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県議会報告
平成28年9月定例会 決算特別委員会(商工労働観光部)(平成28年11月18日(金))
2016.11.26
1 国際観光振興におけるマーケティング分析について
(1) 広域観光周遊ルートについて
平成27年度の国際観光振興の取組に対する経済効果を含めた総括的な事項については、先に各委員から質問されたので、私からは北海道新幹線開通後、広域観光周遊ルートをどのように形成し、誘客しているのか伺う。併せて平成27年に開発したルートがあれば、その実績と効果はどうなっているのか伺う。
【観光課総括課長答弁】
広域観光周遊ルートについてでありますが、国におきましては、複数の都道府県を跨って、テーマ性・ストーリー性を持った一連の魅力ある観光地を、交通アクセスも含めてネットワーク化して、訪日を強く動機づける「広域観光周遊ルート」の形成を促進し、海外へ積極的に発信することとしているところです。
これを受けて、わが県も含めて、東北におきましては、東北観光推進機構が中心となり東北各県が連携し、「日本の奥の院、東北探訪ルート」の形成計画を策定し、平成27年6月に国の認定を受けているところであります。また、これに基づきまして、本年4月にはこのルートに基づく主要6ルートを代表する6つのモデルコースを設定し、このうち3つのコースが国の「世界に誇れる広域観光周遊ルート」に選定されたところです。この3つのモデルコースのうち、2つのコースにつきましては、本県の内陸を縦断するコースと、内陸と沿岸を繋ぎながら沿岸地域を縦断するコースが組み込まれています。
このコースの売り込みについては、国の東北観光復興対策交付金を活用いたしまして、東北各県と連携いたしまして、コース内の観光コンテンツのブラッシュアップや受入態勢の充実、プロモーションの強化に今年度取り組んでいるところです。
また、国によるこれらコースの海外への情報発信も強化されることとなっており、今後も、国や東北各県と連携しながら、これらのコースを海外に売り込んでいく考えであります。
(2) 観光ビックデータを活用した来訪者の観光行動・動態把握について
観光ビックデータを活用した来訪者の観光行動・動態把握したうえで、適切な取組が重要。どのゾーンから来て、どのゾーンに行ったか、ゾーン間の相互流動の特徴を伺う。
【観光課総括課長答弁】
ビックデータの活用でございますが、ビックデータと呼ばれている地域経済分析システム、これは通称「REASAS」(リーサス)と呼ばれておりますが、こちらを県でも活用しております。この中で、例えば、平成27年1月から6月までの間において、本県を訪れた外国人旅行者約2万人のデータがこちらにございます。これによると約61%が東京や成田から、約16%が仙台から入出国していること、また、約51%が宮城県、約23%が青森県を経由して来県し、来県後は約54%が宮城県、約22%が青森県に移動していることなど、本県を訪れる外国人観光客の広域で周遊している旅行形態をこれで把握しているものです。
このことを踏まえ、東北観光推進機構や北東北三県で連携して事業を組み立て、広域観光周遊ルートの策定または売り込みや、東北6県が連携した広域によるプロモーションに取り組んでいるところです。
(3) 県内宿泊施設等に対する無料公衆無線LANの整備などの支援策について
県内宿泊施設等に対する無料公衆無線LANの整備などの支援策による県内の観光施設への整備状況と課題、今後の対応について伺う。
【観光課総括課長答弁】
無料公衆無線LANの整備についてでありますが、平成27年度に新たに外国人観光客受入促進環境整備事業費補助金を設立しまして、その中で33件に対しまして、無料公衆無線LANの整備に対して補助を行っております。
(4) GPS等の位置情報等を利用した観光行動の調査分析について
GPS等の位置情報等を利用した観光行動の調査分析が必要と思うが、考えを伺う。
【観光課総括課長答弁】
GPS等の位置情報機能等を利用した観光行動の調査分析についてでありますが、GPSの位置情報等を活用することにより、これまでは非常に把握が困難であった個人個人の移動ルート、前後の立寄り先など観光客の詳細な行動や観光動態等のデータを収集・分析し、これを基に戦略を立て誘客に取り組むことが非常に重要と考えています。
このため、先ほども御紹介いたしましたが、いわゆるビックデータもGPSを活用したデータでございまして、こういうものも活用しておりますし、現在、国におきまして、モデル地域を決めながら、GPSデータを含むビックデータを活用した調査・研究を進めているところでございまして、こういう動向もみながら、県の方でも研究して参りたいと言う風に考えております。
2 いわてからの輸出拡大について
(1) 平成27年の本県企業による輸出額の現状について
2015年の本県企業による輸出額の現状について、品目別、地域別の状況を伺う。
【産業経済交流課総括課長答弁】
平成27年の本県企業による輸出額の現状についてでありますが、ジェトロの「岩手の貿易2015」によると、地場産品にかかる品目別の輸出額は、全体の32億円弱のうち、農林水産物と食品の合計は25億9千万円余となっており、このうち、水産物が14億円余と半分以上の額を占めているほか、日本酒が1億5千万円余となっているところ。
また、工芸品等は5億9千万円余となっており、このうち、南部鉄器が5億7千万円余となっており、その大半を占めているところ。
さらに、地域別の輸出額は、全体の32億円弱のうち、東南アジアには13億2千万円余、中国・香港には10億円余、北米には4億6千万円余、欧州には1億7千万円余となっており、東南アジアと中国・香港への輸出額が7割以上を占めているところ。
(2) 県産品輸出拡大について
県は今後の動向をどう分析し、県産品輸出拡大に向けての課題をどう捉え、取り組むのか伺う。
【産業経済交流課総括課長答弁】
今後の県産品輸出拡大に向けての課題と取組についてでありますが、県では、これまで、中国をはじめとした東アジア地域を県産品の販路拡大を図る重点地域として、県産品の輸出拡大に向けて取り組んできたところ。これまでの取組の結果、現地のニーズに合わせた商品開発の必要性、県産品を現地まで輸送するための物流、現地における「岩手」の認知度が低いことなどの課題が見えてきたところ。
県では、これらの課題の解決を図りながら、引き続き、経済発展によって購買力が高まっている東アジア地域を重点地域として県産品の販路拡大を図っていくこととしているところ。さらに、和食文化等の日本の伝統文化が世界的に関心を集めている中で、今後は、欧州が有望な市場であると認識しているところ。
このことから、和食文化にまつわる日本酒及び酒器である漆器等を足掛かりに、欧州への県産品の販路を拡大していきたいと考えており、ミラノ博覧会など各種展示会等への出展を通じ、現地キーパーソン等とのネットワークを構築しているところ。