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県議会報告

令和2年度9月定例会 決算特別委員会(県土整備部)(令和2年10月23日(金))

2020.10.27

1 公共施設等の個別施設計画について

(1) 計画の策定状況について

計画の策定状況について伺う。

【県土整備企画室企画課長答弁実績】
 岩手県公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画の策定状況についてでありますが、当部所管の施設類型別の個別施設計画16分野のうち5月末現在、道路(舗装)、橋りょう、県営住宅など10分野が策定済となっており、残る河川、砂防など6分野、すべてを本年度の策定予定となっています。

(2) 令和元年度の修繕率及び前年度からの進捗について

令和元年度の修繕率及び前年度からの進捗について伺う。

【県土整備企画室企画課長答弁実績】
令和元年度の修繕率及び前年度からの進捗についてでありますが、個別施設計画において、計画施設の損傷度合いに応じた目標値が定められている、主な構造物の修繕率及び前年度からの進捗は、橋りょう約18%、対前年度7%の増、トンネル約10%、対前年度6%の増、県営住宅約48%、対前年度15%の増となっています。

(3) 将来の見通しの分析について

将来の見通しの分析について伺う。

【県土整備企画室企画課長答弁実績】
 将来の見通しの分析についてでありますが、公共施設については、過去に整備した施設の老朽化や復興事業の完了に伴う施設の増などにより、維持修繕を必要とする施設が増加すると見込んでいる。
 長寿命化を進めるためには、個別施設計画に基づく修繕を的確に実施する必要があり、そのための予算の確保が重要であると認識している。このことから、公共事業予算の安定的・持続的な確保や国土強靱化3か年緊急対策の継続及び拡充について、国に要望しています。
 今後も、公共施設を適切に維持管理するため、必要な財源の確保に努めていきます。

(4) 医大周辺の交通量等の変化の認識について

医大移転から1年が経過した。交通量や歩行者数の変化はいかがか。医大への救急車両の評価を把握しているか。

【道路建設課総括課長答弁実績】
 岩手医科大学附属病院の移転に伴う交通量等についてでございます。県では、国や矢巾町と連携しまして、附属病院移転による交通の流れについて情報共有を行ってきたところでございます。昨年、移転前の6月、移転後の10月、そしてさらに今年10月に交通量調査を実施いたしました。その結果、国道4号から矢幅駅に向かう県道矢幅停車場線について申し上げますと、車両の交通量に大きな変化が見られなかったというところでございます。
 一方で、昨年10月の歩行者につきましては、移転前に対して約7割増加しているということであります。これはJRを利用した通勤や通院の方々の増加が要因という認識をしているところです。
 また、救急搬送についてでございます。評価という面では、お答えは難しいのですけれども、盛岡地区広域消防組合への聞き取りによりますと、今年の速報値で毎月概ね200台強の救急搬送を行っていると聞いております。附属病院の移転による交通の流れ等については、引き続き注視してまいります。

(5) 盛岡南道路の調査の進捗、道路ネットワークのあり方に対する認識について

命の道路として、盛岡南道路の調査が進んでいるが、調査の進捗と、県として命の道を補完する県道としてのあり方をどのように考えているか。

【道路建設課総括課長答弁実績】
 一般国道4号盛岡南道路の調査等の進捗についてでございます。国が調査を進めております国道4号盛岡南道路は、今年3月、矢巾町西徳田から盛岡市永井までの区間において、バイパスによる整備の方針が公表されたところであります。今年度からは、「都市計画・環境アセスメントを進めるための調査」に着手したと聞いております。県としては、関係市町と連携しながら、早期事業化に向けて国に要望してまいります。
 また、盛岡南道路を補完する道路ネットワークのあり方についてであります。今後、基幹となる盛岡南道路の計画が具体化していくことが見込まれております。それに接続する県道、市道又は町道のネットワークのあり方について、国や盛岡市、矢巾町とともに検討してまいります。

(6)冬期間のバリアフリー対策や電柱の倒壊対策について

通院や医療従事者等の歩行者のための冬期間のバリアフリー対策や電柱の倒壊対策について伺う。

【道路環境課総括課長答弁実績】
 岩手医大前の道路の、冬期間のバリアフリー対策や電柱の倒壊対策についてですが、岩手医大と矢幅駅を結ぶ矢巾停車場線は、通院や医療従事者の通勤等にも利用され、緊急輸送道路にも指定されていることから、重要な路線であると認識しています。
 このため県では、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策事業を活用し、電柱倒壊を防ぐ無電柱化事業の来年度からの導入に向けた調査を現在行っているところであり、冬期間のバリアフリー対策を目的とした歩道への消融雪装置の設置についても併せて検討を行っているところです。
 引き続き、事業化に向けた調査を進めていきたいと考えています。

