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県議会報告

令和3年度2月定例会 予算特別委員会(県土整備部)(令和4年3月18日(金))

2022.03.31

1 災害公営住宅等について

(1) 供給戸数と空室状況について

県整備の災害公営住宅の供給戸数と空き室状況は如何に。

【建築住宅課総括課長答弁】
 災害公営住宅の供給戸数と空室状況についてですが、東日本大震災津波からの住宅再建のために整備された災害公営住宅は、県及び14市町村で5、833戸整備した。このうち、県は2、827戸建設し、今現在、県営住宅として1、760戸管理している。また、令和4年1月4日時点の県営災害公営住宅の空室は307戸となっている。

(2) 管理への影響・弊害について

 県整備災害公営住宅の空き室17%だが、災害公営住宅管理費への影響・弊害は如何に。

【建築住宅課総括課長答弁実績】
 県営災害公営住宅の空室率については、約17%となっている。この空室による管理への影響・弊害については、空室があることにより、エレベーターや集会所の電気料金などの共益費の1世帯当たりの負担額の増加、入居人数が少ないことによる役員やごみ置場の当番など自治会役員への就任機会の増加による入居者への負担感の増加、入居人数が少ないことによる住民同士の繋がりの希薄化などが考えられるところ。

(3)入居要件の緩和や移住促進などについて

ア 沿岸被災地の人口減少対策に向けた活用方針について

 沿岸被災地の人口減少対策に向けた活用方針は如何に。

【建築住宅課総括課長答弁】
 沿岸被災地の人口減少対策に向けた活用方針についてですが、県営災害公営住宅については、施設への入所など被災者の生活の変化などにより、空室が発生してきたことから、被災者以外に公募する一般募集を令和2年7月から実施、また、いつでも入居可能なである常時募集については、令和3年7月から実施しているところ。
 また、コミュニティの維持を図りつつ子育て世帯等が退去の不安なく住み続けられるよう入居収入基準について、令和4年4月1日から、東日本大震災復興特区制度による特例で入居した被災者については25万9千円、高等学校までの子育て世帯などについては、裁量世帯である21万4千円に収入限度額増加を図り、退去の防止を図っている。
 なお、県営住宅ストックの有効活用を図るため、令和3年度からは、若者向けの住宅支援や人口減少対策への寄与を目的として「県営住宅活用促進モデル事業」を実施しているが、令和4年度からは、当該事業の実施については、災害公営住宅を含める県内全域に拡大するとともに、大学生の入居や県内企業・団体への活用を期待している。
 また、移住定住の促進を目的とした「いわてお試し居住体験事業」について令和4年度からの実施を予定している。

(4) 今後の整備等について

 今後の県営住宅の建替え、改善事業等について、効率的な管理のあり方や市町村と連携した整備、活用方法について、県と市町村の役割分担は如何に。

【建築住宅課総括課長答弁】
 県と市町村との役割分担については、現在、県においては、岩手県公営住宅等長寿命化計画の見直しを行っているが、当該計画の方針については、現在管理している6894戸を適切に管理していくにあたっては、災害公営住宅整備による住宅管理戸数の増加を踏まえ、今後の適正な維持管理とストック活用を図ることとしている。公営住宅制度の趣旨を踏まえ、地域の住宅課題を市町村と共有、連携しながら、住宅施策を通じて課題の解決を図っていく。
 県営住宅の効率的な管理のあり方については、目的外による使用も含めた既存ストックの活用を図るとともに、人口減少、新たな産業集積等によるまちづくりと連携した住宅施策の中で、住宅に困窮する定額所得者の住宅確保を目的とする公営住宅制度を適切に運用することと考えている。
 公営住宅を含めた住宅施策の推進には、地域の住宅事情の課題を把握している市町村との連携が不可欠であると考えており、広域的な課題への対応は県が、地域課題については市町村が対応することとしている。
 公営住宅整備の進め方については、PFI等の民間と連携した供給、借上げによる供給など、地域の住宅ニーズを県及び市町村が共有しながら、連携を密にして取り組んでいく。

2 特定機能病院医大周辺の道路整備について

(1) 盛岡南道路について

ア 今後の整備計画について

 国の評価手続きにより、3月15日には事業化が妥当と判断されたようだが、今後の見通しについて伺う。

【道路建設課総括課長答弁実績】
 盛岡南道路の今後の計画についてですが、県内唯一の特定機能病院である岩手医科大学附属病院へのアクセス向上を図る、この道路は、盛岡広域都市圏のみならず県内全域を対象とする、まさに命の道としての役割を果たす重要な道路であると認識しています。
 こうしたことから、これまで県では、政府予算提言・要望において、早期事業化を働きかけてきたところであり、1月31日には、県と沿線の盛岡市、矢巾町に加え、岩手医科大学、商工団体と合同で、令和4年度の新規事業化について、国に強く要望したところであります。
 このような中、国では、先月25日に、盛岡南道路について、令和4年度予算に向けて、新規事業採択に係る評価手続に着手しており、3月15日には、社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会が開催され、盛岡南道路の令和4年度の新規事業化が妥当と判断されたところであります。
 その後、国において、評価結果のとりまとめが行われているものと承知しておりまして、こうした国の動きを注視してまいります。

