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県議会報告

令和7年度9月定例会 常任委員会(総務委員会)(令和7年10月6日(月))

2025.11.28

県職員のパワハラ自死問題について

今年の9月11日付けで、損害賠償事件に係る求償権1,934万8098円の行使について通知が行われたわけですけれども、今回のこの事案の特殊性というか、どのように県で認識しているのか、そして、求償権を執行したということは、まさに故意または重過失があったと判断されたと思うのです。重過失があったと判断した根拠や判断基準をお示しください。

◯佐藤管理課長 求償権につきましては、臼澤勉委員のおっしゃるとおり、9月11日に本人に対して通知を行ったところでございます。求償権につきましては、国家賠償法第1条第2項で、公務員に故意または重大な過失があったときは、その公務員に対して求償権を有すると規定されております。今回の事案につきましては、加害職員が、前の所属において、部下職員の指導方法について、複数の上司から指導を受けたにもかかわらず、指導方法を改善せず、異動後の所属においてもこうした行為が繰り返されたということ、また、周囲の職員が気づくほど明らかであった被害職員の体調変化を見落とし、業務量の調整や指導方法の改善をせず、部下職員の心身の健康に注意すべき安全配慮義務を欠いたといった点を踏まえまして、わずかな注意をすれば、被害職員の精神疾患の発症を防ぐことができる可能性があったが、そうした行動が見られなかったと考えられまして、少なくとも重過失を認めて、求償権の行使を検討したということでございます。

これは、パワハラを行った職員個人の問題と捉えているのか、それとも、これを防げなかった組織的な問題もあると捉えているのか。どちらでしょうか。

◯佐藤管理課長 これは組織的な責任もあると捉えております。求償の割合を検討するに当たっては、顧問弁護士の意見も踏まえたのですけれども、加害職員のこのような行為について、次の異動先の所属の上司等に対して情報が行かなかったという点などは、組織の責任と考えています。

令和3年3月に関係職員の懲戒処分―停職4カ月、所属長の戒告、そして、令和6年に御遺族に謝罪をされているということです。改めて、この加害者の懲戒処分―停職4カ月、所属長の戒告のみで、これで組織的な問題があると認識しているのであれば、何か足りないと思うのですけれども、いかがなのか。
それから、6月に謝罪されております。公務災害認定を7月に行って、その前に謝罪されております。改めて確認しますが、謝罪には、誰が、いつ、誰に対して、どのように謝罪されたのか伺います。

◯畠山参事兼人事課総括課長 まず、処分の関係でございます。懲戒処分におきましては、本県の懲戒処分等の標準処分例をもとに、国や他県の事例を参照しながら、処分を決定しているところでございます。そのあたりの処分量定につきましては、そういった行為の動機、対応、結果なども含めまして、被害者の立場も総合的に勘案しながら決定していったところでございます。全国的な動向から見ても、同様の事案等で、基本的には停職が最高のところのベースとして処分されているといったところも参照しながら、今回の量定を決定したところでございます。

◯佐藤管理課長 私から謝罪の件について答弁いたします。令和3年2月に、御遺族と面会しております。ここでは、調査結果を報告しまして、この時点でパワーハラスメントがあったということを報告しております。ふるさと振興部長が御遺族に対しまして、パワーハラスメントがあったことを認めて謝罪を行っております。また、令和3年6月に、調査結果の最終報告ということで御遺族と面会させていただいております。こちらでも改めて調査の結果を報告しまして、ふるさと振興部長が、御遺族に対しまして謝罪を行っているというところでございます。

組織的な瑕疵というか責任もあったという話でございますが、その処分について、私は不十分ではないかと思います。これは後ほどお伺いしますし、このパワハラの実態調査について、斉藤信議員も一般質問でやっておりましたが、私も全庁調査をすべきと思いますが、これはしたのでしょうか。しているのでしょうか。