(7)自転車専用道路の整備状況等について

自転車専用道路の整備状況と今後の整備方針について伺う。

【道路環境課総括課長答弁実績】
 自転車専用道路の整備状況についてですが、自転車専用道路は、その整備形態に応じて、独立した道路として設けられる「自転車専用道路」、防護柵等で車道・歩道から物理的に分離されている「自転車道」、路面標示等により自転車の通行区分が明示されている「自転車専用通行帯」、矢羽根型路面表示等により自転車と自動車を混在通行とする「車道混在」の4つに分類され、これらを総称して自転車通行空間と呼んでいます。本県では、令和2年3月末時点で、盛岡市道等において合わせて8キロメートルの自転車通行空間が整備されています。
 自転車通行空間の今後の整備方針については、現在、本県では自転車活用推進法に基づく岩手県自転車活用推進計画の策定を進めており、計画の骨子案では、施策の一つとして、自転車通行空間の整備を掲げているところです。本計画は、令和2年度中の策定に向けて検討を進めているところであり、本計画の策定後は市町村と連携し、必要な自転車通行空間の整備が計画的に進むよう取組んでいきます。

2 住環境整備について

(1)市街化調整区域の見直しについて

開発許可件数の実績と傾向、市街化調整区域の見直しと現在の検討状況を伺う。

【都市計画課総括課長答弁実績】
 市街化調整区域での開発許可及び建築許可の件数については、令和元年度で88件、直近5年間でみましても、おおむね90件前後で推移しているところでございます。
 次に、市街化調整区域における開発許可の運用の弾力化についてですが、市街化区域に与える影響を考慮しながら、県と関係する市、町で構成するワーキングループ等により、これまで検討を進めてきたところでございます。今年度のワーキンググループにおきましては、市街化調整区域内の既存集落のコミュニティ維持を図るため、既存集落内の空き家などの既存建築物を賃貸住宅として活用することができるよう、その用途変更に係る許可基準の緩和について検討を進めているところでございます。
 今後は、市街化調整区域内の無秩序な開発に繋がらないよう、具体的な許可要件の設定について、さらに検討を進めていくこととしております。

(2)国の開発基準見直しに伴う運用の弾力化への取組について

国では開発許可の運用の弾力化の通知を出しているが、それらの取組、所見を伺う。

【都市計画課総括課長答弁実績】
 人口減少ということにつきましては、我々としても問題意識を持ちながら取組を進めているところでありまして、今年度のワーキンググループにおいて、先程、申し上げましたとおり、既存集落のコミュニティ維持を図るために、矢巾町さんあたりからもそのような御意見をいただいているところでありますので、そのような部分を十分に踏まえて引き続き検討をしていきたいと考えております。

(3) 公営住宅の供給実績と今後の目標量、建て替え実績について

公営住宅の供給実績と今後10年間の目標量はどのように捉えているのか。年間の建替え実績も含めて伺う。

【建築住宅課総括課長答弁実績】 
 まず、県営住宅の供給実績についてでありますが、東日本大震災津波からの住宅再建である災害公営住宅の供給を優先してきたことから、震災以降の新規供給実績は無く、建て替え実績は平成30年度に完成した盛岡市の備後第1アパート13号棟の8戸となっております。
 次に、今後の目標量でありますが、平成29年2月に策定いたしました県営住宅等長寿命化計画におきまして、県営住宅の建替えによる平成28年度から10年間の供給目標量につきましては、年間12戸としていたところでありますが、災害公営住宅の全戸完成を踏まえまして、本年から次期県営住宅等長寿命化計画の見直しを進めているところでございます。

(4) 低所得者層の世帯数推計根拠と地域バランスについて

低所得者層の世帯数の根拠と盛岡広域圏内の地域バランスはどう把握しているか。

【建築住宅課総括課長答弁実績】
 まず、公営住宅の入居対象となります低所得者層の世帯数の推計根拠についてございますけれども、
平成25年の住宅・土地統計調査の結果を元に推計しており、その内容は、民間の平均家賃などから判断される「著しい困窮年収」世帯数と、世帯人員に応じた必要不可欠な面積から判断される「最低居住面積水準未満」世帯数に加えまして、東日本大震災津波による被災世帯を根拠として約1万9千世帯と推計している。
 次に、盛岡広域圏内の地域バランスについてでありますが、盛岡広域圏内におきましては、要支援世帯が多い地域、少ない地域の地域ごとの具体な把握はしてございません。なお、県営住宅は、盛岡市内であれば北部に多く立地しているところであります。

(5) 今後の整備計画と整備方針について

今後の整備計画と整備方針は如何に。

【建築住宅課総括課長答弁実績】
 続きまして、今後の整備計画と整備方針でございますけれども、県営住宅の整備におきましては、住宅マスタープランを定めて計画的に事業を進めることとしております。
 また、県営住宅等長寿命化計画におきましては、住宅の経過年数、需要、これは応募状況でございますけれども、これらをもとに、建替えですとか、用途廃止また、維持修繕等の判断を行いまして、整備方針を決定することとしております。
 県としては、現在、住宅マスタープラン及び公営住宅等長寿命化計画の見直しを進めているところでございまして、今後の県営住宅の建替・改善事業の実施について、効率的な管理のあり方や、市町村と連携しました整備・活用方法について検討を進めております。