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県議会報告

令和7年度9月定例会 決算特別委員会(教育委員会)(令和7年10月17日(金))

2025.11.28

1 南昌みらい高校体育館

(1) 共創プロジェクトの現状 認識について

共創プロジェクトの現状認識について示せ。

【答弁者:学校施設課長】
南昌みらい高校新体育館につきましては、共創という基本理念の下、県と矢巾町の双方の費用負担により整備することとしたものでございます。令和6年5月30日付けで、経費の負担割合を県2、町1とする旨の覚書の締結に至っております。 しかしながら建築工事請負契約を締結後に町からゼロベースでの
検討の申し入れがあり、県教委としては覚書に基づき整備を進めたい旨を繰り返し主張してきましたが、町からは建築費用を負担しないなど、覚書の趣旨と異なる主張がなされております。
また、矢巾町議会におきまして、今般、町民有志からの「南昌みらい高校新体育館の早期建設を求める請願」が不採択となったことも踏まえますと、覚書に基づく新体育館の整備は困難になったものというふうに認識しております。

共創プロジェクトの破綻理由 について

共創プロジェクトが破綻した理由について認識を問う。

【答弁者:学校施設課長】
建築工事請負契約を締結後に町からゼロベースでの検討の申し入れがあったということから端を発しておりますが、なぜ町がこのゼロベースでの検討を申し入れしてきたのかということにつきましては、明確に確認することはできませんが、学校体育館が2度にわたり規模の縮小、設計変更をし覚書を結んでいるものの、町の方ではそれについて了承したものではなかったという認識の下で「この建築の費用は負担できない」というような主張がされているところでございます。

(2) これまで要した費用・決 算について

これまでに要した費用について示せ。

【答弁者:学校施設課長】
新体育館の整備に向けてこれまでかかった経費といたしましては、既に業者に支払済みの設計委託料が9,846万6,500円ございます。

(3) 賠償請求の状況と今後の 対応について

賠償請求の状況と今後の対応を示せ。

【答弁者:学校施設課長】
工事請負業者に対する損害賠償額につきましては現在業者と調整中でありますが、整い次第、県議会の議決をいただいた上でお支払いすることとなります。
損害賠償額の内訳につきましては、工事契約解除までの期間中に要した費用の実費分と、契約解除によって得ることができなくなった逸失利益分についての損害ということが発生しておりますので、これを賠償金として業者に支払うこととして調整をしております。

受注者への損害賠償金額に ついて

受注者への損害賠償金額はどの程度か。また、今後矢巾町に対しても賠償金の負担を求めていくのか。

【答弁者:学校施設課長】
具体的な業者への損害賠償額につきましては、現在調整中ですので詳細についてはお答えできかねますが、規模感としては、数千万円程度で調整を進めているところでございます。 また、矢巾町に対する求償につきましては、工事請負契約解除になった原因は、矢巾町から覚書の趣旨と異なる主張がなされたことによるものと考えておりますので、支払済みの設計委託料はもとより、工事請負業者への損害賠償金についても矢巾町に負担を求める考えでございます。

(4) バス移動費用と将来見込 みについて

生徒のバス移動費用と将来見込みについて伺う。

【答弁者:学校施設課長】
バスの移動費用につきましては、体育の授業及び部活動の際の移動に要する経費として、本年度当初予算において総額3,849万円余を予算措置してございます。令和7年度までは当初計画でこのバスでの移動を想定しておりましたが、体育館の整備が遅れるということになりますとそれがさらに続くということになります。体育館が整備されるまでの間は同程度の費用が必要になると考えており、これらの費用につきましても、今回の矢巾町に起因する事態によって生じるかかり増しの経費でございますので、こちらについても請求できるかどうか弁護士とも相談しながら検討してまいりたいと考えております。

(5) 生徒の声、転校や入学影 響について

生徒の声、転校や入学への影響について把握しているか。

【答弁者:学校施設課長】
生徒の声ということですけれども、高校の教職員の方からも、授業における旧盛岡南高校までのバスの移動については、やはり生徒たちの負担になっているというふうな御意見はいただいております。また転校や入学への影響につきましては、これも高校にも確認してみましたけれども、今のところそのような事例は把握していないというふうに聞いております。

(6) 今後の建設計画について

今後の建設計画を示せ。

【答弁者:学校施設課長】
体育の授業や部活動で旧盛岡南高校までバス移動している生徒の負担を考慮しますと、早期に新体育館を整備する必要がありますので、学校敷地内に県単独で整備する方向で検討を進めたいと考えているものでございます。整備には今御指摘がありましたとおり、設計も含めてやはり数年かかりますけれども、具体的な建設場所及び規模などにつきましては、部活動など生徒の学びの充実に資するように高校の関係者とも協議しながら早期の整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

(7) 矢巾町の対応と住民への 説明について

矢巾町の対応と住民への説明についての考えを示せ。

【答弁者:教育長】
共創ということで令和3年から協議を始め、構想段階から実際設計を行い、覚書を結び、住民説明会も町と共同で5回実施し、という経過の中で進めてきたものでありますが、こういう事態に陥ってしまっているということで本当に関係者の皆様に申し訳ないなという気持ちでいっぱいでございます。まずは生徒たちの教育環境に、支障を最小限にしつつ早期に必要な施設は整備していく必要があるということと、これで損害を被った業者さんには誠心誠意対応して
いく必要があるということと、住民説明会やっていますので、5回ほどですね、これ町の方から県で住民説明会してくれという話も実は前から来ているんですが、これ県単独でやっていいのかどうかとか、様々検討すべき事項があります。ただしっかり、こういった事態に至った経過とか、今後どうするのかということについて、何らかの形でまずは住民の皆様にもお伝えしていく必要があろうという。今、中で検討しているところでございます。

矢巾町長の定例記者会見発 言の受け止めについて

矢巾町長が10月14日の定例記者会見において「トップ同士で話し合えば解決できたこともたくさんあると思う。協議の場を設けてほしい。」と発言した報道があったが、このことについて県教委の受け止めを問う。

【答弁者:学校施設課長】
矢巾町からは協議の場の申し入れはその前から文書でもいただいておりますが、県教委としては工事契約解除をしてその後、今に至るにあたって既に支払った設計委託料、それから工事請負業者と契約解除に伴って発生している損害。これの清算をどうするかということをまず話し合った上でないと新たな体育館の協議というのはできないものと考えておりまして、矢巾町には5月にそういった清算の協議をしたいということを申し入れて、矢巾町からはそれには応じられないという回答を文書でもいただいているところでございます。