◯畠山参事兼人事課総括課長 パワハラの調査のところでございます。パワハラ調査に関しましては、令和2年6月に策定した基本方針にのっとりまして、部下が匿名で所属長を評価する制度によって、調査を実施しているところでございます。今年度は、所属長の評価制度において、所属長のみならず、担当課長などの部下職員のハラスメントの有無をより明確に把握できるよう質問形式を改めるなど、さまざまな工夫をしているところでございます。現状のところでこういった工夫を凝らしながら、パワハラの実態に関して、しっかりと調査していきたいと思っております。

人事ヒアリングのときなどに書いてもらうということですけれども、私が職員の立場であったら、書けないです。知っている上司に対して書きにくい。なぜ知事が皆さんに全庁調査を指示しないのか不思議でならないです。知事は、もう二度とこういう重大事案が発生しない、重く受けとめていると私の質問にも答えておりましたが、言葉ではなくて、まず実態把握、本当にこの一つの案件で済んでいるのか。ほかに隠れている話―声を上げたくても上げない職員がいるのではないかと思って、ぜひ、全庁調査をしていただきたいと思います。なぜならば、やはり、顔が見えるとか、名前を出すことによって、今後、人事評価で不利になるとか、そういったものがあるのではないかということを恐れるわけです。私だって、職員の立場で考えれば、そう思うのは当然だと思いますよ。やり方としても、匿名で24時間体制でこういった声を受け付けるような、そういった仕組みも警察本部ではやっていると聞いておりますけれども、ぜひ、全庁を上げて、パワハラは、絶対に起こさないというような、覚悟であったり、あるいは、職員に対してもそういうメッセージを発して、風通しの良い組織にしてほしい。本当に苦しんでる人たちがいるのだと思います。私のところにもお手紙が何件か寄せられております。そういった部分においても、県庁のみならず、県立大学とか、ほかの部署でも実際あるのですよ、起きているのですよと、そういった声なき声を拾って、対応していく。まさに、知事がおっしゃるように、誰一人取り残さないというように取り組んでいただきたい。だって、数字に表れているではないですか。令和6年のハラスメントの相談件数が、今までに3件しかなかったのが14件とか、令和7年のこの半年でも9件とか出てきています。これがパワハラなのかどうかはわからないですよ。丁寧に分析はしてないのですが、ぜひ、そういった部分について、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
最後に、達増県政以降の職員の自死件数。あるのかないのか。
あと、病気療養者、退職者の中に、パワハラを要因として職を辞めていかざるを得なかった人がいるのか、お聞かせください。

◯畠山参事兼人事課総括課長 達増知事就任以降の職員の自死件数でございます。知事に就任いたしました平成19年度以降におきましては、職員の自死件数は9件となっております。このうち、病気に伴うものなどの理由が特定されているものが6件、理由が不明であるものが3件でございますが、公私問わず悩みごとや自身の健康不安など、複合的な要因が多いと推察しているところでございます。なお、パワハラに起因する自死につきましては、令和2年4月の本賠償事案に係る事案以外は確認されていないところでございます。
それから、病気療養の件でございますが、これにつきましても、身体的な理由、もしくは精神的な理由のものがございます。精神的なものにつきましては、全国で、特に若手職員において近年増加しておき、本県においても同様であるところでございます。県では、要因といたしましては、健康サポートルームでの受け付け相談内容を見ますと、業務の量や質、職場における人間関係の悩み、不安、個人的な事情、あるいは、これらが複合的になっていることが見られ、職員個々の状況に応じて対応を行っていくことが必要であると認識しております。
退職者に関しましては、これも、本県も含めまして、全国的に退職が多い状況でございます。この要因としましては、自身のキャリアアップや経済的事情の観点から転職する場合があるほか、結婚などのライフスタイルの変化に伴う転職など、さまざまなケースがあると認識しております。
県としましては、優秀な人材の確保に向けまして、あらゆる手段を講じながら、より良い職場環境づくりに向けた取り組みを進めてまいります。

これまで9人の方がお亡くなりになっているという、これもまた本当に重いですよ。そして、真面目で本当に優秀な人が、心を病んで、体調を崩して、辞めていった先輩もいます。ぜひ、風通しの良い、そういったことを許さない、無くすという覚悟―決して責めているわけではなくて、ぜひお願いしたいと思います。