具体化に向けた検討を進めてまいります。

〇臼澤勉委員 ちょっと確認ですけれども、私は、ディベロッパーという言葉は、いわゆる開発事業者とかそういったものをイメージして、まちづくり会社というのは、昔で言う、さんりく・リアス・リゾート構想とか、そういったものでありながら具体的な開発を手がけていく会社をイメージしているように、私は文面を読むとイメージするんですけれども、そういったイメージで間違いないでしょうか。簡潔にお願いします。

〇森沿岸振興課長 官民連携のもと、幅広く地域の価値を高めるまちづくりに取り組む団体といたしましては、都市計画、都市開発的なもののほかにも、各地のDMОでありますとかNPО、公益法人などさまざまな団体が商品開発、マーケティング調査、各種イベントの開催等を通じたにぎわいの創出等、広い意味でのまちづくりに取り組んでおるところでございます。
 マニュフェストプラス39では、ディベロッパーという表現も出てまいりますが、知事からその後の答弁で、現在、さんりく基金や三陸DMОセンターが果たしている役割をさらに発展させ、地域の知恵と力を結集していくというふうに御答弁したところでございまして、この観光地域づくり、地域振興、交流人口の拡大を基軸としていくものでございます。

〇臼澤勉委員 そういうDMОとか地域づくりとか、地域資源を磨いていく取り組みというのはこれまでもやっている話でございまして、あえてマニュフェストプラス39で地域に密着したディベロッパーとしてという言葉がありましたので、先ほど答弁では、都市計画、あるいは開発、さらには魅力あるまちづくりの取り組みを含めてというような事例の紹介もありましたので、そういったことにつなげていくのかなと有権者とか我々は理解しているところです。
 それでお伺いしますけれども、行政とか民間会社だけでは実施が難しいとされる開発というのは、具体的にどのようなプロジェクトを指しているのかお伺いします。

〇森沿岸振興課長 基軸となるDMОということで、県内、三陸地域でも各地で観光地域づくりの取り組みが進んでおるわけでございますが、これらの多くは、市町村の単位でやっておるものでございまして、県といたしましては、それぞれの取り組みをより広域な範囲で連携させていく、こういった部分に果たすべき役割があるものと考えております。

〇臼澤勉委員 私は理解が難しかったんですけれども、行政とか民間会社だけではなかなかできない、それは具体的にどんなものをイメージしているのかという問いにだけ答えていただければと思います。

〇菅原副部長兼ふるさと振興企画室長兼県北・沿岸振興室長 行政、あるいは民間だけでは取り組めない分野、どういったものがあるのかということでございますけれども、具体的にどのような分野があるということではなくて、行政、あるいは民間力といったものを生かしながら機動的に動けるような、柔軟に対応できるような体制という意味合いだと私は捉えておりまして、知事が答弁で申し上げましたように、三陸DMОセンターをさらに発展させたものというようなことで、まずは今、現在取り組んでいる三陸地域の地域振興、あるいは交流人口の拡大というものを基軸にしながら、どういった領域を取り組んでいけばいいのか、さらに皆さんの御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。

〇臼澤勉委員 これまでの防災学習だとか交流人口の拡大だとか、DMОの取り組みといった部分をベースにしながら、発展形に持っていこうということかなとまず認識いたします。
 今後、設立に向けたスケジュールと予算規模とか、具体的にどのように計画して進めていくのかお伺いいたします。

〇森沿岸振興課長 スケジュールと予算でございますが、人口減少の進行を初め三陸地域の厳しい状況を踏まえますと、早期に体制の検討をする必要があると認識をしております。
 まちづくり会社は現在、さんりく基金や三陸DMОセンターが果たしている役割をさらに発展させまして、さらなる三陸振興に資するような方向で検討を進めております。まちづくり会社の検討に当たりましては、さんりく基金のあり方検討とあわせまして、市町村、関係団体等との意見調整が重要ということでありますので、具体化に向けて早期に取り組んでまいります。
 予算につきましては、専門家の御意見を承る必要もございますので、そういった専門家にお願いする際の報償費でありますとか会議等の費用等を考えておるところでございます。