イ 道路ネットワークの検討について

 盛岡南道路の供用後に着手するということだが、ある程度の整備計画や交通量に基づいた道路整備を行っていくものであることから、供用後の着手では遅いと思う。並行して取り組む考えはないのか。

【道路建設課総括課長答弁実績】
 先般、盛岡市から盛岡南道路の終点にあたるところに、新たな業務団地の開発が発表されています。これから盛岡南道路を利用して、地域振興を図る取組が、行政機関や、民間でも進められていくと思いますので、そのような状況を見ながら道路ネットワークについては検討を進める必要があると認識しています。

(2) 歩行安全確保対策について

ア 徳田橋の供用見通しについて

徳田橋の供用見通しは、いつか。

【道路建設課総括課長答弁実績】
徳田橋の供用見通しについてでございますが、国道4号と国道396号や456号を結ぶ県道大ケ生徳田線の徳田橋におきましては、橋梁の老朽化への対応や大型車すれ違い困難箇所の解消、歩行者の安全確保を図るため、両側に歩道を設けた橋梁への架け替えを含む道路改良工事を実施しているところでございます。昨年8月に新たな橋の橋台や橋脚が完成し、11月からは橋桁の架設工事を進めているところでございます。
 橋桁につきましては、3月10日までに橋長365メートルのうち、298メートルの架設が終了しておりまして、今後、橋へのコンクリート床版の設置や前後の道路改良工事を行うなど、令和5年度の供用開始を目指して整備を進めてまいります。

イ 岩手医大前の道路の冬期間のバリアフリー対策と電柱の倒壊対策について

 岩手医大前の道路の冬期間のバリアフリー対策と電柱の倒壊対策はされているか。

【道路環境課総括課長答弁実績】
 岩手医科大学付属病院周辺の電柱の倒壊等に伴う無電柱化対策や冬期間のバリアフリー対策についてですが、岩手医科大学付属病院と矢幅駅を結ぶ矢幅停車場線は、通院や医療従事者の通勤等にも利用され、緊急輸送道路にも指定されていることから、重要な路線であると認識しています。
 このため県では、矢幅駅前付近から岩手医科大学付属病院付近交差点までの延長約1.1kmを又兵エ新田工区として、電柱倒壊による道路閉塞を防ぐ電線共同溝整備による無電柱化や冬期バリアフリー対策を目的とした歩道への融雪施設の整備について、令和3年度に事業化し、令和12年度の完成を目指しているところです。
 国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策等の補助事業を活用し、今年度は、電線共同溝及び融雪施設の詳細設計を行い、また、9月には岩手医大付属病院前の電線共同溝の管路布設工事に一部着手したところです。
 令和4年度も引き続き、国の5か年加速化対策等の補助事業を活用し、電線共同溝及び融雪施設の整備に向け、引き続き取り組んでいきます。

(3) 自転車活用推進法に基づく自転車通行空間整備について

 自転車活用推進法に基づく自転車通行空間の整備状況を伺う。

【道路環境課総括課長答弁実績】
 自転車活用推進法に基づく自転車通行空間の整備についてですが、昨年3月に策定した岩手県自転車活用推進計画では、令和3年度から令和7年度までの5年間で、矢羽根等の路面表示が設置された自転車通行空間を県管理道路で16km整備することを目標としています。
 今年度、盛岡市内において、盛岡市自転車ネットワーク計画に位置付けられた主要地方道盛岡環状線など8路線、約5kmの自転車通行空間設計を実施したところであり、令和4年度から順次整備を進めていきます。

3 人口減対策と市街化調整区域における開発許可の運用弾力化について

(1) 開発許可基準の運用の弾力化について

 市街化調整区域における開発許可の弾力的運用にも積極的に取り組んで欲しいが、所見を伺う。

【都市計画課総括課長答弁実績】
 市街化調整区域における開発基準の弾力化等についてでありますが、国におきましては、平成28年12月に開発許可制度運用指針を一部改正しまして、開発許可基準の運用の弾力化を図ったところであります。県では、関係する市、町と検討を行いまして、市街化調整区域にある空き家を賃貸住宅として活用できるよう、令和2年度に用途変更に係る許可基準を緩和したところでございます。
 また、基準改正のほか、例えば、農家など居住者に制限がある住宅が空き家になった場合には、居住者制限の解除や、その制限解除に併せた建替を認めるなど、既存建築物の活用について、許可基準の弾力的な運用に努めているところでございます。
 今後におきましても、市街化調整区域の既存集落等につきましては、令和3年9月に策定いたしました「岩手県都市計画ビジョン」におきましては、空き家の増加など地域コミュニティ維持等の課題に対応するため、既存建築物の用途変更等に係る開発許可制度の弾力的な運用を検討するとともに、地区計画制度などの活用により、地域の実情に合わせた土地利用を図っていく方針といたしておりますので、引き続き、関係する市、町とも連携しながら、適切に対応して参りたいと考えております。