〇臼澤勉委員 今後、そういった細かい予算はそうだと思いますが、事業規模とかどのくらいのまちづくり会社のイメージなのか。具体的には今後の検討だという答弁になるのかとは思いつつも、これまでもDMО、それぞれ各地域で取り組んできておりますし、今後、これまでにないような取り組み、難しい開発に取り組むんだというお話をうたっておりました。私がイメージしていたのは、まさに昭和から平成に変わったころに、さんりく・リアス・リゾート構想とかを打ち上げながら、具体的には、モビリアのオートキャンプ場などもつくったりしながら、いろいろ市町村、自治体の取り組みを県としても引き出しながらやってきたと見ていまして、そういうことをやろうとしているのかなと思って受けとめたものですから、非常に期待をしているんです。
 県北・沿岸の振興図る。きのうも岩手県の人口減少の問題、そして、沿岸地域、県北地域からの人口減を食いとめなければいけない、これが岩手県の本質的な人口減対策の核になると思っているからこそ、きょうここで、具体的にどんなイメージのものを知事から指示を受けながらも一緒に共有しながら、来年度予算審査ですから、具体的な検討を進めていくのかということを確認したくて質問しているのであります。改めてそこら辺の答弁をお願いいたします。

〇熊谷ふるさと振興部長 委員御指摘のとおり、全体像についてはこれからの議論になりますが、知事との検討の場におきましては、先ほどから課長から答弁しているとおり、三陸DMОセンターとさんりく基金を発展させた形というイメージであります。我々はそのほかに三陸鉄道という三陸の財産がございます。それから、ジオパークという、これまで県行政の中で洗い直し、生み出してきた財産があります。それから、みちのく潮風トレイル、外国人の方々からもかなり評判の高い状況でございます。そういった三陸の魅力を発信し、そして、お客に来ていただき、交流人口の拡大につながり、そういったものを総合的にプロデュースできるような形も一つのイメージとして持っているところでございますが、具体的な部分については、今まさにそこを検討しております。今後また市町村と連携を深めながら、進めてまいります。

〇臼澤勉委員 ぜひ今後、地域を巻き込んだ検討が進められていくということですし、今も部長のほうから三陸鉄道なりジオパークの活用みたいなお話もありました。
 そして、時間もあれですので最後にいたしますが、私は三陸沿岸地域の課題解決には、電力系統の脆弱性が地域振興の根本的な問題の解決につながっていくのではないかと思っております。今回のまちづくり会社においても、そういった部分での産業振興だとか農業、イチゴをハウス栽培するだとか、あるいは、三陸鉄道の活用の部分についても、電力系統の導入は非常に大きな課題だと思っておりました。マイクログリッドの構築も含めた検討を今後どのように考えているのかお伺いいたします。

〇森沿岸振興課長 三陸地域は、久慈市などの沿岸北部における陸上及び洋上の風力発電など、再生可能エネルギーに関するポテンシャルの高い地域と認識しております。
 先月25日に宮古市で開催された第12回グリーンILCセミナーにおいて、高エネルギー加速器研究機構名誉教授の吉岡氏から、送電網が脆弱な沿岸部、南北をつなぐ三陸鉄道に沿った送電網設置など、三陸地域への新しい電力系統の導入についての御提案があったと伺っております。
 三陸地域の振興を担当する立場から、三陸鉄道の活用でありますとか地域産業の振興に資する取り組みの一つといたしまして、今後の進展について注目してまいりたいと考えておるところでございます。

〇臼澤勉委員 吉岡先生の講演もあったというお話でありますし、こういった電力系統の強靭な体制といった部分も、まちづくり会社の所掌になるのかはまた別な問題かもしれませんけれども、ただ、こういった三陸のまちづくりを、まさに民間と行政ではできないような取り組みを地域密着型でやっていくんだと、まさに開発していこうという強いメッセージだと私は思って、それを多くの県民の皆さんが期待しているんだと思います。今までの既定路線のちょっとした延長の話ではなくて、今までにないような取り組み、新しい取り組みをぜひチャレンジしていただきたいと思います。最後に部長、そこの御所見、所感を聞いて終わりたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 先ほど課長が答弁したとおり、吉岡先生がそういった御提言を、私、実際はお話を聞いていませんで、詳しいところはわかりませんが、再生可能エネルギー、地域地域でみずから生み出し、みずから消費する、あるいは、外に出して外貨を稼ぐ、そういったものは地域振興にとって非常に有益なものと思ってございます。そうした中で、系統の存在が一番大事なところ、基盤となるところでございますので、どういった形で三陸にそういったものが検討できるのか、さまざまグリーンILCの考えとか、そういった部分を注目してまいりたいと思ってございます。